アンジェス Research Memo(1):16/12期はグローバル治験費用を中心に研究開発費がピークを迎える
[16/04/06]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
アンジェス MG<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況等によって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。現在治験を進めているHGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)、NF-κBデコイオリゴ(アトピー性皮膚炎)については自社で先行的に開発投資を進めている分、ロイヤリティの料率が一般的な水準よりも高く設定されている。
2016年に製造販売承認申請を行う可能性のある開発パイプラインは、HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)、NF-κBデコイオリゴ(アトピー性皮膚炎)の2つの医薬品と、メディキット<7749>と共同開発している薬剤塗布型バルーンカテーテル(薬剤はNF-κBデコイオリゴ)の3つで、いずれも国内向けとなる。このうち、アトピー性皮膚炎治療薬と薬剤塗布型バルーンカテーテルについては治験の全症例の観察期間が終了し、2016年第2四半期頃に結果が発表される予定で、結果が良好であれば年内の承認申請にむけた準備に入ることになる。一方、重症虚血肢については6症例中2症例の投与が開始されており、年内の承認申請を目指している。
一方、HGF遺伝子治療薬の第3相グローバル治験に関しては、2019年の米国での承認申請目標に変わりない。重症虚血肢の患者数は米国だけで約50万人、そのうち当該治療薬の対象となる患者層での市場規模は約50億ドルと予想されている。米国及び国内では田辺三菱製薬<4508>と独占的販売権許諾契約を締結しており、米国での開発が成功すれば既に受領した契約一時金のほか、マイルストーン収益を含めて100億円程度が得られる見通しだ。また、欧州地域を対象とした契約先は決定していないが、パートナーが決まれば米国と同等程度のマイルストーン等の収益が見込まれる。
2015年12月期(2015年1月−12月)の連結業績は事業収益が前期比52.7%減の430百万円、営業損失が4,171百万円(前期は2,273百万円の損失)となった。前期に計上した提携企業からの契約一時金がなくなったことに加えて、研究開発費が前期比1,193百万円増加したことにより営業損失が拡大した。2016年12月期もグローバル治験費用を中心に研究開発費が前期比約2,000百万円増の5,500百万円規模とピークを迎えることから、営業損失は6,400百万円とさらに拡大する見込みとなっている。2017年以降は研究開発費用が減少に転じるため営業損失も縮小するが、黒字化は2019年頃を目標としている。このため、短期的には新株式の発行を伴う事業資金調達による株式価値の希薄化が想定されるが、現在の主力開発パイプラインが進捗すれば、時価総額も見直される局面が出てくると思われる。
注記:
2015年12月期決算短信[日本基準](連結)における継続企業の前提に関する事項について、2016年3月30日時点で、注記を追加することを決議しています。
■Check Point
・最も注目される開発パイプラインは重症虚血肢向けのプロジェクト
・研究開発費のピークは2016年で、2017年以降は減少に転じる見込み
・黒字化の時期としては2019年を目標としている
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2016年に製造販売承認申請を行う可能性のある開発パイプラインは、HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)、NF-κBデコイオリゴ(アトピー性皮膚炎)の2つの医薬品と、メディキット<7749>と共同開発している薬剤塗布型バルーンカテーテル(薬剤はNF-κBデコイオリゴ)の3つで、いずれも国内向けとなる。このうち、アトピー性皮膚炎治療薬と薬剤塗布型バルーンカテーテルについては治験の全症例の観察期間が終了し、2016年第2四半期頃に結果が発表される予定で、結果が良好であれば年内の承認申請にむけた準備に入ることになる。一方、重症虚血肢については6症例中2症例の投与が開始されており、年内の承認申請を目指している。
一方、HGF遺伝子治療薬の第3相グローバル治験に関しては、2019年の米国での承認申請目標に変わりない。重症虚血肢の患者数は米国だけで約50万人、そのうち当該治療薬の対象となる患者層での市場規模は約50億ドルと予想されている。米国及び国内では田辺三菱製薬<4508>と独占的販売権許諾契約を締結しており、米国での開発が成功すれば既に受領した契約一時金のほか、マイルストーン収益を含めて100億円程度が得られる見通しだ。また、欧州地域を対象とした契約先は決定していないが、パートナーが決まれば米国と同等程度のマイルストーン等の収益が見込まれる。
2015年12月期(2015年1月−12月)の連結業績は事業収益が前期比52.7%減の430百万円、営業損失が4,171百万円(前期は2,273百万円の損失)となった。前期に計上した提携企業からの契約一時金がなくなったことに加えて、研究開発費が前期比1,193百万円増加したことにより営業損失が拡大した。2016年12月期もグローバル治験費用を中心に研究開発費が前期比約2,000百万円増の5,500百万円規模とピークを迎えることから、営業損失は6,400百万円とさらに拡大する見込みとなっている。2017年以降は研究開発費用が減少に転じるため営業損失も縮小するが、黒字化は2019年頃を目標としている。このため、短期的には新株式の発行を伴う事業資金調達による株式価値の希薄化が想定されるが、現在の主力開発パイプラインが進捗すれば、時価総額も見直される局面が出てくると思われる。
注記:
2015年12月期決算短信[日本基準](連結)における継続企業の前提に関する事項について、2016年3月30日時点で、注記を追加することを決議しています。
■Check Point
・最も注目される開発パイプラインは重症虚血肢向けのプロジェクト
・研究開発費のピークは2016年で、2017年以降は減少に転じる見込み
・黒字化の時期としては2019年を目標としている
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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