3Dマトリック Research Memo(1):バイオマテリアルのベンチャー企業
[16/04/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
スリー・ディー・マトリックス<7777>は2004年に設立されたバイオマテリアル(医療用材料)のベンチャー企業である。米マサチューセッツ工科大学において開発された「自己組織化ペプチド技術」を使って外科医療分野の止血材・粘膜隆起材、再生医療分野の歯槽骨再建材・創傷治癒材、その他ではDDS(ドラッグデリバリーシステム)などの医療機器及び医薬品の開発を国内外で進めている。
3月15日に発表された2016年4月期第3四半期累計(2015年5月−2016年1月)の事業収益は72百万円、営業損失は1,368百万円となった。事業収益のうち吸収性局所止血材「PuraStat®」(以下、止血材)については、主に欧州やアジアの医療施設向けに納入が進み44百万円となった。欧州では英国、ドイツ、フランス、スイスなど8社の現地代理店を通じて販売が開始されている。期初想定よりもやや遅れてはいるものの、製品の評価は良好のようだ。また、CEマーキング※適用国での製品登録もブラジル、オーストラリア、タイで新たに承認され、欧州以外の地域でも販売に向けた準備が整ってきている。
※CEマーキング:EU加盟国で医療機器を流通させるために製品への表示が義務付けられている安全規格に適合していることを示すマーク。EU加盟国以外の国においても採用されている。
2016年4月期の業績見通しについては、2月10日付で業績修正を発表済みで、欧州での販売パートナーとのライセンス契約が2017年4月期以降にズレ込むことになったこと、止血材の販売も計画を下回ることから、売上高は前期比35.3%増の135百万円、営業損失は1,858百万円(前期は1,903百万円の損失)となる見通し。止血材の国内では治験再申請は2016年4月期中に提出し、2017年4月期第1四半期中に開始する予定に変更はない。また、米国でも米国食品医薬品局(以下、FDA)とのプロトコルに関する協議が終わり、順調に進めば2016年4月期末を目途に治験開始が見込める状況となっている。
次期中期経営計画については2016年4月期決算と同時に発表する見込みであり、計画を精査中である。粘膜隆起材については今後の開発戦略を見直す可能性があるものの、米国で進めている歯槽骨再建材については治験が順調に進み、2016年末に観察期間が終了、結果が良好であれば承認申請に進む。また止血材については、消化器内視鏡手術における医師主導の臨床研究において術後出血予防や創傷治癒の効果が確認されたことから、2017年4月期中にも開発が進むことが期待され、止血材の用途拡大によって、付加価値の向上が期待される。
■Check Point
・CEマーキングを使った医療製品登録による販売展開を進める
・中期経営計画を16/4月期決算時に発表予定
・市場規模は約3,000百万USドル、今後のシェア拡大に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<TN>
3月15日に発表された2016年4月期第3四半期累計(2015年5月−2016年1月)の事業収益は72百万円、営業損失は1,368百万円となった。事業収益のうち吸収性局所止血材「PuraStat®」(以下、止血材)については、主に欧州やアジアの医療施設向けに納入が進み44百万円となった。欧州では英国、ドイツ、フランス、スイスなど8社の現地代理店を通じて販売が開始されている。期初想定よりもやや遅れてはいるものの、製品の評価は良好のようだ。また、CEマーキング※適用国での製品登録もブラジル、オーストラリア、タイで新たに承認され、欧州以外の地域でも販売に向けた準備が整ってきている。
※CEマーキング:EU加盟国で医療機器を流通させるために製品への表示が義務付けられている安全規格に適合していることを示すマーク。EU加盟国以外の国においても採用されている。
2016年4月期の業績見通しについては、2月10日付で業績修正を発表済みで、欧州での販売パートナーとのライセンス契約が2017年4月期以降にズレ込むことになったこと、止血材の販売も計画を下回ることから、売上高は前期比35.3%増の135百万円、営業損失は1,858百万円(前期は1,903百万円の損失)となる見通し。止血材の国内では治験再申請は2016年4月期中に提出し、2017年4月期第1四半期中に開始する予定に変更はない。また、米国でも米国食品医薬品局(以下、FDA)とのプロトコルに関する協議が終わり、順調に進めば2016年4月期末を目途に治験開始が見込める状況となっている。
次期中期経営計画については2016年4月期決算と同時に発表する見込みであり、計画を精査中である。粘膜隆起材については今後の開発戦略を見直す可能性があるものの、米国で進めている歯槽骨再建材については治験が順調に進み、2016年末に観察期間が終了、結果が良好であれば承認申請に進む。また止血材については、消化器内視鏡手術における医師主導の臨床研究において術後出血予防や創傷治癒の効果が確認されたことから、2017年4月期中にも開発が進むことが期待され、止血材の用途拡大によって、付加価値の向上が期待される。
■Check Point
・CEマーキングを使った医療製品登録による販売展開を進める
・中期経営計画を16/4月期決算時に発表予定
・市場規模は約3,000百万USドル、今後のシェア拡大に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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