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システムインテ Research Memo(1):不採算プロジェクトの影響が一巡し、業績は成長路線に復帰

注目トピックス 日本株
■要約

システムインテグレータ<3826>は独立系のソフトウェア開発会社で、データベース開発支援ツールで高シェア・高収益を誇る。また、中堅企業向けを対象としたWeb-ERPパッケージ「GRANDIT」のほか、ECサイト構築パッケージも手掛けている。アプリケーション設計支援ツール「SI Object Browser Designer(以下、OBDZ)」や、オムニチャネル対応の統合管理分析クラウドサービス「SI Omni Channel Services(以下、SOCS)」を次代の主力製品として育成している。

1. 2017年2月期は不採算プロジェクト発生が響いて減収減益に
2017年4月14日付で発表された2017年2月期の業績は、売上高が前期比10.2%減の3,176百万円、経常利益が同50.2%減の222百万円と減収減益決算となった。Object Browser事業やEC・オムニチャネル事業は順調に推移したものの、ERP事業において特定案件で不採算プロジェクト(受注規模で5億円程度)が発生し、受注損失引当金280百万円を計上したことが主因だ。同プロジェクトについては不具合の改修がほぼ完了し、2018年2月期中に大半が納品される見込みとなっている。

2. 2018年2月期はERP事業の回復とOBPMの成長により増収増益に転じる見通し
2018年2月期の業績は、売上高が前期比19.6%増の3,800百万円、経常利益が同103.4%増の453百万円と2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し。ERP事業の売上高が前期比27%増と急回復するほか、統合型プロジェクト管理ツールとして引き合いが旺盛な「SI Object Browser PM(以下、OBPM)」も、機能を絞ったライト版の提供開始等により同17%増と好調が続く見通し。利益面では、人件費や外注費の増加があるものの、前期に計上した受注損失引当金がなくなることや「OBPM」やEC・オムニチャネル事業の増収効果等が増益要因となる。

3. 業界デファクトスタンダードになる製品を開発・育成し、年率2ケタ成長を目指す
同社は中長期の成長戦略として、単一の製品に依存するのではなく、市場の拡大が見込める新製品を開発、収益化していくことで、収益基盤を強固なものとし、成長を目指していく方針だ。開発するソフトウェア製品については、その分野におけるデファクトスタンダードを目指せるものをターゲットとし、サービス形態としてはクラウドサービスで提供することを基本方針としている。クラウドサービスとすることで収益の安定性を高めながら、成長を目指していくことになる。現在は次代の収益柱として「OBDZ」や「SOCS」等を育成中で、既存の「OBPM」や「GRANDIT」の成長にこれら新製品が加わることで、年率2ケタ成長を目指していくことになる。

4. 株主還元は配当性向30%を目途に実施
株主還元としては基準配当性向を30%に設定し、収益と連動した配当を実施している。2018年2月期は業績の回復を見込んでおり、前期比8.0円増配の16.0円(配当性向31.3%)を予定している。また、株主優待として同社株式を6ヶ月超の期間にわたって継続保有する株主を対象に、「新潟産コシヒカリ」を贈呈している。

■Key Points
・独立系のソフトウェア開発会社で、開発支援ツールで高シェア
・2018年2月期の業績は受注損失引当金がなくなりV字型回復へ
・業界デファクトスタンダードとなる新製品を育成し、年率2ケタ成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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