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ミロク情報サービス Research Memo(5):豊富な受注残高やマイナンバー関連の売上げで過去最高業績を見込む

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(1) 2016年3月期の業績見通し

ミロク情報サービス<9928>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.4%増の23,600百万円、営業利益が同18.8%増の3,000百万円、経常利益が同16.0%増の3,000百万円、当期純利益が同3.0%増の1,810百万円と5期連続の増収増益、過去最高業績の更新を見込んでいる。また、売上高営業利益率は増収効果やプロダクトミックスの改善などにより、前期の11.3%から12.7%へ上昇する見通しだ。期初計画を据え置いた格好となっているが、第2四半期まで売上高、利益ともに計画を上回るペースで推移していること、9月末のシステム導入契約の受注残高が4.87ヶ月と豊富にあること、下期はマイナンバー関連の売上げが寄与してくることなどから、計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。

今期に注力する主な取り組みとしては、「積極的な新規顧客開拓によるサービス収入の拡大」「顧客満足度向上のための、より高品質な製品・サービスの提供と更なる機能強化」「新規事業の基盤作りと推進」の3つのポイントを挙げている。

○積極的な新規顧客開拓によるサービス収入の拡大
新規顧客の開拓に当たっては、2016年1月より導入予定のマイナンバー制度等を切り口とした新規顧客の開拓、及び既存顧客へのクロスセルに注力している。マイナンバー管理システムはオンプレミス版の販売を9月より開始しているが、クラウド版やBPOサービスなども10月よりサービスメニューに追加しており、引き続き会社想定を上回る受注ペースとなっているもようだ。大企業ではマイナンバー関連への対応は進んでいるとみられるが、同社が対象顧客とする中堅、中小企業はこれからというところも多く、下期もマイナンバー関連のセミナーを全国規模で展開し、更なる受注獲得を目指していく方針だ。サービスの種類としては、導入コストが低いクラウド版を中心に伸びていくことが予想されるため、売上高が急激に増加する可能性は低いが、クラウド版では毎月安定した収入が入るため、契約数の増加に伴い、安定した収益増が見込めることになる。また、マイナンバー管理システムで新規顧客となった企業に対しては、同社のERPシステムの提案も行い、1顧客当たりの売上拡大を進めていく方針だ。

○顧客満足度向上のための、より高品質な製品・サービスの提供と更なる機能強化
顧客ニーズの多様化やIT技術の革新が続くなかで、より高品質な製品・サービスを継続的に提供できる開発体制の基盤強化を行っていく。また、マイナンバー制度やe文書法改正への対応やクラウド対応など、既存製品の機能強化も継続的に行っていく。

○新規事業の基盤作りと推進
新規事業として中小企業の事業承継・事業再生支援サービスを、2014年9月より子会社の(株)MJS M&Aパートナーズ(以下mmap)で開始している。mmapでは事業承継支援の担い手の少ない中小企業マーケットにフォーカスし、同社の顧客でもある会計事務所と協業しながら、日本一のセルサイド・プラットフォームを確立することを目標としている。

主にミロク会計人会※の会員である会計事務所と紹介パートナー契約を結んだ後に、同会計事務所から事業承継または再生支援のニーズがある顧問先企業を紹介してもらい、当該企業とアドバイザリー契約を結び、支援サービスを行うスキームとなる。売上高としてはアドバイザリーフィーとしてM&A成約時に受領する手数料などがある。また、費用としては紹介パートナー先へ支払う紹介料がある。

※ミロク会計人会:同社のシステムを利用している会計事務所の任意団体で、全国に11の単位会と5つの委員会で組織されている。会員数は約3,500事務所となっている。

mmapの人員体制は現在5名で人的リソースが限られることもあり、ノウハウを持つ会計事務所とアドバイザリーパートナー契約を締結して、共同でも事業支援サービスを行う。2015年10月末時点で紹介パートナー事務所は約120件、アドバイザリーパートナー事務所は約50件となっており、2016年3月までに合計で500件、2017年3月期までに3,000件の会計事務所との契約締結を目指している。

現状、mmapでは首都圏を中心に営業活動を行っており、既に成約実績もあり、進行中の案件は30件超となっている。今後、契約先の増加とともに紹介案件数も増加していくことが予想され2017年3月期以降の収益化を目指している。

その他、新規事業として企業向けの新たなクラウドサービスの開発を進めており、2016年4月以降にサービスを開始する予定となっている。

(2)販売先別、品目別売上見通し

2016年3月期の業績見通しは期初計画を据え置いており、販売先別、品目別売上見通しについても見直しを行っていない。このため、第2四半期までの進捗状況から、項目によって上下に振れる可能性がある。

○システム導入契約の販売先別売上見通し
システム導入契約売上高は前期比5.8%増の15,057百万円と増収に転じる見通し。第2四半期までの進捗率は49.5%とほぼ計画どおりの進捗となっており、受注残も高水準となっていることから、計画を達成する可能性は高い。

特に、リプレース需要の減少により期初段階では減収でみていた会計事務所向けは、マイナンバー制度導入を控えてセキュリティ関連商品が好調に推移していることもあり、計画を上回る可能性が高い。一般企業向けに関しては第2四半期までの進捗率が42.7%と低かったものの、マイナンバー関連や情報セキュリティ関連の売上増によりどれだけ挽回できるかが計画達成の鍵を握ることになる。また、その他売上高についても進捗率が35.2%と低くなっているが、パートナー企業向けの売上強化を図るほか、子会社の売上増によって計画達成を目指していく。

○品目別売上見通し
品目別売上高では、主力のソフトウェアがマイナンバー関連や、中堅・中小企業向けERPシステムの拡販、子会社の売上増などにより、前期比9.3%増の9,788百万円と増収に転じる見通し。また、サービス収入も新規顧客開拓を進めることで、同2.6%増の7,872百万円を見込むが、第2四半期までの進捗率で51.5%と過半を超えており、計画は上回る可能性が高い。その他売上高については、情報サイト「bizocean」のインターネット広告収入が伸びて同38.9%増の671百万円と続伸が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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