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品川リフラ Research Memo(4):主力の耐火物及び関連製品が売上高の7割以上を構成

注目トピックス 日本株
■会社概要

(3)事業内容

○セグメント情報
2015年3月期におけるセグメント情報は、連結売上構成比、セグメント利益構成比(調整額控除前)、売上高セグメント利益率の順で、耐火物及び関連製品が74.7%、74.4%、6.0%であった。同様に、エンジニアリングが22.8%、8.7%、2.3%、不動産・レジャー等が2.5%、16.9%、41.2%であった。エンジニアリングの収益性が低い理由は、後述する。

耐火物及び関連製品は、定形・不定形耐火物、モールドパウダー、セラミックファイバー、ファインセラミックス、化成品等の製造・販売である。エンジニアリングは、高炉・転炉・焼却炉等の築炉工事、工業窯炉の設計・施工などである。不動産・レジャー等は、保有不動産の賃貸や土地の有効活用である。

○グループ企業
同社グループは、品川リフラクトリーズ<5351>、連結子会社27社及び関連会社5社(うち3社が持分法適用)で構成される。子会社の中で、株式の54.7%を所有するイソライト工業<5358>が、唯一の上場企業である。国内グループ会社には、イソライト工業のように買収した会社もある。機能及び立地などで役割を分けている。海外子会社は、中国に3社、オーストラリアとニュージーランドに各1社、米国に1社あり、いずれも耐火物の製造・販売をしている。また、インドネシアにも子会社が1社ある。2015年3月期の連単倍率は、売上高、営業利益ともに1.5倍だった。

○事業内容
a)耐火物及び関連製品
2015年3月期の単体売上高の顧客業種別構成比は、鉄鋼が82.3%、焼却炉が2.9%、セメントが1.9%、その他が12.9%であった。過去5期間の推移を見ても、鉄鋼向けが80%を下回ったことはない。

主要相手先の販売実績では、合併効果が通期にわたって表れた2011年3月期に、JFEスチール向けの販売額が35,000百万円を超え、連結売上高の34.9%を占めた。それ以降、年間販売額は34,000〜37,000百万円で推移し、全体の35%前後の構成比を形成している。2015年3月期における連結売上高の10%を超える販売先は、JFEスチール(依存度37.4%)と神戸製鋼所(同14.7%)の2社だった。

高炉メーカーへの売上依存度が高いため、同社は主要相手先の製鉄所内に営業所や築炉事業部の拠点を置くなど顧客密着型の体制をとっている。装置産業である鉄鋼メーカーのニーズは、設備稼働率の維持、高い歩留り、高品質である。同社は、主要顧客先に対して緊密な営業と迅速なサポート体制をとっている。JFEスチールに対して、東日本製鉄所の千葉地区と京浜地区で、西日本製鉄所では倉敷地区と福山地区のいずれにも営業所と築炉事業部事業所を配置している。神戸製鋼所には、神戸製鉄所及び加古川製鉄所に対応する営業所を置いている。また、新日鐵住金では、同社の鹿島営業所と工事部が鹿島製鐵所内で、和歌山営業所が和歌山製鐵所内で活動している。他の営業所も住所(北海道室蘭市、愛知県東海市、兵庫県姫路市、福岡県北九州市)から、新日鐵住金向けにネットワークを築いていることが推察される。鉄鋼会社は、グループ会社から独占的な供給を受けるのではなく、複数購買をしている。

同社は、経営統合以来進めてきた最適生産体制確立の最終仕上げとして、2014年4月より生産部門を湯本・赤穂・岡山の3工場体制から、東日本・西日本の2工場体制に再編した。間接部門を含めた組織のスリム化と業務の効率化により、生産集約効果の最大化を図った。

同業他社の中には、積極的に海外生産移管を進めた会社があるが、同社は主要拠点を国内に置いている。中国は、市場規模が大きく、耐火物の原材料も豊富なため、同社も中国に進出している。中国で生産したものは同国内の需要に当て、日本への輸出には消極的である。日本における煉瓦プラントは、高度に自動化されており、省力化・自動化のために工業用ロボットが導入されている。

(b)エンジニアリング
同社の特長は、耐火物の製造技術と高度な築炉技術を併せて持っていることにある。欧州メーカーは、製品を標準化し、コストダウンを図る経営スタイルをとっている。一方、日本の鉄鋼メーカーは継続的な改善活動により、炉の設計や炉材を常に進化させる。炉材会社である同社は、顧客密着型の技術対応と顧客ニーズに応える開発力により、技術力を発揮した強固な顧客基盤を築いてきた。エンジニアリング部は、崩れにくく溶損が抑えられる設計や作業などにノウハウを持つ。売上の大半を占める補修やメンテナンスなどの作業は協力会社の監督やプロジェクト管理が主たる業務になるため利幅が小さくなる。

(c)不動産・レジャー等
不動産・レジャー等事業は、自社所有の不動産の賃貸や土地の有効活用を目的としている。新たに物件を取得する計画はない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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