平山 Research Memo(6):連結決算開始以来4期連続の増収ながら主要取引先の減産の影響により大幅減益に
[16/11/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(2) 2016年6月期業績
a) 2016年6月期決算の概要
平山<7781>の2016年6月期連結業績は、売上高が前期比8.4%増の9,747百万円、営業利益は同66.1%減の128百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同92.6%減の14百万円となり、2013年6月期の連結決算発表開始以来4期連続して増収を確保したものの、利益は主要取引先の一部減産の影響や採用関連コストの増加等から大幅減益を余儀なくされた。
増収を確保したのは、製造業の業績堅調や2015年9月の労働者派遣法の改正による派遣活用の拡大等により主力事業の製造請負・製造派遣の引合いが順調に増加したことが主要因。売上原価は、一部取引先の製造請負の人材不足に対応するために、人材会社を活用したことで外注コストが増加したことなどにより、前期比10.5%増の8,212百万円となり売上高の伸びを上回った。売上原価の増加に加えて、減産による余剰人員が発生し、他部署への異動等に時間を要したことで売上が減少する一方で、人員が減らなかったこともマイナス要因として働いたために、売上総利益率は15.8%と前期に比べ1.6ポイント低下した。さらに、販管費は採用関連の費用増を中心に、同18.6%増の1,407百万円へ増加した。この結果、営業利益は大幅減益を余儀なくされる格好となり、営業利益率は前期の4.2%から1.3%へ低下した。
一方、期初計画(売上高10,017百万円、営業利益430百万円、親会社株主に帰属する当期純利益253百万円)対比では売上高、利益ともに計画を下回った。同社は、アウトソーシング事業において医療・医薬機器分野で減産が発生し受注量が計画を約5%下回る見込みとなったことと、精密機器分野での主要取引先の一部の製品で減産が発生し受注量が計画を約15%下回る見込みとなったことを受けて、2月12日付で業績予想の下方修正(売上高9,739百万円、営業利益124百万円、親会社株主に帰属する当期純利益41百万円)を行った。この修正計画対比では、売上高、営業利益はおおむね計画通りとなったが、親会社株主に帰属する当期純利益は計画を下回った。親会社株主に帰属する当期純利益の下振れは、下期において急激な円高の進行に伴い、海外現地法人への貸付金に対し為替差損が発生したことによる。
b)セグメントの状況
1)アウトソーシング事業
売上高は前期比4.8%増の8,310百万円と増収を確保したものの、セグメント利益は同13.2%減の819百万円となり2ケタ減益となった。増収を確保したのは、製造派遣事業が既存取引先の増員や新規顧客の開拓により好調に推移したことで、製造請負事業の医療・医薬機器分野(減産は計画比約5%)と精密機器分野(同約15%)の主要取引先の減産によるマイナス影響をカバーしたことによる。にもかかわらず、減益となったのは利益率の高い製造請負事業の減産による収益減に加えて、受注に対する適正人員確保のための採用コストと外注コストが増加したことが主要因。
2)技術者派遣事業
売上高は前期比0.1%増の915百万円、セグメント利益は同13.9%減の46百万円となった。売上高が横ばいとなったのは、輸送機器、通信機器分野からの需要は旺盛であったものの、採用環境の悪化より人員確保が進まず、実質稼動人員数は前期末とほぼ同じ稼動人員数にとどまったことが主要因。減益となったのは、技術者の人員確保に向けた採用関連コスト増に加えて、得意とする機械設計分野に加えて生産技術領域への領域拡大という新たな取り組みのための営業強化や採用活動開始といった先行投資がマイナス要因として働いたためだ。
なお、生産技術領域への領域拡張は単にその分野の売上拡大のみを目的とするものではなく、異なる領域における人材交流、また異なる領域の教育を行うことにより、社員のスキルアップと、得意分野である機械設計分野への人員転用を考慮している。
3)その他
売上高は前期比255.4%増の522百万円、セグメント利益は同91.4%減の3百万円となった。大幅増収となったのは、タイの人材派遣会社を買収したことが要因。加えて、主力事業である現場改善コンサルティング事業が堅調に推移したほか、スタディツアービジネスもおおむね計画どおりに進捗した。にもかかわらず、大幅な減益を余儀なくされたのは、タイのM&Aにかかる一時的支出があったことによる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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(2) 2016年6月期業績
a) 2016年6月期決算の概要
平山<7781>の2016年6月期連結業績は、売上高が前期比8.4%増の9,747百万円、営業利益は同66.1%減の128百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同92.6%減の14百万円となり、2013年6月期の連結決算発表開始以来4期連続して増収を確保したものの、利益は主要取引先の一部減産の影響や採用関連コストの増加等から大幅減益を余儀なくされた。
増収を確保したのは、製造業の業績堅調や2015年9月の労働者派遣法の改正による派遣活用の拡大等により主力事業の製造請負・製造派遣の引合いが順調に増加したことが主要因。売上原価は、一部取引先の製造請負の人材不足に対応するために、人材会社を活用したことで外注コストが増加したことなどにより、前期比10.5%増の8,212百万円となり売上高の伸びを上回った。売上原価の増加に加えて、減産による余剰人員が発生し、他部署への異動等に時間を要したことで売上が減少する一方で、人員が減らなかったこともマイナス要因として働いたために、売上総利益率は15.8%と前期に比べ1.6ポイント低下した。さらに、販管費は採用関連の費用増を中心に、同18.6%増の1,407百万円へ増加した。この結果、営業利益は大幅減益を余儀なくされる格好となり、営業利益率は前期の4.2%から1.3%へ低下した。
一方、期初計画(売上高10,017百万円、営業利益430百万円、親会社株主に帰属する当期純利益253百万円)対比では売上高、利益ともに計画を下回った。同社は、アウトソーシング事業において医療・医薬機器分野で減産が発生し受注量が計画を約5%下回る見込みとなったことと、精密機器分野での主要取引先の一部の製品で減産が発生し受注量が計画を約15%下回る見込みとなったことを受けて、2月12日付で業績予想の下方修正(売上高9,739百万円、営業利益124百万円、親会社株主に帰属する当期純利益41百万円)を行った。この修正計画対比では、売上高、営業利益はおおむね計画通りとなったが、親会社株主に帰属する当期純利益は計画を下回った。親会社株主に帰属する当期純利益の下振れは、下期において急激な円高の進行に伴い、海外現地法人への貸付金に対し為替差損が発生したことによる。
b)セグメントの状況
1)アウトソーシング事業
売上高は前期比4.8%増の8,310百万円と増収を確保したものの、セグメント利益は同13.2%減の819百万円となり2ケタ減益となった。増収を確保したのは、製造派遣事業が既存取引先の増員や新規顧客の開拓により好調に推移したことで、製造請負事業の医療・医薬機器分野(減産は計画比約5%)と精密機器分野(同約15%)の主要取引先の減産によるマイナス影響をカバーしたことによる。にもかかわらず、減益となったのは利益率の高い製造請負事業の減産による収益減に加えて、受注に対する適正人員確保のための採用コストと外注コストが増加したことが主要因。
2)技術者派遣事業
売上高は前期比0.1%増の915百万円、セグメント利益は同13.9%減の46百万円となった。売上高が横ばいとなったのは、輸送機器、通信機器分野からの需要は旺盛であったものの、採用環境の悪化より人員確保が進まず、実質稼動人員数は前期末とほぼ同じ稼動人員数にとどまったことが主要因。減益となったのは、技術者の人員確保に向けた採用関連コスト増に加えて、得意とする機械設計分野に加えて生産技術領域への領域拡大という新たな取り組みのための営業強化や採用活動開始といった先行投資がマイナス要因として働いたためだ。
なお、生産技術領域への領域拡張は単にその分野の売上拡大のみを目的とするものではなく、異なる領域における人材交流、また異なる領域の教育を行うことにより、社員のスキルアップと、得意分野である機械設計分野への人員転用を考慮している。
3)その他
売上高は前期比255.4%増の522百万円、セグメント利益は同91.4%減の3百万円となった。大幅増収となったのは、タイの人材派遣会社を買収したことが要因。加えて、主力事業である現場改善コンサルティング事業が堅調に推移したほか、スタディツアービジネスもおおむね計画どおりに進捗した。にもかかわらず、大幅な減益を余儀なくされたのは、タイのM&Aにかかる一時的支出があったことによる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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