ミロク情報 Research Memo(6):2020年度に売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を目指す
[16/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(3)今後の成長戦略について
ミロク情報サービス<9928>は第3次中期経営計画の中で、次期ターゲットとして2021年3月期に売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を次の目標として掲げており、目標を実現していくためのM&A等の戦略投資を2014年以降、積極的に行ってきた。
○BtoBプラットフォーム「bizsky」事業について
中小企業の経費削減や業務効率化、資金調達などの経営課題に応えるための様々なコンテンツサービスを提供するマーケットプレイス機能を備えたBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky(ビズスカイ)」を構築した。
提供するコンテンツの第1弾として、中小企業向けを対象として、振込作業の効率化と振込手数料のコスト削減に資する「楽(らく)たす振込」(自社開発品)の提供を開始する。初期費用、月額利用料が無料で、振込手数料は一律290円と安価に設定されており、中小企業にとっての導入メリットは大きいと言える。また、紙の請求書を受領し振込代行するサービスもオプションメニューとしてそろえており、2015年12月に子会社化したクラウドインボイス(株)が担当する。同社では販売目標として初年度に8,000社を掲げている。ビジネスモデルとしては、導入企業からの振込処理を同社が一括で行うことで銀行に支払うコストを引き下げ、振込手数料との差額分で利ザヤを稼ぐ格好となる。また、将来的には資本業務提携したSkwile社の開発したフィンテックエンジンを導入して、資金調達やリスク管理など融資仲介に関連するサービスまで領域を拡大していく予定となっている。
見込み対象顧客は、同社の既存顧客や顧客会計事務所の顧問先企業約50万社があるほか、Web上のクラウドサービスとなるため、まったくの新規顧客の獲得も期待できる。また、「楽(らく)たす振込」の契約を通じて同社の別商材の販売が増える可能性もあるだけに、今後の動向が注目される。
同社では同プラットフォームを中小企業が集まる日本最大のビジネスプラットフォームにすることを目指している。今後は自社サービスだけでなく、サードパーティのサービスなども同プラットフォームに取りそろえていく計画となっている。同プラットフォームへの集客については、現在、月間アクティブユーザー数で約30万人が利用しているビジネス情報サイト「bizocean」からの送客なども行っていく予定だ。
○ビジネス情報サイト「bizocean」
ビジネス情報サイト「bizocean」については2016年4月に事業分割し、子会社化しており、今後IPOも視野に入れながら、事業を拡大していく方針となっている。現在、登録会員数は約180万人だが、2020年度には国内で300万人、また、東南アジアやインドなどへの展開も進めていく予定で海外会員4,000万人を目標として掲げている。
同サイトは企業が日々業務で利用する書類等の書式・テンプレートを無料でダウンロードできるサイトとして人気を博しており、現在は同サイト上のディスプレイ広告及び登録会員へのメルマガ配信による広告収入が収益源となっている。売上高は2015年3月期の3億円強から2016年3月期は5億円となっており、2017年3月期はさらなる増収を見込んでいる。固定費がさほど掛からず、営業利益率は30%と高水準となっていることから、今後は利益への貢献度も大きくなっていくものと予想される。
なお、今後はサイト上での動画広告を開始するほか、テンプレートの有料サービス(CtoCマーケットプレイス)の開発や、AI技術を活用したサービスの強化も進めていく。また、海外市場では同様のビジネス情報サイトがまだほとんどないことから、今後の開拓余地が大きいと見ている。
○中小企業の事業承継・事業再生支援サービス
子会社のMJS M&Aパートナーズ(以下、mmap =エムマップ)で展開している中小企業向け事業承継・事業再生支援サービスについては、同社の顧客でもある会計事務所と協業しながら、日本一のセルサイドプラットフォームを確立することを目標としている。
ビジネスモデルとしては、主にミロク会計人会※の会員である会計事務所と紹介パートナー契約を結んだ後に、同会計事務所から事業承継または再生支援のニーズがある顧問先企業を紹介してもらい、当該企業とアドバイザリー契約を結び、支援サービスを行うスキームとなる。売上高としては承継先等が決まった場合に受領する手数料があり、また、費用としては紹介パートナー先へ支払う手数料がある。
※ミロク会計人会:同社のシステムを利用している会計事務所の任意団体で、全国に11の単位会と5つの委員会で組織されている。会員数は約3,500事務所となっている。
このため、案件数を増やしていくためには、パートナーとなる会計事務所をいかに増やしていくことができるかが重要なポイントとなる。2016年3月末でパートナー数は約750事務所と順調に増えており、2017年3月末には2,000事務所まで拡大していくことを目標としている。相談件数については2016年3月期で約100件の譲渡希望案件があり、このうち数件の成約実績があった。2017年3月期は相談件数で450件を目標としている。収益化の時期は2018年3月期を見込んでいる。成約料が1件当たり平均で数百万円規模となるため、数をいかに増やせるかが収益化のポイントとなってこよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(3)今後の成長戦略について
ミロク情報サービス<9928>は第3次中期経営計画の中で、次期ターゲットとして2021年3月期に売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を次の目標として掲げており、目標を実現していくためのM&A等の戦略投資を2014年以降、積極的に行ってきた。
○BtoBプラットフォーム「bizsky」事業について
中小企業の経費削減や業務効率化、資金調達などの経営課題に応えるための様々なコンテンツサービスを提供するマーケットプレイス機能を備えたBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky(ビズスカイ)」を構築した。
提供するコンテンツの第1弾として、中小企業向けを対象として、振込作業の効率化と振込手数料のコスト削減に資する「楽(らく)たす振込」(自社開発品)の提供を開始する。初期費用、月額利用料が無料で、振込手数料は一律290円と安価に設定されており、中小企業にとっての導入メリットは大きいと言える。また、紙の請求書を受領し振込代行するサービスもオプションメニューとしてそろえており、2015年12月に子会社化したクラウドインボイス(株)が担当する。同社では販売目標として初年度に8,000社を掲げている。ビジネスモデルとしては、導入企業からの振込処理を同社が一括で行うことで銀行に支払うコストを引き下げ、振込手数料との差額分で利ザヤを稼ぐ格好となる。また、将来的には資本業務提携したSkwile社の開発したフィンテックエンジンを導入して、資金調達やリスク管理など融資仲介に関連するサービスまで領域を拡大していく予定となっている。
見込み対象顧客は、同社の既存顧客や顧客会計事務所の顧問先企業約50万社があるほか、Web上のクラウドサービスとなるため、まったくの新規顧客の獲得も期待できる。また、「楽(らく)たす振込」の契約を通じて同社の別商材の販売が増える可能性もあるだけに、今後の動向が注目される。
同社では同プラットフォームを中小企業が集まる日本最大のビジネスプラットフォームにすることを目指している。今後は自社サービスだけでなく、サードパーティのサービスなども同プラットフォームに取りそろえていく計画となっている。同プラットフォームへの集客については、現在、月間アクティブユーザー数で約30万人が利用しているビジネス情報サイト「bizocean」からの送客なども行っていく予定だ。
○ビジネス情報サイト「bizocean」
ビジネス情報サイト「bizocean」については2016年4月に事業分割し、子会社化しており、今後IPOも視野に入れながら、事業を拡大していく方針となっている。現在、登録会員数は約180万人だが、2020年度には国内で300万人、また、東南アジアやインドなどへの展開も進めていく予定で海外会員4,000万人を目標として掲げている。
同サイトは企業が日々業務で利用する書類等の書式・テンプレートを無料でダウンロードできるサイトとして人気を博しており、現在は同サイト上のディスプレイ広告及び登録会員へのメルマガ配信による広告収入が収益源となっている。売上高は2015年3月期の3億円強から2016年3月期は5億円となっており、2017年3月期はさらなる増収を見込んでいる。固定費がさほど掛からず、営業利益率は30%と高水準となっていることから、今後は利益への貢献度も大きくなっていくものと予想される。
なお、今後はサイト上での動画広告を開始するほか、テンプレートの有料サービス(CtoCマーケットプレイス)の開発や、AI技術を活用したサービスの強化も進めていく。また、海外市場では同様のビジネス情報サイトがまだほとんどないことから、今後の開拓余地が大きいと見ている。
○中小企業の事業承継・事業再生支援サービス
子会社のMJS M&Aパートナーズ(以下、mmap =エムマップ)で展開している中小企業向け事業承継・事業再生支援サービスについては、同社の顧客でもある会計事務所と協業しながら、日本一のセルサイドプラットフォームを確立することを目標としている。
ビジネスモデルとしては、主にミロク会計人会※の会員である会計事務所と紹介パートナー契約を結んだ後に、同会計事務所から事業承継または再生支援のニーズがある顧問先企業を紹介してもらい、当該企業とアドバイザリー契約を結び、支援サービスを行うスキームとなる。売上高としては承継先等が決まった場合に受領する手数料があり、また、費用としては紹介パートナー先へ支払う手数料がある。
※ミロク会計人会:同社のシステムを利用している会計事務所の任意団体で、全国に11の単位会と5つの委員会で組織されている。会員数は約3,500事務所となっている。
このため、案件数を増やしていくためには、パートナーとなる会計事務所をいかに増やしていくことができるかが重要なポイントとなる。2016年3月末でパートナー数は約750事務所と順調に増えており、2017年3月末には2,000事務所まで拡大していくことを目標としている。相談件数については2016年3月期で約100件の譲渡希望案件があり、このうち数件の成約実績があった。2017年3月期は相談件数で450件を目標としている。収益化の時期は2018年3月期を見込んでいる。成約料が1件当たり平均で数百万円規模となるため、数をいかに増やせるかが収益化のポイントとなってこよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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