テクマトリックス Research Memo(11):2018年3月期は売上高251億円、営業利益23.5億円を目指す
[16/01/06]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画「TMX 3.0」
テクマトリックス<3762>の2018年3月期を最終年度とする中期経営計画「TMX 3.0」の概要は以下のとおり。
目標数値は年度ごとの売上高と営業利益が示されている。それによると、最終年度の2018年3月期は、売上高が25,100百万円、営業利益が2,350百万円となっている。要約すると、1)売上高は年率約10%強の伸びを続ける2) 2018年3月期の営業利益は2015年3月期比で約2倍、売上高営業利益率は3.3ポイント増の9.4%?となる。
目標数値はさらに事業部ごとの売上高と営業利益も明示している。2018年3月期は、情報基盤事業の売上高が17,000百万円、営業利益が1,600百万円、アプリケーション・サービス事業の売上高が8,100百万円、営業利益が750百万円となっている。
これら数値のほかに、売上高に関しては最終年度には最高で30,000百万円となる可能性にも言及している。M&Aによって売上高が最大で5,000百万円上乗せされる可能性があるためである。
この目標数値を達成するために掲げられた戦略は以下のようになっている。
【クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進】
具体的な取り組みとしては、医療関連分野の2017年3月期の黒字化、プラットフォーム提供戦略、アジアでのクラウド事業の確立などが挙げられている。これらのうち、アジアのクラウド事業は、人口減少による国内市場の縮小に対応するための長期的な戦略となる。
【セキュリティ&セイフティの追求】
セキュリティ&セイフティビジネスは情報セキュリティ技術とソフトウェア品質保証分野の両方を事業展開している専門家集団である点を活かし、1)サイバーセキュリティ対策の高度化対応とワンストップサービスの提供、2)設計、構築、保守、運用・監視サービス、自動化のバリューチェーンの実現、3) IoT時代に対応するための組込ソフトウェアの機能安全の実現などを図っていく。
【人材拡大に単に依存しないビジネスモデルの構築】
同社はかねてから労働集約型ビジネスからの脱却を掲げている。人材拡大に依存しないビジネスモデルの構築はこれと同じ意味を持つ。
同社のビジネスのうち、情報基盤事業は、システム構築がどうしても伴う。そのためには技術者が必要であることも確かである。しかし、同社は、技術者をやみくもに増やすのではなく、技術者の補充を極力抑えても対応できるサービス分野の強化を図ろうとしている。たとえば、監視サービスである。複数のシステムを監視センターで集中的に監視するサービスであることから、受注が増えても急激に人を増やす必要がない。また、どうしても国内の技術者だけでは賄いきれないケースでは、ベトナムなどオフショアでの開発なども検討していく。
さらに人材に関しては、世界レベルでの優秀な人材確保に努めることも掲げている。
【売上高に占めるストックビジネスの割合を50%に】
上記の戦略を進めることによってシステム構築を中心とするフロービジネスからクラウド、保守、運用・監視といったサービス主体のストックビジネスの比重拡大が図れる。売上高に占めるストックビジネスの割合を50%にするという目標は、上記の戦略を進めることによって得られる一つの結果とも言える。ストックビジネスの比重が拡大すれば、安定した収益が確保できるほか、利益率も労働集約型の色彩の強いフロービジネスよりも高くなる。
【その他】
これらの他にも、本社の移転と分室の統合(2015年5月に完了)などによるオペレーションの効率化、直販力の強化、官公庁需要の深耕などの戦略が掲げられている。
以上が中期経営計画の目標数値を達成するための戦略だが、これらは目標数値を達成するためだけのものではない。同時に2014年8月に創業30周年を迎えた同社が“次の30周年”に向けた「土台固めと方向付け」を行うための戦略にも位置付けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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テクマトリックス<3762>の2018年3月期を最終年度とする中期経営計画「TMX 3.0」の概要は以下のとおり。
目標数値は年度ごとの売上高と営業利益が示されている。それによると、最終年度の2018年3月期は、売上高が25,100百万円、営業利益が2,350百万円となっている。要約すると、1)売上高は年率約10%強の伸びを続ける2) 2018年3月期の営業利益は2015年3月期比で約2倍、売上高営業利益率は3.3ポイント増の9.4%?となる。
目標数値はさらに事業部ごとの売上高と営業利益も明示している。2018年3月期は、情報基盤事業の売上高が17,000百万円、営業利益が1,600百万円、アプリケーション・サービス事業の売上高が8,100百万円、営業利益が750百万円となっている。
これら数値のほかに、売上高に関しては最終年度には最高で30,000百万円となる可能性にも言及している。M&Aによって売上高が最大で5,000百万円上乗せされる可能性があるためである。
この目標数値を達成するために掲げられた戦略は以下のようになっている。
【クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進】
具体的な取り組みとしては、医療関連分野の2017年3月期の黒字化、プラットフォーム提供戦略、アジアでのクラウド事業の確立などが挙げられている。これらのうち、アジアのクラウド事業は、人口減少による国内市場の縮小に対応するための長期的な戦略となる。
【セキュリティ&セイフティの追求】
セキュリティ&セイフティビジネスは情報セキュリティ技術とソフトウェア品質保証分野の両方を事業展開している専門家集団である点を活かし、1)サイバーセキュリティ対策の高度化対応とワンストップサービスの提供、2)設計、構築、保守、運用・監視サービス、自動化のバリューチェーンの実現、3) IoT時代に対応するための組込ソフトウェアの機能安全の実現などを図っていく。
【人材拡大に単に依存しないビジネスモデルの構築】
同社はかねてから労働集約型ビジネスからの脱却を掲げている。人材拡大に依存しないビジネスモデルの構築はこれと同じ意味を持つ。
同社のビジネスのうち、情報基盤事業は、システム構築がどうしても伴う。そのためには技術者が必要であることも確かである。しかし、同社は、技術者をやみくもに増やすのではなく、技術者の補充を極力抑えても対応できるサービス分野の強化を図ろうとしている。たとえば、監視サービスである。複数のシステムを監視センターで集中的に監視するサービスであることから、受注が増えても急激に人を増やす必要がない。また、どうしても国内の技術者だけでは賄いきれないケースでは、ベトナムなどオフショアでの開発なども検討していく。
さらに人材に関しては、世界レベルでの優秀な人材確保に努めることも掲げている。
【売上高に占めるストックビジネスの割合を50%に】
上記の戦略を進めることによってシステム構築を中心とするフロービジネスからクラウド、保守、運用・監視といったサービス主体のストックビジネスの比重拡大が図れる。売上高に占めるストックビジネスの割合を50%にするという目標は、上記の戦略を進めることによって得られる一つの結果とも言える。ストックビジネスの比重が拡大すれば、安定した収益が確保できるほか、利益率も労働集約型の色彩の強いフロービジネスよりも高くなる。
【その他】
これらの他にも、本社の移転と分室の統合(2015年5月に完了)などによるオペレーションの効率化、直販力の強化、官公庁需要の深耕などの戦略が掲げられている。
以上が中期経営計画の目標数値を達成するための戦略だが、これらは目標数値を達成するためだけのものではない。同時に2014年8月に創業30周年を迎えた同社が“次の30周年”に向けた「土台固めと方向付け」を行うための戦略にも位置付けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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