ティーガイア Research Memo(3):16/3期は最高益、利益率が上昇しモバイル事業の営業利益は3期連続で増益
[16/05/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1) 2016年3月期決算
ティーガイア<3738>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.4%減の620,074百万円、営業利益が同9.5%増の15,666百万円、経常利益が同10.0%増の15,621百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同22.6%増の9,498百万円となった。売上高は携帯電話等の販売台数減少や決済サービス事業における販売構成比の変化が影響して減収となったものの、利益面ではタブレットやアクセサリー等関連商材の売上拡大や台当たり単価・お客様当たり単価の向上によってモバイル事業が増益となったほか、決済サービス事業他も大きく利益を伸ばしたことで過去最高を更新した。会社計画比で見ると、売上高は携帯電話の販売台数減少等により5.3%下回ったが、営業利益は全社的な業務効率や生産性の向上と、決済サービス事業他の上振れを主因に4.4%上回って着地した。
携帯電話等の販売台数は全社ベースで前期比43万台減の469万台となった。過度な販売競争の沈静化や新機種の販売が想定を下回ったことが減少要因となった。四半期ベースの販売動向を見ると、第2四半期以降は前年会計期間比で減少した。第4四半期は総務省の指針により「実質0円端末」の販売が抑制されたことで販売面への影響が懸念されたが、減少幅で見ると第2、第3四半期よりも縮小しており、影響は限定的であった模様。また、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット)比率については77%近くの水準まで上昇した。
(2)事業セグメント別動向
○モバイル事業
モバイル事業の売上高は前期比2.3%減の521,221百万円、営業利益は同5.3%増の11,718百万円となった。携帯電話等の販売台数は前期比44万台減の450万台となったが、タブレットの販売台数が2ケタ増となったほか、アクセサリーやコンテンツなど関連商材の売上高も前期比25%増と好調を持続したことで台当たりやお客様当たりの粗利益が増加。また、店舗運営における業務効率化や生産性向上の取り組みを継続してきた結果、セグメント営業利益は3期連続で増益となった。
通信キャリアの販売施策の変化に加えて、新たな料金プランの導入、あるいは光通信回線など多様な商材・サービスの取扱開始などにより、従来以上に販売スタッフのスキルの差が店舗の集客力や収益力に直結するようになってきており、ここ数年、人財育成に積極的に投資してきたことが収益性向上の一因になっていると考えられる。
また、スマートフォン向けアクセサリーショップ「Smart Labo」の売上高は前期比24%増と大きく伸長した。従来は保護フィルムやケース・カバーが主力商材であったが、ここ最近ではヘッドフォンやイヤホンなどオーディオ機器についてもデザイン性の高い商品の販売が伸び始めており、お客様当たり販売単価も上昇傾向が続いていることが要因だ。当第4四半期においては13店舗中、大部分の店舗が黒字化するなど収益も改善した。
○ソリューション事業
法人向けモバイル事業と固定回線系のネットワーク事業で構成されるソリューション事業の売上高は、前期比2.4%減の25,618百万円、営業利益は同5.6%減の2,357百万円となった。携帯電話等の販売台数は前期比0.2万台増の18.6万台となり、また、キッティングサービスやヘルプデスク等の各種サポートサービス、法人向け通信回線・デバイス管理サービス「movino star」などが堅調に推移し、法人向けモバイル事業は増収となった。一方、固定回線系商材におけるビジネスモデルの変化に伴い、従来型のFTTH等光回線サービスの販売が減少したことがセグメント売上高の減少要因となった。
利益面では、法人向けモバイル事業における各種ソリューションサービスや光コラボレーション等の新たな固定回線系商材の販売が増加したものの、「movino star」刷新に伴うシステム開発や提案型営業強化に向けた人財投資を積極化したことが減益要因となった。
「movino star」については2015年秋にサービスを刷新しており、具体的には新たに通信回線を内蔵しないWi-Fi端末等の管理も可能としたほか、管理画面等のユーザビリティも改善し、操作性を大幅に向上させた。大幅刷新に伴い新規契約が伸びたほか、既存顧客において追加契約が増えるなどで、2016年3月末の契約ID数は前期末比9.8万件増の49.3万件となった。また、法人向け光アクセスサービス「TG光」の再卸事業については、2016年1月より電設会社等を中心に卸事業を開始した。卸先の事業者にとっては、独自ブランドで光回線を販売できるほか、事業開始前後の様々なサポート(スタートアップサポートやシステム関連サポート、請求関連サポート等)をパッケージ化した「TG光サポートパッケージ」の提供を同社から受けることで、早期に光コラボレーション事業を立上げることが可能になるといったメリットがある。既に、100社近くの再卸先を開拓しており、2017年3月まで200社を目標としている。
○決済サービス事業他
決済サービス事業他の売上高は前期比10.9%減の73,234百万円、営業利益は同132.6%増の1,591百万円となった。決済サービス事業の売上高は、取扱高(券面額)全体を売上計上するPIN系商材から、受取手数料のみを計上するギフトカードに需要がシフトしているため減収となっているが、取扱高ベースでは順調に伸びていること、また、第4四半期における一過性の収益計上もあり、大幅増益となった。
また、海外事業では中国の携帯ショップ事業等において、業務効率化や生産性向上により管理コストが減少し、収益が改善したほか、シンガポールの決済サービス事業についてもギフトカードの販売が前年比で約5倍と急成長しており、増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) 2016年3月期決算
ティーガイア<3738>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.4%減の620,074百万円、営業利益が同9.5%増の15,666百万円、経常利益が同10.0%増の15,621百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同22.6%増の9,498百万円となった。売上高は携帯電話等の販売台数減少や決済サービス事業における販売構成比の変化が影響して減収となったものの、利益面ではタブレットやアクセサリー等関連商材の売上拡大や台当たり単価・お客様当たり単価の向上によってモバイル事業が増益となったほか、決済サービス事業他も大きく利益を伸ばしたことで過去最高を更新した。会社計画比で見ると、売上高は携帯電話の販売台数減少等により5.3%下回ったが、営業利益は全社的な業務効率や生産性の向上と、決済サービス事業他の上振れを主因に4.4%上回って着地した。
携帯電話等の販売台数は全社ベースで前期比43万台減の469万台となった。過度な販売競争の沈静化や新機種の販売が想定を下回ったことが減少要因となった。四半期ベースの販売動向を見ると、第2四半期以降は前年会計期間比で減少した。第4四半期は総務省の指針により「実質0円端末」の販売が抑制されたことで販売面への影響が懸念されたが、減少幅で見ると第2、第3四半期よりも縮小しており、影響は限定的であった模様。また、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット)比率については77%近くの水準まで上昇した。
(2)事業セグメント別動向
○モバイル事業
モバイル事業の売上高は前期比2.3%減の521,221百万円、営業利益は同5.3%増の11,718百万円となった。携帯電話等の販売台数は前期比44万台減の450万台となったが、タブレットの販売台数が2ケタ増となったほか、アクセサリーやコンテンツなど関連商材の売上高も前期比25%増と好調を持続したことで台当たりやお客様当たりの粗利益が増加。また、店舗運営における業務効率化や生産性向上の取り組みを継続してきた結果、セグメント営業利益は3期連続で増益となった。
通信キャリアの販売施策の変化に加えて、新たな料金プランの導入、あるいは光通信回線など多様な商材・サービスの取扱開始などにより、従来以上に販売スタッフのスキルの差が店舗の集客力や収益力に直結するようになってきており、ここ数年、人財育成に積極的に投資してきたことが収益性向上の一因になっていると考えられる。
また、スマートフォン向けアクセサリーショップ「Smart Labo」の売上高は前期比24%増と大きく伸長した。従来は保護フィルムやケース・カバーが主力商材であったが、ここ最近ではヘッドフォンやイヤホンなどオーディオ機器についてもデザイン性の高い商品の販売が伸び始めており、お客様当たり販売単価も上昇傾向が続いていることが要因だ。当第4四半期においては13店舗中、大部分の店舗が黒字化するなど収益も改善した。
○ソリューション事業
法人向けモバイル事業と固定回線系のネットワーク事業で構成されるソリューション事業の売上高は、前期比2.4%減の25,618百万円、営業利益は同5.6%減の2,357百万円となった。携帯電話等の販売台数は前期比0.2万台増の18.6万台となり、また、キッティングサービスやヘルプデスク等の各種サポートサービス、法人向け通信回線・デバイス管理サービス「movino star」などが堅調に推移し、法人向けモバイル事業は増収となった。一方、固定回線系商材におけるビジネスモデルの変化に伴い、従来型のFTTH等光回線サービスの販売が減少したことがセグメント売上高の減少要因となった。
利益面では、法人向けモバイル事業における各種ソリューションサービスや光コラボレーション等の新たな固定回線系商材の販売が増加したものの、「movino star」刷新に伴うシステム開発や提案型営業強化に向けた人財投資を積極化したことが減益要因となった。
「movino star」については2015年秋にサービスを刷新しており、具体的には新たに通信回線を内蔵しないWi-Fi端末等の管理も可能としたほか、管理画面等のユーザビリティも改善し、操作性を大幅に向上させた。大幅刷新に伴い新規契約が伸びたほか、既存顧客において追加契約が増えるなどで、2016年3月末の契約ID数は前期末比9.8万件増の49.3万件となった。また、法人向け光アクセスサービス「TG光」の再卸事業については、2016年1月より電設会社等を中心に卸事業を開始した。卸先の事業者にとっては、独自ブランドで光回線を販売できるほか、事業開始前後の様々なサポート(スタートアップサポートやシステム関連サポート、請求関連サポート等)をパッケージ化した「TG光サポートパッケージ」の提供を同社から受けることで、早期に光コラボレーション事業を立上げることが可能になるといったメリットがある。既に、100社近くの再卸先を開拓しており、2017年3月まで200社を目標としている。
○決済サービス事業他
決済サービス事業他の売上高は前期比10.9%減の73,234百万円、営業利益は同132.6%増の1,591百万円となった。決済サービス事業の売上高は、取扱高(券面額)全体を売上計上するPIN系商材から、受取手数料のみを計上するギフトカードに需要がシフトしているため減収となっているが、取扱高ベースでは順調に伸びていること、また、第4四半期における一過性の収益計上もあり、大幅増益となった。
また、海外事業では中国の携帯ショップ事業等において、業務効率化や生産性向上により管理コストが減少し、収益が改善したほか、シンガポールの決済サービス事業についてもギフトカードの販売が前年比で約5倍と急成長しており、増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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