タマホーム Research Memo(6):16年5月期は3期ぶりの増収増益を見込む
[15/09/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(1) 2016年5月期の連結業績見通し
タマホーム<1419>の2016年5月期の連結業績は、売上高が前期比2.8%増の153,700百万円、営業利益が同22.6%増の2,800百万円、経常利益が同38.9%増の2,800百万円、当期純利益が1,000百万円(前期は641百万円の損失)と増収増益に転じる見通し。注文住宅の販売戸数は微減となるものの、リフォーム事業の営業活動再開や戸建分譲の販売戸数増加などによって売上高は2期ぶりの増収に、また、増収効果や住宅事業の原価低減、販管費率の改善などによって営業利益は3期ぶりに増益に転じる見通しだ。セグメント別の見通しは以下のとおり。
○住宅事業
住宅事業の売上高は前期比1.3%増の132,400百万円、営業利益は同184.6%増の2,100百万円となる見通し。注文住宅における受注戸数は環境性能などをグレードアップした魅力ある商品の開発や販売体制の強化により、前期比14.2%増の8,465戸と3期ぶりの増加を見込むが、販売戸数は手持ち受注残高が減少している影響もあって、同1.7%減の7,172戸となる見通し。平均販売単価は前期比1.5%増の1,800万円と上昇傾向が続くものの、売上高としては微減収を見込んでいる。一方、リフォーム事業では営業活動を9月から再開する予定となっており、売上高の回復を見込んでいる。営業利益は、販売単価の上昇や仕入原価の低減、不採算店舗の整理統合を進めることで増益に転じる見通しだ。
足元の月次受注状況を見ると、2014年10月にプラスに転じて以降は前年並みか前年を上回る月が続いていたが、2015年6月は前年同月比で32%減と2ケタ減に落ち込んだ。これは2015年5月の受注が高かったことに加えて、前年6月が価格改定の効果で例年よりも強かった反動によるものと考えられる。ただ、2015年7月の状況についても店舗の来場客数の伸びが鈍く、本格的な回復には至っていないのが現状だ。このため、同社では集客力向上に向けたイベント開催や広告宣伝費の積極投下と販売人員の増員などによって、下期以降の受注回復に取り組んでいく。なお、人員に関しては前期比で100名程度の増員を見込んでいる。
○不動産事業
不動産事業の売上高は前期比10.6%増の14,300百万円、営業利益は同6.5%減の1,600百万円と増収減益を見込んでいる。売上高は戸建分譲の販売戸数が前期比109.9%増の275戸と約2倍増となるほか、サブリースの伸長によって増収基調が続く見通し。ただ、利益面では前期に計上した土地売却益がなくなることや、今8月に新たにタマホーム不動産(株)を設立し、不動産仲介事業を立ち上げるなど先行投資負担などもかかることから、減益を見込んでいる。
○金融事業
金融事業の売上高は前期比35.0%減の800百万円、営業利益は同84.2%減の100百万円と減収減益を見込んでいる。火災保険の契約期間が2015年10月以降、従来の30年から10年に短縮されることに伴い、手数料収入が減少するためだ。前期のような手数料単価の上昇も今期は見込んでいない。
○その他事業
その他事業の売上高は前期比32.2%増の6,200百万円、営業損失は1,000百万円(前期は782百万円の損失)となる見通し。売上高に関しては住宅周辺事業(家具販売、つなぎ融資サービス、地盤改良サービス等)が拡大するほか、2015年10月に上海のポートマン・リッツカールトンホテルのメインダイニングとして開業するレストラン事業(年間売上見込み300〜500百万円)なども寄与する。
一方、利益面ではハワイの不動産開発事業やインドでの合弁事業開始に向けた経費が増加するほか、国内では2016年4月に東京・羽田に開業予定の「タマディアホテル羽田」の初期投資が負担増となる。「タマディアホテル羽田」は8階建て(160室)の新築ホテルとなり、訪日客の増加もあって開業当初から高稼働率が期待される。同社では今後も博多や名古屋、大阪などで保有する不動産の有効活用を図るため、今後もホテル事業を拡大していく計画を立てている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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