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アーバネット Research Memo(5):16/6期は過去最高の売上高、営業利益を更新

注目トピックス 日本株
■決算動向

(2) 2016年6月期決算の概要

アーバネットコーポレーション<3242>の2016年6月期の業績は、売上高が前期比48.6%増の17,704百万円、営業利益が同21.3%増の2,005百万円、経常利益が同23.3%増の1,720百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.5%増の1,139百万円と期初予想を上回る大幅な増収増益を実現し、過去最高の売上高、営業利益を更新した。

主力の不動産開発事業において、投資用マンションの販売戸数が15棟658戸(前期比104戸増)に増えたことや建売4戸(前期実績なし)が上乗せされたことに加えて、予算外の土地転売(2物件)があったことが増収に寄与した。また、不動産仕入販売事業も、他社物件の1棟販売を含めた37戸(前期2戸)を売上計上したことで大きく拡大した。その他についても、自社保有収益物件の寄与などにより、小規模ながら着実に伸びている。

なお、売上高が期初予想を上回ったのは、国内法人向けの1棟一括直接販売により販売戸数(計画比21戸増)並びに販売価額が想定を上回ったことと、前述の土地転売(2物件)によるものである。

一方、損益面では、粗利益率の低い土地転売や買取再販等の売上高が大きく伸びたことや、逆に粗利益率の高い分譲マンションの販売がなかったことから売上総利益率は18.7%(前期は21.7%)に低下したが、海外投資家や国内法人への直接販売※がプラスに働いたことで想定を上回る利益率水準となっている。

※海外法人向けに2棟67戸、国内法人向けに1棟41戸を1棟一括直接販売した。

貸借対照表の状況については、仕掛販売用不動産(棚卸資産)が13,257百万円(前期末比29.5%増)と順調に積み上がったことに加え、賃貸収益物件の取得により固定資産が3,068百万円(同43.6%増)に増えたことから総資産が18,952百万円(同21.7%増)に拡大した一方、自己資本は内部留保の積み増しにより5,858百万円(同15.4%)の増加にとどまったことから、自己資本比率は30.9%(前期末は32.6%)に若干低下した。もっとも短期の支払能力を示す流動比率は190.0%と依然として高い水準を維持しており、財務の安定性に懸念はない。一方、資本効率を示すROEについても20.8%(前期末は21.1%)の高い水準で推移している。

キャッシュフローの状況についても、営業活動によるキャッシュフローが引き続き大きくマイナス(1,366百万円の支出)となっているのは、2017年6月期以降の販売予定分として用地取得を進めたものである。また、賃貸収益物件の取得により投資キャッシュフローもマイナスとなっているが、長期借入金などの安定調達により対応したことから現金及び現金同等物はほぼ横ばいで推移した。有利子負債は、長短併せて10,693百万円(前期末比32.4%増)に増加している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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