ダイキアクシス Research Memo(8):新規事業に位置付く上水事業は供給初年度から黒字化
[15/03/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画
(1)上水事業:高収益の積み上げ型ビジネス
環境機器関連事業に属し、新規事業に位置付けられている上水事業は、主に温浴施設、大型商業施設、病院、ホテル、スポーツジムなどに安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコ(Energy Service Company)サービスになる。供給する上水は、地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10〜30%のコスト削減になる。利用者は、従来の水道と利用方法がまったく変わらず、使用量に応じて課金される。契約期間は、10年の長期になる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算する積み上げ型のビジネスモデルになる。また、飲料化装置の販売も手掛けており、2014年12月期は3件の売上を記録した。
エスコの上水設備は、ダイキアクシス<4245>が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、同社の本社から1日24時間、365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。同事業に係る設備投資額は、2012年12月期が155百万円、2013年12月期は161百万円であった。2014年12月期は、新規供給開始件数が過去最多の年間13件となり、設備投資額は386百万円に増えた。上水事業全体の売上高は、2012年12月期が440百万円、2013年12月期が461百万円、2014年12月期は542百万円に増加した。2014年12月期末のエスコ累計契約は55件となり、1件当たりの年間売上高は、おおよそ10百万円になる。上水事業全体の2015年12月期の売上高は、746百万円が予想されている。
同事業は、供給開始初年度から黒字化する。供給設備の減価償却は、契約期間に応じて決められ、償却方法は定額法を採用している。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。上水事業を本格的に開始してまだ5年であるが、償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。
なお、同社は、年間15件の新規案件の獲得が可能な体制を採っている。地下水の飲料化は、工場排水の処理システムを手掛けている同社にとって技術的な困難さはない。ただし、今まではリスクを嫌う食品加工業者や病院の採用が遅れていた。ここにきて、それらの分野でも新規開拓に成功したことから、市場への浸透が期待される。
エスコ事業は、荏原<6361>や栗田工業<6370>などの大手水処理機器メーカーが参入するには市場規模が小さい。一方、中小企業では資本力を含め企業体力に欠ける。現在のところ競争激化の恐れはない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<FA>
(1)上水事業:高収益の積み上げ型ビジネス
環境機器関連事業に属し、新規事業に位置付けられている上水事業は、主に温浴施設、大型商業施設、病院、ホテル、スポーツジムなどに安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコ(Energy Service Company)サービスになる。供給する上水は、地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10〜30%のコスト削減になる。利用者は、従来の水道と利用方法がまったく変わらず、使用量に応じて課金される。契約期間は、10年の長期になる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算する積み上げ型のビジネスモデルになる。また、飲料化装置の販売も手掛けており、2014年12月期は3件の売上を記録した。
エスコの上水設備は、ダイキアクシス<4245>が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、同社の本社から1日24時間、365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。同事業に係る設備投資額は、2012年12月期が155百万円、2013年12月期は161百万円であった。2014年12月期は、新規供給開始件数が過去最多の年間13件となり、設備投資額は386百万円に増えた。上水事業全体の売上高は、2012年12月期が440百万円、2013年12月期が461百万円、2014年12月期は542百万円に増加した。2014年12月期末のエスコ累計契約は55件となり、1件当たりの年間売上高は、おおよそ10百万円になる。上水事業全体の2015年12月期の売上高は、746百万円が予想されている。
同事業は、供給開始初年度から黒字化する。供給設備の減価償却は、契約期間に応じて決められ、償却方法は定額法を採用している。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。上水事業を本格的に開始してまだ5年であるが、償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。
なお、同社は、年間15件の新規案件の獲得が可能な体制を採っている。地下水の飲料化は、工場排水の処理システムを手掛けている同社にとって技術的な困難さはない。ただし、今まではリスクを嫌う食品加工業者や病院の採用が遅れていた。ここにきて、それらの分野でも新規開拓に成功したことから、市場への浸透が期待される。
エスコ事業は、荏原<6361>や栗田工業<6370>などの大手水処理機器メーカーが参入するには市場規模が小さい。一方、中小企業では資本力を含め企業体力に欠ける。現在のところ競争激化の恐れはない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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