ネットイヤー Research Memo(7):新サービスやプロダクト開発に特化した体制を整え、成長スピードを加速
[15/12/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(2)新サービスの動向について
ネットイヤーグループ<3622>では中長期戦略として自社プロダクトの売上構成比率を50%程度まで引き上げていくことを目指しており、現状は売上高こそ伸びてはいるものの、成長スピードに関しては期待値を下回っていると考えている。このため、今期は新サービスやプロダクト開発に特化した組織を新たに立上げ、成長スピードを加速化していく体制を整えている。
具体的には、2015年4月よりオムニチャネルクラウド事業部とデジタルビジネスデザイン事業部の2つの事業部を立ち上げ、両事業部で10数名を配置した。オムニチャネルクラウド事業部は、Salesforce社のマーケティングオートメーションツールである「Salesforce Marketing Cloud」を販売する営業部隊となる。オムニチャネルへの投資は考えているが、本格的な投資にはコストが掛かりすぎるため、まず簡易的なオートメーションツールを導入して、その効果を分析したい顧客(大企業から中堅企業)向けに需要があるとみて販促を強化している。
「Salesforce Marketing Cloud」は世界で1万社超の企業が導入しているマーケティングオートメーションツールで市場シェアトップの販売実績を持つ製品となる。顧客に対してメールやWeb、SNSなど多様なチャネルを通して1to1のコミュニケーションを取ることができる高度なデジタルマーケティングプラットフォームで、顧客への販促施策として理想とするシナリオを予め設定しておくことで、自動的に適切なタイミングで最適なチャネルを使って販促のためのコンテンツを配信することが実現可能となる。メールやSNS、動画コンテンツなどデジタルマーケティングの手法が年々複雑化していくなかで、マーケティング担当者にかかる負荷も増大しており、経営課題ともなってきている。既に海外ではデジタルマーケティングの生産性を向上するツールとして導入が進んでおり、今後は国内においても普及が期待される。
「Salesforce Marketing Cloud」では顧客ごとに最適な要件定義を行う必要があるため、導入までの時間はかかるものの、1件当たり100万円以上の売上げが見込まれており、今期は10社程度の導入を目標としている。11月には初ユーザーとしてゴルフダイジェスト・オンライン<3319>の導入が発表されている。ゴルフ用品の通販サイト、ゴルフ場予約サイト等の利用者に向けた販促施策を行うツールとして利用されている。その他にもアパレル企業やその他EC企業などとも導入に向けた交渉が進んでいるようで、来期に向けて一段の売上拡大が期待される。
一方、デジタルビジネスデザイン事業では、自社の顧客基盤を持っていない中小の小売店舗向けのマーケティングオートメーションツールの開発、販売を担う事業部となる。オムニチャネル戦略は企業にとって重要なマーケティング戦略ではあるものの、システムを最初から構築するには膨大な投資額が必要となり、小規模事業者にとっては導入が難しい。同社ではこうしたユーザーに対して手軽に利用できるクラウド型のO2Oアプリサービス「ぽぷろう」を開発し、11月より本格販売を開始した。
「ぽぷろう」の特徴は、店員が管理アプリを使って、POPやクーポン、メッセージなどを作成し、自社で開設した店舗アプリに配信することで、同アプリを利用する店舗の顧客に対して、お買い得情報などの情報をリアルタイムで送るシステムとなる。POPの作成についてはスマホで商品の写真や動画(90秒)を撮影し、加工を施すことによって簡単にデジタルPOPに仕上げることができる。また、顧客属性(年代や性別など)によっても配信コンテンツを分けることができるほか、SNSとの連携なども可能性、顧客の反応もリアルタイムで把握できるようになる。このため、店舗の工夫次第では売上を大きくアップさせるツールとなる可能性がある。費用は初期費用3万円のほか月額で1.3万円/店舗のサービスとなる。店舗アプリについては同社が開発・提供するため、導入スピードも早い。
既に先行してセブン&アイグループの食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」の池袋店、東戸塚店で9月より導入され、利用が開始されており、評判も上々のようだ。「ぽぷろう」の販売に関してはオンラインでの販売のみとなるが、将来的には海外での販売を視野に入れており、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2)新サービスの動向について
ネットイヤーグループ<3622>では中長期戦略として自社プロダクトの売上構成比率を50%程度まで引き上げていくことを目指しており、現状は売上高こそ伸びてはいるものの、成長スピードに関しては期待値を下回っていると考えている。このため、今期は新サービスやプロダクト開発に特化した組織を新たに立上げ、成長スピードを加速化していく体制を整えている。
具体的には、2015年4月よりオムニチャネルクラウド事業部とデジタルビジネスデザイン事業部の2つの事業部を立ち上げ、両事業部で10数名を配置した。オムニチャネルクラウド事業部は、Salesforce社のマーケティングオートメーションツールである「Salesforce Marketing Cloud」を販売する営業部隊となる。オムニチャネルへの投資は考えているが、本格的な投資にはコストが掛かりすぎるため、まず簡易的なオートメーションツールを導入して、その効果を分析したい顧客(大企業から中堅企業)向けに需要があるとみて販促を強化している。
「Salesforce Marketing Cloud」は世界で1万社超の企業が導入しているマーケティングオートメーションツールで市場シェアトップの販売実績を持つ製品となる。顧客に対してメールやWeb、SNSなど多様なチャネルを通して1to1のコミュニケーションを取ることができる高度なデジタルマーケティングプラットフォームで、顧客への販促施策として理想とするシナリオを予め設定しておくことで、自動的に適切なタイミングで最適なチャネルを使って販促のためのコンテンツを配信することが実現可能となる。メールやSNS、動画コンテンツなどデジタルマーケティングの手法が年々複雑化していくなかで、マーケティング担当者にかかる負荷も増大しており、経営課題ともなってきている。既に海外ではデジタルマーケティングの生産性を向上するツールとして導入が進んでおり、今後は国内においても普及が期待される。
「Salesforce Marketing Cloud」では顧客ごとに最適な要件定義を行う必要があるため、導入までの時間はかかるものの、1件当たり100万円以上の売上げが見込まれており、今期は10社程度の導入を目標としている。11月には初ユーザーとしてゴルフダイジェスト・オンライン<3319>の導入が発表されている。ゴルフ用品の通販サイト、ゴルフ場予約サイト等の利用者に向けた販促施策を行うツールとして利用されている。その他にもアパレル企業やその他EC企業などとも導入に向けた交渉が進んでいるようで、来期に向けて一段の売上拡大が期待される。
一方、デジタルビジネスデザイン事業では、自社の顧客基盤を持っていない中小の小売店舗向けのマーケティングオートメーションツールの開発、販売を担う事業部となる。オムニチャネル戦略は企業にとって重要なマーケティング戦略ではあるものの、システムを最初から構築するには膨大な投資額が必要となり、小規模事業者にとっては導入が難しい。同社ではこうしたユーザーに対して手軽に利用できるクラウド型のO2Oアプリサービス「ぽぷろう」を開発し、11月より本格販売を開始した。
「ぽぷろう」の特徴は、店員が管理アプリを使って、POPやクーポン、メッセージなどを作成し、自社で開設した店舗アプリに配信することで、同アプリを利用する店舗の顧客に対して、お買い得情報などの情報をリアルタイムで送るシステムとなる。POPの作成についてはスマホで商品の写真や動画(90秒)を撮影し、加工を施すことによって簡単にデジタルPOPに仕上げることができる。また、顧客属性(年代や性別など)によっても配信コンテンツを分けることができるほか、SNSとの連携なども可能性、顧客の反応もリアルタイムで把握できるようになる。このため、店舗の工夫次第では売上を大きくアップさせるツールとなる可能性がある。費用は初期費用3万円のほか月額で1.3万円/店舗のサービスとなる。店舗アプリについては同社が開発・提供するため、導入スピードも早い。
既に先行してセブン&アイグループの食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」の池袋店、東戸塚店で9月より導入され、利用が開始されており、評判も上々のようだ。「ぽぷろう」の販売に関してはオンラインでの販売のみとなるが、将来的には海外での販売を視野に入れており、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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