三栄コポ Research Memo(1):2017年3月期は過去最高益を更新(経常利益ベース)
[17/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
三栄コーポレーション<8119>は、70年の歴史を持つ老舗商社である。現在では、生活関連用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手がけ、海外には20ヶ所の海外拠点、国内直営小売店84店舗を持つ多機能な商社に成長した。欧州の差別化されたブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表されるこだわりある商品のOEM調達など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。家具・家庭用品事業(売上げの55.1%)、服飾雑貨事業(売上げの27.3%)、家電事業(売上げの12.2%)の3事業が柱である。
1. 事業内容
近年の同社の成長は、家具・家庭用品事業がけん引している。特にOEM事業の比率が高く、良品計画に代表される大手顧客の事業の伸びにも支えられて成長してきた。2017年3月期欧州顧客の大口のスポット受注の獲得、省エネ関連商材の取引高の伸長、家具直販ECの伸長が成長要因となった。
服飾雑貨事業ではブランド事業の存在感が高い。2017年3月期には減収減益となったが、本来収益性の高いセグメントである。同社最大のブランドであるビルケンシュトックはドイツで240年以上の伝統がある機能美に優れたサンダル・コンフォートシューズブランドであり、1万円前後の価格帯にもかかわらず熱いファン層に支持されている。2017年3月期は店舗増とEC好調により小売り部門は増収だったが、卸売事業の契約解消による減少分をカバーできず全体として減収となった。
2. 業績動向
2017年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比0.7%増の49,785百万円、営業利益が同14.6%増の2,704百万円、経常利益が同0.5%増の2,436百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.5%減の1,428百万円となり、前年に引き続き売上高は50,000百万円に肉薄し、営業利益及び経常利益で過去最高を達成した。好業績の要因としては、家具・家庭用品事業において欧州顧客からの大口受注、円高の進行、継続的なコストダウン努力などが挙げられる。
2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比0.4%増の50,000百万円、営業利益が同22.4%減の2,100百万円、経常利益が同13.8%減の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.0%減の1300百万円と増収減益を予想する。売上高では過去2年間惜しくも逃してきた500億円の突破に再挑戦。利益に関しては、海外子会社の減収の影響で減益を予想するが、経常利益2,100百万円は、昨年、一昨年に次いで歴代3位の高水準である。
3. 成長戦略
同社は、2018年3月期を初年度とする3ヶ年の数値目標を開示し、「20億円以上の安定的な経常利益」を目標に掲げた。最終年度の2020年3月期に経常利益で2,600百万円を目指す。重点項目は、1)新たなチャレンジ、2)ローコストオペレーションの徹底、3)グループシナジーの更なる創出、4)人事戦略の推進(適材適所の人事システム作り)、5)攻めのガバナンス(業務基盤システム高度化)、である。安定して20億円以上の利益を上げるためには、筋肉質な体制構築が不可欠であるとの判断で、システム刷新や制度作りに思い切った投資を行う。
■Key Points
・家具・家庭用品事業ではOEMが伸長、服飾雑貨事業ではブランドが存在感
・2017年3月期は売上高500億円に肉薄、過去最高益を更新(経常利益ベース)
・3ヶ年中期経営計画を公開、「20億円以上の安定的な経常利益」を目標に掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<NB>
三栄コーポレーション<8119>は、70年の歴史を持つ老舗商社である。現在では、生活関連用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手がけ、海外には20ヶ所の海外拠点、国内直営小売店84店舗を持つ多機能な商社に成長した。欧州の差別化されたブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表されるこだわりある商品のOEM調達など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。家具・家庭用品事業(売上げの55.1%)、服飾雑貨事業(売上げの27.3%)、家電事業(売上げの12.2%)の3事業が柱である。
1. 事業内容
近年の同社の成長は、家具・家庭用品事業がけん引している。特にOEM事業の比率が高く、良品計画に代表される大手顧客の事業の伸びにも支えられて成長してきた。2017年3月期欧州顧客の大口のスポット受注の獲得、省エネ関連商材の取引高の伸長、家具直販ECの伸長が成長要因となった。
服飾雑貨事業ではブランド事業の存在感が高い。2017年3月期には減収減益となったが、本来収益性の高いセグメントである。同社最大のブランドであるビルケンシュトックはドイツで240年以上の伝統がある機能美に優れたサンダル・コンフォートシューズブランドであり、1万円前後の価格帯にもかかわらず熱いファン層に支持されている。2017年3月期は店舗増とEC好調により小売り部門は増収だったが、卸売事業の契約解消による減少分をカバーできず全体として減収となった。
2. 業績動向
2017年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比0.7%増の49,785百万円、営業利益が同14.6%増の2,704百万円、経常利益が同0.5%増の2,436百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.5%減の1,428百万円となり、前年に引き続き売上高は50,000百万円に肉薄し、営業利益及び経常利益で過去最高を達成した。好業績の要因としては、家具・家庭用品事業において欧州顧客からの大口受注、円高の進行、継続的なコストダウン努力などが挙げられる。
2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比0.4%増の50,000百万円、営業利益が同22.4%減の2,100百万円、経常利益が同13.8%減の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.0%減の1300百万円と増収減益を予想する。売上高では過去2年間惜しくも逃してきた500億円の突破に再挑戦。利益に関しては、海外子会社の減収の影響で減益を予想するが、経常利益2,100百万円は、昨年、一昨年に次いで歴代3位の高水準である。
3. 成長戦略
同社は、2018年3月期を初年度とする3ヶ年の数値目標を開示し、「20億円以上の安定的な経常利益」を目標に掲げた。最終年度の2020年3月期に経常利益で2,600百万円を目指す。重点項目は、1)新たなチャレンジ、2)ローコストオペレーションの徹底、3)グループシナジーの更なる創出、4)人事戦略の推進(適材適所の人事システム作り)、5)攻めのガバナンス(業務基盤システム高度化)、である。安定して20億円以上の利益を上げるためには、筋肉質な体制構築が不可欠であるとの判断で、システム刷新や制度作りに思い切った投資を行う。
■Key Points
・家具・家庭用品事業ではOEMが伸長、服飾雑貨事業ではブランドが存在感
・2017年3月期は売上高500億円に肉薄、過去最高益を更新(経常利益ベース)
・3ヶ年中期経営計画を公開、「20億円以上の安定的な経常利益」を目標に掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<NB>