ダイヤモンドD Research Memo(7):国内は過去最高の売上高、営業利益を更新
[16/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算概要
(2) 2016年2月期決算の概要
ダイヤモンドダイニング<3073>の2016年2月期の業績は、売上高が前期比14.3%増の29,820百万円、営業利益が同1.2%減の952百万円、経常利益が同6.9%減の889百万円、当期純損失が262百万円(前期は385百万円の利益)と2ケタの増収ながらわずかに営業減益となるとともに、一過性の特殊要因(シンガポールからの事業撤退に伴うのれん減損や繰延税金資産の取崩しによる法人税等の増加)から当期純損失に転落した。ただ、海外事業を除けば、国内は過去最高の売上高、営業利益を更新している。
売上高は、前期出店分(31店舗)が期初から貢献したことに加え、過去最高の新規出店(43店舗)が大幅な増収に寄与した。また、既存店売上高も前期比1.2%増(国内全店)と好調であった。売上高は念願の300億円には若干届かなかったものの、ほぼ計画どおりに伸長したと言える。
一方、利益面は、積極的な新規出店による費用拡大は想定内であったものの、一部の店舗で開店費用が想定を超えて膨らんだことや、海外事業の損失幅拡大(シンガポールの業績不振やハワイウェディング事業の先行費用等)によりわずかに営業減益となり、営業利益率も3.2%(前期は3.7%)に低下した。また、当期純損失に転落したのは、海外飲食事業(シンガポール)からの事業撤退に伴う減損処理等により特別損失(411百万円)を計上したことや、繰延税金資産の取崩しによる法人税等の増加(前期比408百万円増)によるものであり、一過性の特殊要因として捉えるのは妥当である。
財務面では、総資産が新規出店による固定資産の増加等により15,872百万円(前期末比8.1%増)に拡大した一方、自己資本は当期純損失の計上により3,090百万円(前期末比8.0%減)に縮小したことから自己資本比率は19.5%(前期末は22.9%)に低下した。また、有利子負債も8,465百万円(前期末比7.7%増)に増加している。ただ、キャッシュフロー対有利子負債比率は6.1年※、流動比率も96.6%を確保しており返済能力に懸念はない。
※キャッシュフロー対有利子負債比率は、有利子負債を営業キャッシュフローで除した数値であり、有利子負債を何年分の営業キャッシュフローで返済できるかを示している。一般的には10年を超えると返済能力に懸念があると判断される。
主な事業別の業績は以下のとおりである。
国内飲食事業は、売上高が20,812百万円(前期比13.3%増)、営業利益が1,972百万円(同5.1%増)と増収増益であった。前期出店分(21店舗)が期初から貢献したことや積極的な新規出店(38店舗)が増収に寄与した。また、既存店売上高も前期比0.1%減と堅調に推移しており、同社の強みであるCRMシステム(コールセンター及びDDマイル予約オンライン)などが既存店の下支えに貢献しているものとみられる。ただ、利益面では、増収効果により増益となったものの、新規出店に伴う開店費用の拡大等から営業利益率は9.5%(前期は10.2%)に低下した。
海外飲食事業は、売上高が1,654百万円(前期比70.7%増)、営業損失が347百万円(前期は202百万円の損失)と大幅な増収ながら損失幅が拡大した。前期出店したハワイ2号店目の認知度向上により売上高は大きく拡大したが、利益面では、海外飲食事業(シンガポール)の業績不振に加えて、ハワイ3号店目の開店費用や当期から開始したハワイウェディング事業にかかる先行費用が利益を圧迫した。
アミューズメント事業は、売上高が7,317百万円(前期比9.5%増)、営業利益が1,133百万円(同35.2%増)と順調に拡大した。前期出店分(3店舗)が期初から貢献したことや新規出店(4店舗)が増収に寄与するとともに、既存店売上高も前期比4.8%増と伸長した。また、利益面でも、売価適正化に向けたメニュー改変等の施策や増収による固定費の軽減効果などから営業利益率は15.5%(前期は12.5%)に大きく上昇した。なお、既存店売上高は24ヶ月連続で前年対比100%を超えており好調を持続している(2016年3月度・4月度も連続更新中)。主力の「BAGUS」は、アフターファイブの過ごし方の変化等が追い風となっているなかで、他に類似業態が少ないことに加え、ダーツやビリヤード等のプレイヤーの裾野を広げる地道な活動や飲食メニューの充実を図ったことなどが奏功した。また、「GRAN CYBER CAFE BAGUS」(インターネットカフェ)も高い稼働率を維持しているようである。
弊社では、営業利益が僅かに減益となるとともに当期純損失に転落したものの、海外事業における業績不振や一過性の特殊要因によるところが大きく、国内での出店計画や既存店売上高は順調に進展していることから、同社業績はおおむね好調に推移しているものと評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(2) 2016年2月期決算の概要
ダイヤモンドダイニング<3073>の2016年2月期の業績は、売上高が前期比14.3%増の29,820百万円、営業利益が同1.2%減の952百万円、経常利益が同6.9%減の889百万円、当期純損失が262百万円(前期は385百万円の利益)と2ケタの増収ながらわずかに営業減益となるとともに、一過性の特殊要因(シンガポールからの事業撤退に伴うのれん減損や繰延税金資産の取崩しによる法人税等の増加)から当期純損失に転落した。ただ、海外事業を除けば、国内は過去最高の売上高、営業利益を更新している。
売上高は、前期出店分(31店舗)が期初から貢献したことに加え、過去最高の新規出店(43店舗)が大幅な増収に寄与した。また、既存店売上高も前期比1.2%増(国内全店)と好調であった。売上高は念願の300億円には若干届かなかったものの、ほぼ計画どおりに伸長したと言える。
一方、利益面は、積極的な新規出店による費用拡大は想定内であったものの、一部の店舗で開店費用が想定を超えて膨らんだことや、海外事業の損失幅拡大(シンガポールの業績不振やハワイウェディング事業の先行費用等)によりわずかに営業減益となり、営業利益率も3.2%(前期は3.7%)に低下した。また、当期純損失に転落したのは、海外飲食事業(シンガポール)からの事業撤退に伴う減損処理等により特別損失(411百万円)を計上したことや、繰延税金資産の取崩しによる法人税等の増加(前期比408百万円増)によるものであり、一過性の特殊要因として捉えるのは妥当である。
財務面では、総資産が新規出店による固定資産の増加等により15,872百万円(前期末比8.1%増)に拡大した一方、自己資本は当期純損失の計上により3,090百万円(前期末比8.0%減)に縮小したことから自己資本比率は19.5%(前期末は22.9%)に低下した。また、有利子負債も8,465百万円(前期末比7.7%増)に増加している。ただ、キャッシュフロー対有利子負債比率は6.1年※、流動比率も96.6%を確保しており返済能力に懸念はない。
※キャッシュフロー対有利子負債比率は、有利子負債を営業キャッシュフローで除した数値であり、有利子負債を何年分の営業キャッシュフローで返済できるかを示している。一般的には10年を超えると返済能力に懸念があると判断される。
主な事業別の業績は以下のとおりである。
国内飲食事業は、売上高が20,812百万円(前期比13.3%増)、営業利益が1,972百万円(同5.1%増)と増収増益であった。前期出店分(21店舗)が期初から貢献したことや積極的な新規出店(38店舗)が増収に寄与した。また、既存店売上高も前期比0.1%減と堅調に推移しており、同社の強みであるCRMシステム(コールセンター及びDDマイル予約オンライン)などが既存店の下支えに貢献しているものとみられる。ただ、利益面では、増収効果により増益となったものの、新規出店に伴う開店費用の拡大等から営業利益率は9.5%(前期は10.2%)に低下した。
海外飲食事業は、売上高が1,654百万円(前期比70.7%増)、営業損失が347百万円(前期は202百万円の損失)と大幅な増収ながら損失幅が拡大した。前期出店したハワイ2号店目の認知度向上により売上高は大きく拡大したが、利益面では、海外飲食事業(シンガポール)の業績不振に加えて、ハワイ3号店目の開店費用や当期から開始したハワイウェディング事業にかかる先行費用が利益を圧迫した。
アミューズメント事業は、売上高が7,317百万円(前期比9.5%増)、営業利益が1,133百万円(同35.2%増)と順調に拡大した。前期出店分(3店舗)が期初から貢献したことや新規出店(4店舗)が増収に寄与するとともに、既存店売上高も前期比4.8%増と伸長した。また、利益面でも、売価適正化に向けたメニュー改変等の施策や増収による固定費の軽減効果などから営業利益率は15.5%(前期は12.5%)に大きく上昇した。なお、既存店売上高は24ヶ月連続で前年対比100%を超えており好調を持続している(2016年3月度・4月度も連続更新中)。主力の「BAGUS」は、アフターファイブの過ごし方の変化等が追い風となっているなかで、他に類似業態が少ないことに加え、ダーツやビリヤード等のプレイヤーの裾野を広げる地道な活動や飲食メニューの充実を図ったことなどが奏功した。また、「GRAN CYBER CAFE BAGUS」(インターネットカフェ)も高い稼働率を維持しているようである。
弊社では、営業利益が僅かに減益となるとともに当期純損失に転落したものの、海外事業における業績不振や一過性の特殊要因によるところが大きく、国内での出店計画や既存店売上高は順調に進展していることから、同社業績はおおむね好調に推移しているものと評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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