アイエスビー Research Memo(8):新事業のみならず既存事業も「Qt」をけん引役に順調に新規顧客の獲得が進展
[17/04/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
3. 『新規優良顧客の獲得』
(1) 概況
『新規優良顧客の獲得』は上述の新事業を通じても期待されているが、既存事業においても着実に進展している。そのけん引役が「組込み」の中のQt(キュート)だ。Qtの詳細は後述するが、新事業と既存事業の両輪で新規顧客の開拓が進み、2016年12月期の新規取引先の売上高構成比は26.9%に達し、計画以上の進捗を見せた。前期の15.7%から大きく上昇した背景には、当期中の新規獲得客の増加に加えて、2014・2015年に獲得した顧客との間での取引が拡大したことがある(アイ・エス・ビー<9702>の定義では2014年以降に取引が開始された顧客が新規顧客となっている)。
(2) 『Qt』について
QtはThe Qt Companyが手掛けるアプリケーション開発キットだ。最大の特徴は1つのソースコードで、複数のOS(Windows、MacOS、Linuxなど)やデバイス(デスクトップ、モバイル機器等)に対応可能な“クロスプラットフォーム”という点だ。同社は2008年から日本及びベトナムでのQtの正規販売代理店として活動してきている。
Qtについては、組込みシステムの領域においてEmbedded Linuxの採用が進むにつれて、アプリ開発ツールとしてのQtの採用事例が加速度的に伸びている状況だ。特に、車載やデジタル家電、組込装置、スマートフォン市場で一段と活性化している。そうしたなか、同社は、2015年12月期には大型案件も含めて8件の受注実績を残した。2016年12月期に入ってもQt開発案件は順調な拡大を続け、2016年12月期下期の組込み分野におけるQt開発案件売上構成比は7.8%にまで上昇した。
Qtは2017年12月期も売上高拡大が続くと弊社ではみている。需要分野別では車載向けが今後大きく伸びると期待している。車のインテリジェント化の進展で運転席周り(インパネ周り)のデザインが大きな転換期を迎えているのは良く知られているが、その開発においてQtの需要が急速に高まっている状況だ。
Qtの拡大はまた、波及効果をもたらすと期待される。これはQtで取引が始まった顧客から、同社に追加でソフトウェアの開発やシステム構築などの発注が成されるケースが典型的だ。こうした例は2016年12月期においても大型案件を含めて複数みられた。2017年12月期もQt顧客数の積み上がりにより、こうした事例が増加すると期待される。Qt開発案件を突破口に、新規・大口顧客の開拓や既存客との取引拡大を狙う戦略は当面続くと弊社ではみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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3. 『新規優良顧客の獲得』
(1) 概況
『新規優良顧客の獲得』は上述の新事業を通じても期待されているが、既存事業においても着実に進展している。そのけん引役が「組込み」の中のQt(キュート)だ。Qtの詳細は後述するが、新事業と既存事業の両輪で新規顧客の開拓が進み、2016年12月期の新規取引先の売上高構成比は26.9%に達し、計画以上の進捗を見せた。前期の15.7%から大きく上昇した背景には、当期中の新規獲得客の増加に加えて、2014・2015年に獲得した顧客との間での取引が拡大したことがある(アイ・エス・ビー<9702>の定義では2014年以降に取引が開始された顧客が新規顧客となっている)。
(2) 『Qt』について
QtはThe Qt Companyが手掛けるアプリケーション開発キットだ。最大の特徴は1つのソースコードで、複数のOS(Windows、MacOS、Linuxなど)やデバイス(デスクトップ、モバイル機器等)に対応可能な“クロスプラットフォーム”という点だ。同社は2008年から日本及びベトナムでのQtの正規販売代理店として活動してきている。
Qtについては、組込みシステムの領域においてEmbedded Linuxの採用が進むにつれて、アプリ開発ツールとしてのQtの採用事例が加速度的に伸びている状況だ。特に、車載やデジタル家電、組込装置、スマートフォン市場で一段と活性化している。そうしたなか、同社は、2015年12月期には大型案件も含めて8件の受注実績を残した。2016年12月期に入ってもQt開発案件は順調な拡大を続け、2016年12月期下期の組込み分野におけるQt開発案件売上構成比は7.8%にまで上昇した。
Qtは2017年12月期も売上高拡大が続くと弊社ではみている。需要分野別では車載向けが今後大きく伸びると期待している。車のインテリジェント化の進展で運転席周り(インパネ周り)のデザインが大きな転換期を迎えているのは良く知られているが、その開発においてQtの需要が急速に高まっている状況だ。
Qtの拡大はまた、波及効果をもたらすと期待される。これはQtで取引が始まった顧客から、同社に追加でソフトウェアの開発やシステム構築などの発注が成されるケースが典型的だ。こうした例は2016年12月期においても大型案件を含めて複数みられた。2017年12月期もQt顧客数の積み上がりにより、こうした事例が増加すると期待される。Qt開発案件を突破口に、新規・大口顧客の開拓や既存客との取引拡大を狙う戦略は当面続くと弊社ではみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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