Eストアー Research Memo(4):16/3期2Qは増収増益、注力している販促事業は大幅な増収
[15/12/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
16/3期2Qは増収増益、注力している販促事業は大幅な増収
(1) 2016年3月期第2四半期決算
Eストアー<4304>の2016年3月期第2四半期は、売上高2,971百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益357百万円(同18.4%増)、経常利益358百万円(同18.3%増)、当期利益225百万円(同19.0%増)と、増収増益で着地した。同社は期初の段階で第2四半期の業績予想を公表していないため正確な計画対比はないが、一部の費用が下期に先送りとなったことから利益は当初の想定を上回ったもようだ。
システム事業は、低収益だったOEM契約について契約解消を進め、2014年3月期中に完了した。自社経由及び他社経由での契約については良品良店を中心に契約増に向けて営業を行ってきているが、売上の低い顧客は契約解除の傾向にあり、その対処も減らしているため、今第2四半期末まで、契約顧客数の減少が続いている。しかしながら、契約顧客の入れ替わりに加えて、小売業界全般に売上回復の動きがみられ、同社の顧客企業においても売上増となったところが多かったことから、システム事業の売上高は前年同期比3%の増収となった。
マーケティング事業は、プレシジョンマーケティングが手掛ける集客事業と、マーケットプレイス運営のメディア事業は前年同期比減収となった。しかし、同社が最も注力している販促事業は前年同期比74%増と大幅増収となった。利益面では、販促事業は56百万円の営業損失と赤字が続いているが、前期対比では損失は縮小しており、今後の売上拡大で黒字化する道筋が見えてきた。メディア事業の営業利益が前年同期の70百万円の損失から2百万円の黒字に転換した理由は、広告関連費用の支出を抑制したためだ。集客事業は前年同期の15百万円の利益から1百万円の赤字に転落したが、これは広告価格の上昇でコストアップとなったためとみられる。
今第2四半期でプラスに評価すべき最大のポイントは、販促事業の大幅増収だ。2014年3月期に開始したものの、当初は予定どおりには進まず、仕切り直しを迫られた。その後、当初計画に比べて1年間遅れてようやく決算上に顕在化したのが今第2四半期ということだ。同社によれば、販促事業の各種サービスは企業から好評をもって迎えられているもようで、今後の拡販にも自信を持てているようだ。同社では今後の人材増強も視野に入れている。
一方で今第2四半期に顕在化した注意すべき点として、インターネット広告に関する部分がある。1つは広告単価の上昇だ。もう1つは、インターネット広告の人気低下の動きだ。同社の行うECコンサルティングにおいて、インターネット広告に関する提案は、ソリューション提案の大きな部分を占めているため、そこの人気が低下すれば、他のソリューション提案を行う必要がある。同社には他のメディアを活用した広告のノウハウもあるため、直接的な影響はないと考えられるが、販促事業の順調な拡大のためには、顧客の嗜好や世の中の構造変化への敏感な対応が不可欠と言えそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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16/3期2Qは増収増益、注力している販促事業は大幅な増収
(1) 2016年3月期第2四半期決算
Eストアー<4304>の2016年3月期第2四半期は、売上高2,971百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益357百万円(同18.4%増)、経常利益358百万円(同18.3%増)、当期利益225百万円(同19.0%増)と、増収増益で着地した。同社は期初の段階で第2四半期の業績予想を公表していないため正確な計画対比はないが、一部の費用が下期に先送りとなったことから利益は当初の想定を上回ったもようだ。
システム事業は、低収益だったOEM契約について契約解消を進め、2014年3月期中に完了した。自社経由及び他社経由での契約については良品良店を中心に契約増に向けて営業を行ってきているが、売上の低い顧客は契約解除の傾向にあり、その対処も減らしているため、今第2四半期末まで、契約顧客数の減少が続いている。しかしながら、契約顧客の入れ替わりに加えて、小売業界全般に売上回復の動きがみられ、同社の顧客企業においても売上増となったところが多かったことから、システム事業の売上高は前年同期比3%の増収となった。
マーケティング事業は、プレシジョンマーケティングが手掛ける集客事業と、マーケットプレイス運営のメディア事業は前年同期比減収となった。しかし、同社が最も注力している販促事業は前年同期比74%増と大幅増収となった。利益面では、販促事業は56百万円の営業損失と赤字が続いているが、前期対比では損失は縮小しており、今後の売上拡大で黒字化する道筋が見えてきた。メディア事業の営業利益が前年同期の70百万円の損失から2百万円の黒字に転換した理由は、広告関連費用の支出を抑制したためだ。集客事業は前年同期の15百万円の利益から1百万円の赤字に転落したが、これは広告価格の上昇でコストアップとなったためとみられる。
今第2四半期でプラスに評価すべき最大のポイントは、販促事業の大幅増収だ。2014年3月期に開始したものの、当初は予定どおりには進まず、仕切り直しを迫られた。その後、当初計画に比べて1年間遅れてようやく決算上に顕在化したのが今第2四半期ということだ。同社によれば、販促事業の各種サービスは企業から好評をもって迎えられているもようで、今後の拡販にも自信を持てているようだ。同社では今後の人材増強も視野に入れている。
一方で今第2四半期に顕在化した注意すべき点として、インターネット広告に関する部分がある。1つは広告単価の上昇だ。もう1つは、インターネット広告の人気低下の動きだ。同社の行うECコンサルティングにおいて、インターネット広告に関する提案は、ソリューション提案の大きな部分を占めているため、そこの人気が低下すれば、他のソリューション提案を行う必要がある。同社には他のメディアを活用した広告のノウハウもあるため、直接的な影響はないと考えられるが、販促事業の順調な拡大のためには、顧客の嗜好や世の中の構造変化への敏感な対応が不可欠と言えそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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