キャリアリンク Research Memo(2):大型プロジェクトの運用ノウハウと独自の人材マッチングシステムが強み
[17/05/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
キャリアリンク<6070>は1996年に創業した人材派遣会社で、現在は主力の「BPO関連事業」に加えて「CRM関連事業」「製造技術系事業」「一般事務事業」と4つの事業を展開している。このうち、「製造技術系事業」については今後の事業拡大に向けた迅速かつ効率的な経営を進めていくため、2017年3月に会社分割を行い、キャリアリンクファクトリーとして子会社化している。2017年2月期の事業別売上構成比を見るとBPO関連事業が66.1%を占めており、CRM関連事業が15.7%、製造技術系事業が11.5%、一般事務事業が6.7%となっている。各事業の内容については以下のとおり。
1. BPO関連事業
BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業や官公庁などが業務の効率化、コスト削減、あるいはサービスの質の向上などを目的として、特定の業務プロセスを外部の専門業者に委託することを指し、受託する事業者をBPO事業者という。同社はBPO事業者が請け負ったBPO業務への人材派遣、業務効率化等の企画提案を踏まえたインセンティブ契約に基づく人材派遣、官公庁や企業等の業務プロセスの業務請負などを主に行っており、一部最終顧客から直接受注している案件もある。
企業や官公庁等がBPOを導入するメリットは、固定費の流動化(業務繁忙期に合わせた人員は不要)や管理コストの削減が挙げられ、また、窓口業務やコールセンター業務などでは、利用客に対するサービス品質の向上といった効果も期待できる。2006年に施行された「公共サービス改革法」を契機に、官公庁や外郭団体では「市場化テスト」という名のもとに競争入札制度を導入し、民間企業の活用を積極的に進めている。
同社の強みは、1,000人を超える大量動員を要する大型プロジェクトでも、1ヶ月程度の短期間で立ち上げることができる運用ノウハウを持っていることにある。派遣スタッフの採用に関しては、独自の人材マッチングシステム(Webシステムを活用した適正テストの実施やシフト希望確認など)によって、短期間で最適な人材を集めることを可能とし、また、派遣スタッフの労務管理も含めた現場での運用能力、さらには社員の7割近くを現場に常駐させることによって、業務効率向上につながる改善施策を迅速に提案し、実行できることも強みとなっている。
BPO業務の運用に関して、同社では経験豊富なSV(スーパーバイザー)をリーダーとする「チーム派遣」を行っている。事務処理・入力・発送等を中心とした業務に対して、SVをリーダーとする10人程度のチーム編成で日々の業務を処理している。SVをリーダーとして配置することによって、派遣先での業務研修の実施や派遣スタッフの勤務シフトの平準化を実施し、業務の早期立ち上げ及び円滑な運用と生産性向上を可能としている。特に大量の人員が必要とされる大型プロジェクトでは、最適な運用システムと言える。
また、大型プロジェクトでは業務工程ごとに派遣会社が複数社入って業務に当たるケースが多いが、派遣会社が異なると工程間の連携がスムーズに進まず業務効率が改善されないことも多い。同社ではこれら複数工程を一括受注することで、工程間の連携をスムーズにし、業務効率を向上していくことで、同一案件内の取引シェア拡大を図っている。
2. CRM関連事業
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客満足度の向上を目的に、顧客との良好な関係を構築していくための経営手法を指す。同社においては、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務への人材派遣・紹介、企業等のコンタクトセンターへの人材派遣・紹介、テレマーケティング業務の請負などを行っている。
テレマーケティング事業者への人材派遣では、BPO関連事業と同様にチーム派遣を行っている。また、テレマーケティング業務の請負では、顧客から委託されたテレマーケティング業務を自社内に設置したコンタクトセンターで請け負っている。
3. 製造技術系事業
企業の製造拠点等において、組み立て作業や製造・物流に関するすべての業務についての人材派遣、請負業務を行っている。主に西日本を中心に展開しており、顧客は総合家電大手、食品加工、自動車、医療機器業界等が主となっている。
4. 一般事務事業
一般事務職をターゲットとした人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介並びに一般事務の請負を行っている。
なお、CRM関連事業や一般事務事業における人材派遣業務に関しては、テンプホールディングス<2181>やパソナグループ<2168>など大手人材派遣会社の寡占化が進んでおり競争も激しいが、同社では、BPO案件の受注獲得につなげていくためのフック役として、これら事業を位置付けている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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キャリアリンク<6070>は1996年に創業した人材派遣会社で、現在は主力の「BPO関連事業」に加えて「CRM関連事業」「製造技術系事業」「一般事務事業」と4つの事業を展開している。このうち、「製造技術系事業」については今後の事業拡大に向けた迅速かつ効率的な経営を進めていくため、2017年3月に会社分割を行い、キャリアリンクファクトリーとして子会社化している。2017年2月期の事業別売上構成比を見るとBPO関連事業が66.1%を占めており、CRM関連事業が15.7%、製造技術系事業が11.5%、一般事務事業が6.7%となっている。各事業の内容については以下のとおり。
1. BPO関連事業
BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業や官公庁などが業務の効率化、コスト削減、あるいはサービスの質の向上などを目的として、特定の業務プロセスを外部の専門業者に委託することを指し、受託する事業者をBPO事業者という。同社はBPO事業者が請け負ったBPO業務への人材派遣、業務効率化等の企画提案を踏まえたインセンティブ契約に基づく人材派遣、官公庁や企業等の業務プロセスの業務請負などを主に行っており、一部最終顧客から直接受注している案件もある。
企業や官公庁等がBPOを導入するメリットは、固定費の流動化(業務繁忙期に合わせた人員は不要)や管理コストの削減が挙げられ、また、窓口業務やコールセンター業務などでは、利用客に対するサービス品質の向上といった効果も期待できる。2006年に施行された「公共サービス改革法」を契機に、官公庁や外郭団体では「市場化テスト」という名のもとに競争入札制度を導入し、民間企業の活用を積極的に進めている。
同社の強みは、1,000人を超える大量動員を要する大型プロジェクトでも、1ヶ月程度の短期間で立ち上げることができる運用ノウハウを持っていることにある。派遣スタッフの採用に関しては、独自の人材マッチングシステム(Webシステムを活用した適正テストの実施やシフト希望確認など)によって、短期間で最適な人材を集めることを可能とし、また、派遣スタッフの労務管理も含めた現場での運用能力、さらには社員の7割近くを現場に常駐させることによって、業務効率向上につながる改善施策を迅速に提案し、実行できることも強みとなっている。
BPO業務の運用に関して、同社では経験豊富なSV(スーパーバイザー)をリーダーとする「チーム派遣」を行っている。事務処理・入力・発送等を中心とした業務に対して、SVをリーダーとする10人程度のチーム編成で日々の業務を処理している。SVをリーダーとして配置することによって、派遣先での業務研修の実施や派遣スタッフの勤務シフトの平準化を実施し、業務の早期立ち上げ及び円滑な運用と生産性向上を可能としている。特に大量の人員が必要とされる大型プロジェクトでは、最適な運用システムと言える。
また、大型プロジェクトでは業務工程ごとに派遣会社が複数社入って業務に当たるケースが多いが、派遣会社が異なると工程間の連携がスムーズに進まず業務効率が改善されないことも多い。同社ではこれら複数工程を一括受注することで、工程間の連携をスムーズにし、業務効率を向上していくことで、同一案件内の取引シェア拡大を図っている。
2. CRM関連事業
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客満足度の向上を目的に、顧客との良好な関係を構築していくための経営手法を指す。同社においては、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務への人材派遣・紹介、企業等のコンタクトセンターへの人材派遣・紹介、テレマーケティング業務の請負などを行っている。
テレマーケティング事業者への人材派遣では、BPO関連事業と同様にチーム派遣を行っている。また、テレマーケティング業務の請負では、顧客から委託されたテレマーケティング業務を自社内に設置したコンタクトセンターで請け負っている。
3. 製造技術系事業
企業の製造拠点等において、組み立て作業や製造・物流に関するすべての業務についての人材派遣、請負業務を行っている。主に西日本を中心に展開しており、顧客は総合家電大手、食品加工、自動車、医療機器業界等が主となっている。
4. 一般事務事業
一般事務職をターゲットとした人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介並びに一般事務の請負を行っている。
なお、CRM関連事業や一般事務事業における人材派遣業務に関しては、テンプホールディングス<2181>やパソナグループ<2168>など大手人材派遣会社の寡占化が進んでおり競争も激しいが、同社では、BPO案件の受注獲得につなげていくためのフック役として、これら事業を位置付けている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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