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平山 Research Memo(1):ものづくり支援企業としての信頼をベースに2020年6月期売上高200億円を目指す

注目トピックス 日本株
平山<7781>は、日本のものづくり、製造業を支える製造支援会社として、製造コンサルティングを強みに製造請負を中心とするアウトソーシング事業と技術者派遣事業を主力事業として展開する人材サービス会社。「設備と敷地を持たない製造業」を標榜し「人に付いた技術で日本のものづくりを支援する」をコンセプトに、業績が安定的で国内に残る業種、分野、製品にフォーカスする戦略を展開し、リーマンショック後の業績低迷を脱却し成長トレンドへの転換に成功した。2015年7月に知名度の向上と人材の確保を目的として東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)へ上場した。

2016年6月期連結業績は、売上高が前期比8.4%増の9,747百万円、営業利益は同66.1%減の128百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同92.6%減の14百万円となった。主要顧客である製造業において円安を背景に堅調な生産活動が続いたこと、2015年9月の労働者派遣法の改正による派遣活用の拡大等により、同社に対する請負・派遣が順調に増加したことから、連結決算の発表を開始した2013年6月期以来4期連続して増収を確保した。しかし、主要取引先の一部収益性の高い製品で減産があった影響や採用関連コストの増加等がマイナス要因として働いたために大幅減益を余儀なくされた。

2017年6月期は、売上高が前期比22.7%増の11,963百万円、営業利益は同90.8%増の244百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同814.1%増の132百万円と2ケタ増収・増益へ転換、営業利益率は2.0%への改善を見込む会社計画である。堅調な国内市況予測と労働者派遣法の改正等を背景に、1)採用体制の強化による既存取引先の増産対応、新規取引先(主に製造派遣)の開拓推進を図ることにより主力のアウトソーシング事業が順調に推移、2)タイの子会社における稼働人員数の大幅増加によりその他事業が大幅に拡大、と予想するのが根拠としている。

同社は中長期的な目標として、2020年6月期に売上高200億円を達成、営業利益率8%を確保することを目指している。その経営戦略として、1)主力のアウトソーシング事業では、環境変化によるインパクトが少なく、国内に残る業種、分野、製品にフォーカスする、2)技術者派遣事業は、国内のエンジニア不足を補うために、ベトナム及びタイの海外現地法人を活用し、外国籍技術者を積極的に採用する、3)海外事業については、タイの現地法人を基盤に、タイでの人材ビジネスの拡大を進めるとともに、積極的にM&Aを進め、東南アジア全域の日系企業との取引を拡大する、と挙げている。

株主に対する利益還元については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保する一方で、配当性向25%を目安に安定した配当を継続することを基本方針としている。この方針に従い、2016年6月期業績が期初計画未達となったにもかかわらず、配当金は期初計画の37.34円と同水準となる、上場記念配当32円を含む38円を実施した。2017年6月期については、配当性向25.9%となる20円を予定している。

■Check Point
・コンサルティングによる現場改善力と人材育成力が強みの人材サービス会社で、国内に残る業種、分野、製品にフォーカスした製造請負を主力事業として展開
・2016年6月期は主要取引先の減産と採用関連コストの増加等で減益ながら、2017年6月期は採用強化によるアウトソーシング事業の拡大とタイ子会社の拡大により増収・増益への転換を予想
・コンサルティング機能強化、外国人活用、展開エリアの拡大により2020年6月期に売上高200億円の達成を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )



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