Fブラザーズ Research Memo(1):一部指定を達成し配当を開始、過去最高益を更新し地熱発電分野の事業化に着手
[17/02/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ファーストブラザーズ<3454>は2004年2月創業の独立系不動産投資運用会社。2015年2月に東証マザーズに上場、2016年10月には上場時の経営目標として掲げていた東証1部への市場変更を達成し、2016年11月期からDOE 2%を目安に配当を開始した。代表取締役社長の吉原知紀(よしはらともき)氏を始めキーマンに旧三井信託銀行(株)の出身者が多い。不動産私募ファンドの運用会社としてスタートしたが、足元では自己勘定投資に軸足を移している。
運用している私募ファンドのタイプはバリューアッド型、オポチュニスティック型で、エクイティ投資家は国内外の機関投資家。投資対象は主に首都圏の比較的大規模(数十億〜数百億円)のオフィス、商業施設、レジデンスなど。特に商業施設に強み。顧客投資家の利益最大化を重視し、AUM(運用資産残高)の積み上げにはこだわらず、市況に応じた機動的な売買を行っており、2016年11月期末のAUMは321億円(前期末比248億円減)と減少傾向である。
2014年頃からファンドの投資対象から外れる主として比較的小規模(10億円前後)の商業ビル、オフィスビルを対象とした自己勘定投資を積極化。2016年11月期末の自己勘定投資のAUMは251億円(前期末比94億円増)と拡大。こうした小規模物件はストックや流通量が膨大で、所有者は不動産のプロではない個人富裕層や事業会社などが多いため大型物件と異なり潜在的価値が高い物件を取得できる機会が豊富。安定収益の賃料収入の拡大を図りつつ、バリューアップ後、適宜、物件入替により売却益を実現させていく方針だ。
2016年11月期連結決算は、売上高14,606百万円(前期比3.2倍)、営業利益3,966百万円(同40.0%増)。投資運用事業の営業利益は904百万円(同58.7%減)と前期にあった多額のインセンティブフィーの反動などにより大幅減益となったが、前期にはなかった自己勘定投資物件の売却106億円により投資銀行事業が急伸し、大幅増収増益となり過去最高益を更新した。2016年10月に会社業績予想は、予定になかった物件の売却決定や、複数の物件の売却価格が想定を上回ったことを主因に大幅上方修正されていたが、さらに若干上回って着地した。新たな取り組みとして、2016年末から地熱発電分野の事業化に着手した。
2017年11月期会社業績予想は、売上高18,072百万円(前期比23.7%増)、営業利益4,107百万円(同3.6%増)。投資運用事業は大幅減益予想だが、自己勘定投資物件の売却増による売却益の増加などでカバーし、小幅営業増益予想。自己勘定投資物件の売却や販管費の想定が保守的とみられ、会社業績予想を上振れる可能性も十分あるだろう。
■Key Points
・2016年10月に東証1部へ市場変更、2016年11月期からDOE2%を目安に配当を開始
・不動産価格が高値圏にあるとの市場認識のもとファンドにおける中大型物件の取得には慎重な一方、投資機会が豊富な小規模物件の自己勘定投資を積極拡大中
・新規事業として地熱発電の事業化に着手
(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)
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ファーストブラザーズ<3454>は2004年2月創業の独立系不動産投資運用会社。2015年2月に東証マザーズに上場、2016年10月には上場時の経営目標として掲げていた東証1部への市場変更を達成し、2016年11月期からDOE 2%を目安に配当を開始した。代表取締役社長の吉原知紀(よしはらともき)氏を始めキーマンに旧三井信託銀行(株)の出身者が多い。不動産私募ファンドの運用会社としてスタートしたが、足元では自己勘定投資に軸足を移している。
運用している私募ファンドのタイプはバリューアッド型、オポチュニスティック型で、エクイティ投資家は国内外の機関投資家。投資対象は主に首都圏の比較的大規模(数十億〜数百億円)のオフィス、商業施設、レジデンスなど。特に商業施設に強み。顧客投資家の利益最大化を重視し、AUM(運用資産残高)の積み上げにはこだわらず、市況に応じた機動的な売買を行っており、2016年11月期末のAUMは321億円(前期末比248億円減)と減少傾向である。
2014年頃からファンドの投資対象から外れる主として比較的小規模(10億円前後)の商業ビル、オフィスビルを対象とした自己勘定投資を積極化。2016年11月期末の自己勘定投資のAUMは251億円(前期末比94億円増)と拡大。こうした小規模物件はストックや流通量が膨大で、所有者は不動産のプロではない個人富裕層や事業会社などが多いため大型物件と異なり潜在的価値が高い物件を取得できる機会が豊富。安定収益の賃料収入の拡大を図りつつ、バリューアップ後、適宜、物件入替により売却益を実現させていく方針だ。
2016年11月期連結決算は、売上高14,606百万円(前期比3.2倍)、営業利益3,966百万円(同40.0%増)。投資運用事業の営業利益は904百万円(同58.7%減)と前期にあった多額のインセンティブフィーの反動などにより大幅減益となったが、前期にはなかった自己勘定投資物件の売却106億円により投資銀行事業が急伸し、大幅増収増益となり過去最高益を更新した。2016年10月に会社業績予想は、予定になかった物件の売却決定や、複数の物件の売却価格が想定を上回ったことを主因に大幅上方修正されていたが、さらに若干上回って着地した。新たな取り組みとして、2016年末から地熱発電分野の事業化に着手した。
2017年11月期会社業績予想は、売上高18,072百万円(前期比23.7%増)、営業利益4,107百万円(同3.6%増)。投資運用事業は大幅減益予想だが、自己勘定投資物件の売却増による売却益の増加などでカバーし、小幅営業増益予想。自己勘定投資物件の売却や販管費の想定が保守的とみられ、会社業績予想を上振れる可能性も十分あるだろう。
■Key Points
・2016年10月に東証1部へ市場変更、2016年11月期からDOE2%を目安に配当を開始
・不動産価格が高値圏にあるとの市場認識のもとファンドにおける中大型物件の取得には慎重な一方、投資機会が豊富な小規模物件の自己勘定投資を積極拡大中
・新規事業として地熱発電の事業化に着手
(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)
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