オプティム<3694>---IoT関連特許資産が技術力を証明、技術や新事業への投資も強化してさらなる成長へ。
[16/10/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』10月17日放送において、オプティム<3694>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■会社概要
オプティム<3694>は、IoT技術を得意とする技術ベンチャーである。「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、ITリテラシーが不要で、ネットを意識することなく使いこなせるようにすることをミッションとしている。通信会社向けのAIを活用した自動インターネット接続ツールやスマートフォン・パソコン管理システムの成功で成長軌道に乗る。当初から要素技術の内製化に取り組み、知財戦略も推進しており、2012年に発表された特許資産規模では国内第9位(情報通信分野)、特許1件当たりの資産規模では国内第1位(同分野)を獲得している。
■事業概要
主力サービスは、IoTプラットフォームサービスであり、全社売上の65%を構成する。スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスである。パートナー企業による代理販売、OEM 提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。
リモートマネジメントサービスは売上の19% ではあるが成長率は高い。法人及び個人向けリモートマネジメントサービスである「Optimal Remote」は様々な端末・OS 同士の画面をリモートで共有し、操作サポートのみならず、体験を共有する環境を提供する。遠隔画面共有と遠隔操作がコア技術である。導入企業のセッション数に応じたライセンス料を受領する。
サポートサービスは売上の8%であるが、PC 市場の成長鈍化に伴い減少傾向にある。ネットワーク上のスマートフォンやタブレットなどのトラブルを自動で検知し修復する「OptimalDiagnosis & Repair」や自動でルーターの設定を可能とする「Optimal Setup」を提供しており、導入の際の機能追加にかかるカスタマイズ料やライセンス料を受領する。
その他サービスは売上の7% ではあるが、成長性は高い。法人向けに「ビジネスソフト使い放題」、個人向けに「タブレット使い放題(タブホ)」など「使い放題シリーズ」を提供する。月額定額課金モデルがメインである。
■IT 資産管理市場で国内シェアNo.1
2012 年に1人1台だったインターネットにつながる端末は、2020 年には1人150 台になると予測されている。企業のIT 資産を管理する部門の立場からすれば、端末の数が増えると作業が増えるとともにリスクも増える。同社の主力サービスである「Optimal Biz」は企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT 機器などのセキュリティ対策や一括設定の分野で必要不可欠なサービスとなっている。IT 資産管理・MDM ( Mobile Device Management) 市場で4年連続No.1 であり、2014 年の44.5% と圧倒的なシェアを獲得している。
■新コンセプト「Cloud IoTOS」
最近では、管理の対象はパソコン・モバイル・オフィスのIT 機器だけではなく、ネットワークカメラや各種センサー、ウェアラブル端末やドローンなどに広がりを見せており、そこから得られるビッグデータをAI 技術などで解析することを一連の流れで行う時代が来ている。
同社では、2016 年3 月に「OPTiM Cloud IoT OS」を発表し、IoT 時代の基盤となるソフトウェアを順次提供する予定だ。既存のCloud サービス上で動作が可能であり、IoT サービスで必須となる様々な機能は標準装備されており、画像解析やAI の機能が充実している点もポイントである。
Cloud IoT OS は既に様々な領域で活用が予定されている。例えば、鉄道関連では、無人駅監視や遠隔作業支援などが有望である。店舗管理関連では防犯はもちろんのこと、顧客属性管理をAI で行い、マーケティングに生かすことが考えられる。公共・インフラ関連では、トンネル異常検知や設備遠隔監視などに活用できる。良質なOS を提供することで、様々なIoT のソフトウェア・サービスを“作る” 時代から“使う” 時代にリードしたい考えだ。
■IoT 関連の質の高い特許技術を保有
要素技術を内製で研究開発しており、ネットを使う上でより快適なユーザー体験を提
供する独自技術を数多く保有している。コアテクノロジーは3つに分類でき、1) ネットワーク上のデバイスを正確に識別・状態把握する技術、2) ユーザーとオペレーター間の通信速度を高速化する技術、3) あらゆるデバイスの設定を最適化する技術、に分かれる。
同社では顧客企業を守る意味からも独自テクノロジーの知財戦略に重点をおいてきた。一例を挙げると、遠隔操作指示(Overlay Technology) の基本特許は、スマートフォン・タブレット・スマートグラスからのライブ映像を活用した遠隔作業指示の基本特許であり、国内初の遠隔診療・健康相談サービス「ポケットドクター」にも標準搭載されており、IoT 時代のコミュニケーションには不可欠の技術である。現在はAI ・ロボット分野への投資を強化しており、今後の知財としての成果も期待される。
■足元の業績
8月12日に2017年3月期第1四半期(2016年4〜6月期)決算を発表。売上高が前年同期比35.6%増の7.98億円、営業利益が前年同期比84.9%増の2.12億円、経常利益が前年同期比85.0%増の2.12億円、四半期純利益が前年同期比91.5%増の1.35億円で着地した。
モバイル端末やPCの管理やセキュリティ対策を提供するソフトウェア「Optimal Biz」などのライセンス数が引き続き伸長。定額電子雑誌読み放題サービスの「タブレット使い放題・スマホ使い放題(タブホ)」も、提供雑誌数が445誌1,100冊に到達し、順調に販売が拡大した。利益面では、開発費や人件費などの経費が増加したものの、増収効果によって吸収。営業利益率が前年同期比の19.5%から26.6%に高まり、大幅増益を達成した。
■2017年3月期業績
2017年3月期通期では売上高が前期比22.1%増の32.00億円、営業利益が前期比18.9%増の6.40億円、経常利益が前期比18.5%増の6.40億円、当期純利益が前期比50.0%増の4.34億円と見込む。第1四半期決算では通期計画を期初公表値のまま据え置いたが、通期計画に対する営業利益の進捗率は33.1%と良好で、業績の上振れが期待できる状況にある。
■株価動向
9月9日の4,290円を直近安値として、順調なリバウンド基調が継続。5月9日の年初来高値5,750円が射程に入ってきている。信用買い残は足元の上昇局面で利益確定が進んでおり、ピーク時からは3分の1程度に整理されている。目先は5月高値とのダブル・トップが意識されてくる可能性はあるが、これをクリアしてくるようだと、昨年9月の6,320円辺りを次のターゲットとしたトレンド形成が意識されてくる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■会社概要
オプティム<3694>は、IoT技術を得意とする技術ベンチャーである。「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、ITリテラシーが不要で、ネットを意識することなく使いこなせるようにすることをミッションとしている。通信会社向けのAIを活用した自動インターネット接続ツールやスマートフォン・パソコン管理システムの成功で成長軌道に乗る。当初から要素技術の内製化に取り組み、知財戦略も推進しており、2012年に発表された特許資産規模では国内第9位(情報通信分野)、特許1件当たりの資産規模では国内第1位(同分野)を獲得している。
■事業概要
主力サービスは、IoTプラットフォームサービスであり、全社売上の65%を構成する。スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスである。パートナー企業による代理販売、OEM 提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。
リモートマネジメントサービスは売上の19% ではあるが成長率は高い。法人及び個人向けリモートマネジメントサービスである「Optimal Remote」は様々な端末・OS 同士の画面をリモートで共有し、操作サポートのみならず、体験を共有する環境を提供する。遠隔画面共有と遠隔操作がコア技術である。導入企業のセッション数に応じたライセンス料を受領する。
サポートサービスは売上の8%であるが、PC 市場の成長鈍化に伴い減少傾向にある。ネットワーク上のスマートフォンやタブレットなどのトラブルを自動で検知し修復する「OptimalDiagnosis & Repair」や自動でルーターの設定を可能とする「Optimal Setup」を提供しており、導入の際の機能追加にかかるカスタマイズ料やライセンス料を受領する。
その他サービスは売上の7% ではあるが、成長性は高い。法人向けに「ビジネスソフト使い放題」、個人向けに「タブレット使い放題(タブホ)」など「使い放題シリーズ」を提供する。月額定額課金モデルがメインである。
■IT 資産管理市場で国内シェアNo.1
2012 年に1人1台だったインターネットにつながる端末は、2020 年には1人150 台になると予測されている。企業のIT 資産を管理する部門の立場からすれば、端末の数が増えると作業が増えるとともにリスクも増える。同社の主力サービスである「Optimal Biz」は企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT 機器などのセキュリティ対策や一括設定の分野で必要不可欠なサービスとなっている。IT 資産管理・MDM ( Mobile Device Management) 市場で4年連続No.1 であり、2014 年の44.5% と圧倒的なシェアを獲得している。
■新コンセプト「Cloud IoTOS」
最近では、管理の対象はパソコン・モバイル・オフィスのIT 機器だけではなく、ネットワークカメラや各種センサー、ウェアラブル端末やドローンなどに広がりを見せており、そこから得られるビッグデータをAI 技術などで解析することを一連の流れで行う時代が来ている。
同社では、2016 年3 月に「OPTiM Cloud IoT OS」を発表し、IoT 時代の基盤となるソフトウェアを順次提供する予定だ。既存のCloud サービス上で動作が可能であり、IoT サービスで必須となる様々な機能は標準装備されており、画像解析やAI の機能が充実している点もポイントである。
Cloud IoT OS は既に様々な領域で活用が予定されている。例えば、鉄道関連では、無人駅監視や遠隔作業支援などが有望である。店舗管理関連では防犯はもちろんのこと、顧客属性管理をAI で行い、マーケティングに生かすことが考えられる。公共・インフラ関連では、トンネル異常検知や設備遠隔監視などに活用できる。良質なOS を提供することで、様々なIoT のソフトウェア・サービスを“作る” 時代から“使う” 時代にリードしたい考えだ。
■IoT 関連の質の高い特許技術を保有
要素技術を内製で研究開発しており、ネットを使う上でより快適なユーザー体験を提
供する独自技術を数多く保有している。コアテクノロジーは3つに分類でき、1) ネットワーク上のデバイスを正確に識別・状態把握する技術、2) ユーザーとオペレーター間の通信速度を高速化する技術、3) あらゆるデバイスの設定を最適化する技術、に分かれる。
同社では顧客企業を守る意味からも独自テクノロジーの知財戦略に重点をおいてきた。一例を挙げると、遠隔操作指示(Overlay Technology) の基本特許は、スマートフォン・タブレット・スマートグラスからのライブ映像を活用した遠隔作業指示の基本特許であり、国内初の遠隔診療・健康相談サービス「ポケットドクター」にも標準搭載されており、IoT 時代のコミュニケーションには不可欠の技術である。現在はAI ・ロボット分野への投資を強化しており、今後の知財としての成果も期待される。
■足元の業績
8月12日に2017年3月期第1四半期(2016年4〜6月期)決算を発表。売上高が前年同期比35.6%増の7.98億円、営業利益が前年同期比84.9%増の2.12億円、経常利益が前年同期比85.0%増の2.12億円、四半期純利益が前年同期比91.5%増の1.35億円で着地した。
モバイル端末やPCの管理やセキュリティ対策を提供するソフトウェア「Optimal Biz」などのライセンス数が引き続き伸長。定額電子雑誌読み放題サービスの「タブレット使い放題・スマホ使い放題(タブホ)」も、提供雑誌数が445誌1,100冊に到達し、順調に販売が拡大した。利益面では、開発費や人件費などの経費が増加したものの、増収効果によって吸収。営業利益率が前年同期比の19.5%から26.6%に高まり、大幅増益を達成した。
■2017年3月期業績
2017年3月期通期では売上高が前期比22.1%増の32.00億円、営業利益が前期比18.9%増の6.40億円、経常利益が前期比18.5%増の6.40億円、当期純利益が前期比50.0%増の4.34億円と見込む。第1四半期決算では通期計画を期初公表値のまま据え置いたが、通期計画に対する営業利益の進捗率は33.1%と良好で、業績の上振れが期待できる状況にある。
■株価動向
9月9日の4,290円を直近安値として、順調なリバウンド基調が継続。5月9日の年初来高値5,750円が射程に入ってきている。信用買い残は足元の上昇局面で利益確定が進んでおり、ピーク時からは3分の1程度に整理されている。目先は5月高値とのダブル・トップが意識されてくる可能性はあるが、これをクリアしてくるようだと、昨年9月の6,320円辺りを次のターゲットとしたトレンド形成が意識されてくる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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