キャリアリンク Research Memo(1):大型プロジェクトの業務縮小により2018年2月期の収益成長は小休止
[17/05/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
キャリアリンク<6070>は、BPO(業務プロセスの外部委託)関連事業を主軸とした総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げを必要とするプロジェクトの運用ノウハウに強みを持つ。官公庁向け案件での高い実績を背景に、民間企業向け大型BPO案件の受注獲得を進めている。また、製造技術系派遣に注力すべく、2017年3月に会社分割によりキャリアリンクファクトリー(株)を設立。2018年2月期より連結業績の開示を開始する。
1. 2017年2月期の売上高、経常利益は4期ぶりに過去最高を更新
2017年2月期の業績は、売上高で前期比11.2%増の18,459百万円、経常利益で同5.2%増の993百万円と期初計画(売上高19,984百万円、経常利益1,106百万円)を下回ったものの、3期連続の増収増益となり、4期ぶりに過去最高を更新した。主力のBPO関連事業において、特定の民間企業向け大型プロジェクトが計画よりも早く業務量が縮小したことや新規スポット案件で想定を超える作業工数を要したこと等が計画比の下振れ要因となったが、前期比では地方自治体向けマイナンバー・臨時給付金関連業務の増加や製造技術系事業の好調により増収増益となった。
2. 2018年2月期は民間企業向け大型プロジェクトの業務量縮小により減益を見込む
2018年2月期の連結業績は売上高で前期比3.2%増の19,056百万円、経常利益で同29.5%減の700百万円と増収減益を見込んでいる。BPO関連事業において、民間企業向け大型プロジェクトや地方自治体向けマイナンバー・臨時給付金関連業務の受注量が減少する一方で、金融業界向けマイナンバー関連業務や製造技術系事業の新規受注拡大が見込まれ、売上高は増収基調を継続する。ただ、新規受注案件については立ち上げ初期段階では利益率が低い傾向のため、利益面ではこうした低下リスクを織り込んで減益を見込んでいる。
3. 2020年2月期に売上高26,800百万円、経常利益1,430百万円を目指す
新たに策定した3ヶ年の中期経営計画では、最終年度となる2020年2月期に売上高26,800百万円、経常利益1,430百万円を目標として掲げた。今後も「業務効率化と品質向上を両立させる企画提案力」や「短期間での早期立ち上げを可能とする運用力」を強みとしてBPO関連事業を拡大していくほか、製造技術系事業についても人手不足が慢性化している食品加工業界向けを中心に売上を伸ばしていく計画となっている。BPO関連事業では2018年以降、銀行預金口座のマイナンバー紐付け運用が開始される見込みで、同社にとって事業拡大の好機となる。また、成長戦略としてM&Aにも取り組んでいく方針で、対象領域としてはBPO関連事業の競争力強化につながるIT系企業等を視野に入れているが、今回の業績計画の中には織り込んでいない。
4. 株主還元策として、業績動向に応じた安定配当の継続と株主優待を実施
株主還元策として同社は、安定配当の継続と株主優待制度を導入しており、業績動向に応じて安定的かつ着実な配当成長を目指していく考えを示している。2018年2月期の1株当たり配当金は減益見込みではあるが、前期比横ばいの10.0円(配当性向26.8%)を予定している。また、株主優待としては、8月末の株主に対して保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している(500〜2,000円相当)。
■Key Points
・大型プロジェクトの運用ノウハウと独自の人材マッチングシステムが強み
・2018年2月期は4期ぶりの減益を見込むが、計画は保守的な印象
・BPO関連事業と製造技術系事業を積極拡大し、2020年2月期に売上高268億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
キャリアリンク<6070>は、BPO(業務プロセスの外部委託)関連事業を主軸とした総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げを必要とするプロジェクトの運用ノウハウに強みを持つ。官公庁向け案件での高い実績を背景に、民間企業向け大型BPO案件の受注獲得を進めている。また、製造技術系派遣に注力すべく、2017年3月に会社分割によりキャリアリンクファクトリー(株)を設立。2018年2月期より連結業績の開示を開始する。
1. 2017年2月期の売上高、経常利益は4期ぶりに過去最高を更新
2017年2月期の業績は、売上高で前期比11.2%増の18,459百万円、経常利益で同5.2%増の993百万円と期初計画(売上高19,984百万円、経常利益1,106百万円)を下回ったものの、3期連続の増収増益となり、4期ぶりに過去最高を更新した。主力のBPO関連事業において、特定の民間企業向け大型プロジェクトが計画よりも早く業務量が縮小したことや新規スポット案件で想定を超える作業工数を要したこと等が計画比の下振れ要因となったが、前期比では地方自治体向けマイナンバー・臨時給付金関連業務の増加や製造技術系事業の好調により増収増益となった。
2. 2018年2月期は民間企業向け大型プロジェクトの業務量縮小により減益を見込む
2018年2月期の連結業績は売上高で前期比3.2%増の19,056百万円、経常利益で同29.5%減の700百万円と増収減益を見込んでいる。BPO関連事業において、民間企業向け大型プロジェクトや地方自治体向けマイナンバー・臨時給付金関連業務の受注量が減少する一方で、金融業界向けマイナンバー関連業務や製造技術系事業の新規受注拡大が見込まれ、売上高は増収基調を継続する。ただ、新規受注案件については立ち上げ初期段階では利益率が低い傾向のため、利益面ではこうした低下リスクを織り込んで減益を見込んでいる。
3. 2020年2月期に売上高26,800百万円、経常利益1,430百万円を目指す
新たに策定した3ヶ年の中期経営計画では、最終年度となる2020年2月期に売上高26,800百万円、経常利益1,430百万円を目標として掲げた。今後も「業務効率化と品質向上を両立させる企画提案力」や「短期間での早期立ち上げを可能とする運用力」を強みとしてBPO関連事業を拡大していくほか、製造技術系事業についても人手不足が慢性化している食品加工業界向けを中心に売上を伸ばしていく計画となっている。BPO関連事業では2018年以降、銀行預金口座のマイナンバー紐付け運用が開始される見込みで、同社にとって事業拡大の好機となる。また、成長戦略としてM&Aにも取り組んでいく方針で、対象領域としてはBPO関連事業の競争力強化につながるIT系企業等を視野に入れているが、今回の業績計画の中には織り込んでいない。
4. 株主還元策として、業績動向に応じた安定配当の継続と株主優待を実施
株主還元策として同社は、安定配当の継続と株主優待制度を導入しており、業績動向に応じて安定的かつ着実な配当成長を目指していく考えを示している。2018年2月期の1株当たり配当金は減益見込みではあるが、前期比横ばいの10.0円(配当性向26.8%)を予定している。また、株主優待としては、8月末の株主に対して保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している(500〜2,000円相当)。
■Key Points
・大型プロジェクトの運用ノウハウと独自の人材マッチングシステムが強み
・2018年2月期は4期ぶりの減益を見込むが、計画は保守的な印象
・BPO関連事業と製造技術系事業を積極拡大し、2020年2月期に売上高268億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>