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ソフトブレーン Research Memo(3):15/12期は増収増益、売上高・利益ともに期初計画を上回る

注目トピックス 日本株
■決算動向

(1) 2015年12月期業績概要

1月29日付で発表されたソフトブレーン<4779>の2015年12月期の連結業績は、売上高が前期比24.0%増の6,117百万円、営業利益が同19.3%増の678百万円、経常利益が同17.3%増の679百万円、当期純利益が同47.7%増の373百万円といずれも期初会社計画を上回る好調な決算となった。

売上高は主力のeセールスマネージャー関連事業、フィールドマーケティング事業がそろって2ケタ増収となり、過去最高を2期連続で更新した。営業利益の伸びが増収率を下回ったが、これはフィールドマーケティング事業で相対的に収益性が低いラウンダー人材派遣の売上構成比が上昇し、利益率が低下したことが主因となっている。売上原価率が前期の58.9%から62.0%に上昇したのも、これが要因となっている。当期純利益の増益率が高くなっているが、これは期の前半に子会社のソフトブレーン・フィールドの出資比率を58.1%から85.6%に引き上げたことで、少数株主利益が前期の82百万円から39百万円に減少したことが寄与している。事業セグメント別の動向は以下のとおり。

○eセールスマネージャー関連事業
eセールスマネージャー関連事業の業績は、売上高(外部顧客向け、以下同様)が前期比15.4%増の3,058百万円、セグメント利益が同54.4%増の348百万円となった。スマートフォンやタブレット端末などを営業ツールとして活用する企業が増加するなか、売上高の約7割を占める「eセールスマネージャー」が順調に拡大したほか、営業の課題解決にフォーカスした営業コンサルティングや、営業スキルトレーニングなどのサービス事業も好調に推移した。

「eセールスマネージャー」の機能拡充の取り組みとして、当期は大幅なデザイン刷新を実施し操作性を向上したほか、新規開拓支援として「TSR企業データ」「スバイラル(R)」との連携や、訪問計画や活動報告が簡単にできるマップ機能の拡充、ナレッジ化促進をテーマに「ビジネス向けDropbox」との連携を図るなど、他社との連携も含めて多くの機能強化を進めた。

セグメント利益は、「eセールスマネージャー」の開発や顧客獲得のための販促費、組織体制強化を目的とした人材採用などの投資を強化したが、増収効果でカバーして大幅増益となった。

○フィールドマーケティング事業
フィールドマーケティング事業の業績は、売上高が前期比42.4%増の2,352百万円、セグメント利益が同6.5%増の320百万円となった。消費財メーカーが販促費の効率化を進めるなかで、店頭でのフィールド活動業務のアウトシーング化が進んでおり、事業拡大の追い風となっている。同社は全国に5.9万人を超える登録キャストを抱えており、また、顧客ニーズに合わせて、人材派遣を始めとした多様なサービスを提供できることが強みとなっており、業績拡大の要因となっている。

当期は医薬品・飲食料品・嗜好品メーカーなどから、新規大型受注を獲得したことが大幅な増収につながった。特に、2014年からサービスを開始した「ラウンダー人材バンク」事業で派遣型の大型案件を獲得したことが大きく、同事業の売上構成比は2〜3割程度まで上昇した。また、従来のフィールドリサーチや定期・スポットでのフィールドサポートサービスも順調に伸びている。

利益の伸びが1ケタ台にとどまったが、これは相対的に収益性の低い派遣型サービスの売上構成比が上昇したことによる事業構造変化や、今後の更なる事業拡大に向けた組織体制強化のための人材採用、基幹システムの更新など投資を積極化したことが要因となっている。それでもセグメント利益率は13.6%と同業他社と比較して高く、収益性の高い事業として評価される。

なお、2014年5月よりサービスを開始しているPOB事業に関しては、売上水準がまだ低く収益への貢献は軽微となっているものの、登録会員数が12万人を突破し顧客企業がマーケティング分析を行う上で、利用価値の高いプラットフォームに着々と仕上がりつつある。

○システム開発事業
システム開発事業の業績は、売上高が前期比3.2%増の444百万円、セグメント利益が2百万円(前期は0.04百万円の利益)となった。国内のIT投資の回復傾向が続いているが、同社では人的リソースも限られるなか、不採算プロジェクトを発生させないプロジェクトコントロールによる安定収益の確保を重視しており、当期においてもわずかながら黒字を達成した。

○出版事業
出版事業の業績は、売上高が前期比29.2%増の262百万円、セグメント利益は同84.6%減の6百万円と増収減益となった。出版業界の環境は厳しく全体では市場縮小傾向が続いているものの、同社が手掛ける企業とのタイアップ出版に関しては、企業の出版意欲も強く、売上げは好調に推移した。一方で、書籍在庫の販売体制の見直しに伴い、在庫の費用化を進めたことが減益要因となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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