アドクリ Research Memo(6):2016年9月期は2ケタ増収増益、過去最高業績更新を見込む
[16/01/22]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(1) 2016年9月期の業績見通し
アドバンスクリエイト<8798>の2016年9月期の連結業績は、売上高が前期比14.0%増の8,290百万円、営業利益が同15.3%増の1,330百万円、経常利益が同13.7%増の1,300百万円、当期純利益が同18.0%増の760百万円と2ケタ増収増益を見込んでいる。売上高で2ケタ成長が達成されれば、2007年9月期以来、9期ぶりとなる。
2016年度からの改正保険業法の施行をビジネスチャンスとして捉え、積極的な営業強化を進めていく方針としている。改めて今回の改正保険業法のポイントを見ると、保険募集時における顧客へのニーズ把握と当該ニーズに合った保険プランの提案及び顧客確認を行う意向把握義務の導入や、乗合代理店の場合は取扱商品のうち比較可能な商品を提示し、特定商品を推奨する理由の説明義務を課している。また、保険代理店に対しても保険会社と同様に、業務の規模・特性に応じた法令遵守のための体制整備を義務付けており、必要であれば金融庁が検査・指導を行うことができることになる。
こうした制度改正に対応するため、同社では2年前より社内の営業スタッフの教育を進めてきたほか、社内管理体制、情報セキュリティ体制などの精査を協業店も含めて外部の監査機関を利用して実施してきた。協業店に関しては同社の基準を満たす代理店の絞り込みを進めてきたため、2013年9月末段階で提携代理店301社、協業店舗428店舗であった体制が2015年9月末には170社、334店舗体制と減少した格好となっている。ただ、協業店の申込みANP実績を見ると店舗数減少の影響はまったく出ていない。精査が進むなかで優良代理店が残る格好となっているためだ。
改正保険業法の施行に伴い、乗合代理店の淘汰が進むとみられているが、これは新制度への対応ができない代理店などで、同社や同社が精査して提携契約を継続している代理店についてはマイナスの影響はなく、むしろ業界淘汰が進むことでシェア拡大の好機として捉えている。ここ2年間は新制度への対応に向けた「守り」を重視してきたが、体制が整ってきたことで「攻め」に転じることになる。このため、営業スタッフやコールセンターの人員体制の増員を進め、処理能力を拡大していく計画だ。直営店舗での営業スタッフは現在80名弱であるが、最大120名程度まで増員する。また、コールセンターについても増員を予定している。これらの増員については、中途採用で20〜30名程度、2016年4月の新卒採用で30名の採用を予定している。
また、Webマーケティングも引き続きリスティング広告など効果的な施策を継続することで、費用対効果を高めていく。契約獲得の指標となる「保険市場」の月間ユニークユーザー数は、2015年10月に250万件と前期の平均100万件から2.5倍に急伸した。テレビで芸能人のがんに関するニュースが頻繁に流れたことも急伸の一因とみられるが、Webマーケティング施策の効果も継続して出ているとみられる。特に、最近はAI技術(機械学習技術)を活用して、より効果の高いWebマーケティング施策にも取り組んでおり、1契約当たりマーケティングコストの低下が期待される。
こうした取り組みにより、主力の保険代理店事業の営業収益は増収を見込んでいる。人員拡充による人件費の増加はあるものの、業務プロセス・マネジメントの取り組みを強化し、1人当たり生産性を維持向上していくことで人件費の増加分を吸収していく考えだ。1人当たりANP実績は前期で330万円/月となっているが、早期に400万円/月まで引き上げていくことは可能とみている。社内上位者のセールスで700万円/月、入社2〜3年目のスタッフでも500万円/月の実績を上げるケースが出てきているためだ。中途採用や新入社員の増加により、一時的に伸び悩む可能性もあるが、中期的には1人当たり生産性の向上により、同事業の収益性も向上していくことが予想される。
なお、直営店舗については新店舗の開設予定はないが、2016年1月に大阪の梅田阪急コンサルティングプラザをリニューアルし、2倍に増床する予定となっている。リフレッシュルームやキッズスペースの拡充などホスピタリティの向上を目指した取り組みとなる。
その他の事業セグメントについては、広告代理店事業が売上高、利益とも前期比横ばい水準を、再保険事業では増収増益を見込んでいる。再保険事業に関しては、引受先保険会社数がさらに増える可能性があるほか、前期に発生した想定を上回る保険金支払いがなくなることが増益要因となる。
○月次動向
月次ベースの申込みANPの動向を見ると、全体では2015年5月以降減少に転じている。対面販売、通信販売が低迷していることが主因となっている。ただ、Webマーケティング施策による「保険市場」のユニークユーザー数増加によって、足元は回復に向かっているようで、当期は第1四半期から売上高は増収に転じる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
(1) 2016年9月期の業績見通し
アドバンスクリエイト<8798>の2016年9月期の連結業績は、売上高が前期比14.0%増の8,290百万円、営業利益が同15.3%増の1,330百万円、経常利益が同13.7%増の1,300百万円、当期純利益が同18.0%増の760百万円と2ケタ増収増益を見込んでいる。売上高で2ケタ成長が達成されれば、2007年9月期以来、9期ぶりとなる。
2016年度からの改正保険業法の施行をビジネスチャンスとして捉え、積極的な営業強化を進めていく方針としている。改めて今回の改正保険業法のポイントを見ると、保険募集時における顧客へのニーズ把握と当該ニーズに合った保険プランの提案及び顧客確認を行う意向把握義務の導入や、乗合代理店の場合は取扱商品のうち比較可能な商品を提示し、特定商品を推奨する理由の説明義務を課している。また、保険代理店に対しても保険会社と同様に、業務の規模・特性に応じた法令遵守のための体制整備を義務付けており、必要であれば金融庁が検査・指導を行うことができることになる。
こうした制度改正に対応するため、同社では2年前より社内の営業スタッフの教育を進めてきたほか、社内管理体制、情報セキュリティ体制などの精査を協業店も含めて外部の監査機関を利用して実施してきた。協業店に関しては同社の基準を満たす代理店の絞り込みを進めてきたため、2013年9月末段階で提携代理店301社、協業店舗428店舗であった体制が2015年9月末には170社、334店舗体制と減少した格好となっている。ただ、協業店の申込みANP実績を見ると店舗数減少の影響はまったく出ていない。精査が進むなかで優良代理店が残る格好となっているためだ。
改正保険業法の施行に伴い、乗合代理店の淘汰が進むとみられているが、これは新制度への対応ができない代理店などで、同社や同社が精査して提携契約を継続している代理店についてはマイナスの影響はなく、むしろ業界淘汰が進むことでシェア拡大の好機として捉えている。ここ2年間は新制度への対応に向けた「守り」を重視してきたが、体制が整ってきたことで「攻め」に転じることになる。このため、営業スタッフやコールセンターの人員体制の増員を進め、処理能力を拡大していく計画だ。直営店舗での営業スタッフは現在80名弱であるが、最大120名程度まで増員する。また、コールセンターについても増員を予定している。これらの増員については、中途採用で20〜30名程度、2016年4月の新卒採用で30名の採用を予定している。
また、Webマーケティングも引き続きリスティング広告など効果的な施策を継続することで、費用対効果を高めていく。契約獲得の指標となる「保険市場」の月間ユニークユーザー数は、2015年10月に250万件と前期の平均100万件から2.5倍に急伸した。テレビで芸能人のがんに関するニュースが頻繁に流れたことも急伸の一因とみられるが、Webマーケティング施策の効果も継続して出ているとみられる。特に、最近はAI技術(機械学習技術)を活用して、より効果の高いWebマーケティング施策にも取り組んでおり、1契約当たりマーケティングコストの低下が期待される。
こうした取り組みにより、主力の保険代理店事業の営業収益は増収を見込んでいる。人員拡充による人件費の増加はあるものの、業務プロセス・マネジメントの取り組みを強化し、1人当たり生産性を維持向上していくことで人件費の増加分を吸収していく考えだ。1人当たりANP実績は前期で330万円/月となっているが、早期に400万円/月まで引き上げていくことは可能とみている。社内上位者のセールスで700万円/月、入社2〜3年目のスタッフでも500万円/月の実績を上げるケースが出てきているためだ。中途採用や新入社員の増加により、一時的に伸び悩む可能性もあるが、中期的には1人当たり生産性の向上により、同事業の収益性も向上していくことが予想される。
なお、直営店舗については新店舗の開設予定はないが、2016年1月に大阪の梅田阪急コンサルティングプラザをリニューアルし、2倍に増床する予定となっている。リフレッシュルームやキッズスペースの拡充などホスピタリティの向上を目指した取り組みとなる。
その他の事業セグメントについては、広告代理店事業が売上高、利益とも前期比横ばい水準を、再保険事業では増収増益を見込んでいる。再保険事業に関しては、引受先保険会社数がさらに増える可能性があるほか、前期に発生した想定を上回る保険金支払いがなくなることが増益要因となる。
○月次動向
月次ベースの申込みANPの動向を見ると、全体では2015年5月以降減少に転じている。対面販売、通信販売が低迷していることが主因となっている。ただ、Webマーケティング施策による「保険市場」のユニークユーザー数増加によって、足元は回復に向かっているようで、当期は第1四半期から売上高は増収に転じる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>