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ランドコンピュータ Research Memo(1):内部体制整備後にクラウドコンピューティングで再飛躍を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

ランドコンピュータ<3924>は、今年創業46年を迎えた独立系の中堅システムインテグレータである。

1. マイナス金利政策が金融機関のシステム投資の延伸を誘発
早くからメーカー系SIerと銀行系のシステム開発に従事している。売上高の7割強を占めるシステムインテグレーション・サービスのうち約4割が金融業界の案件となる。2017年3月期は、マイナス金利が金融機関のシステム投資の延伸を誘発したことから、同業種向け売上高が前期比18.0%落ち込み、総売上高が2.8%減少する主因となった。

2. 利益改善重点項目
2017年3月期は、パッケージベースSI・サービスの売上高が前期比55.4%の急成長を遂げた。急成長の原動力は、米salesforce.comのクラウドコンピューティング・サービスの導入支援業務である。salesforce.comとは、2010年にビジネスを開始し、2016年11月に販売パートナー契約を締結した。ただし、2017年3月期は下期に急成長のとがめが出て、不採算プロジェクトが発生した。経常利益は前期比152百万円減少(前期比29.1%減)したが、減益要因の239百万円の半分を当期発生の大口赤字プロジェクトと受注損失引当金の増加が占めた。従来の2〜3ヶ月でカットオーバーできる案件と異なり、1,000万円以上の大口プロジェクトでは見積精度が問われ、前提条件に変化が出た場合の迅速な再見積もりや上流設計工程での設計品質の確実な作り込み、プロジェクト計画の策定、プロジェクト定期監視の実施などが求められる。

2018年3月期の利益改善重点項目として前述の施策を挙げている。現中長期の成長戦略で掲げていた施策だが、今期は不採算プロジェクトの撲滅とプロジェクトマネジャー体制の強化と早期育成を図る。そのため、業界大手から上級プロジェクトマネジャーを採用し、プロジェクト管理の厳格化を図っている。今第2四半期は内部体制の整備に専念するため、前年同期比2.0%の増収に対し、経常利益は同5.4%減の予想となった。

3. 中長期の成長戦略「Attack100」
中長期の成長戦略「Attack100」で、2021年3月期に売上高100億円、売上高営業利益率10%を数値目標としている。システムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスの既存・安定成長サービスラインの事業戦略は、得意分野の更なる強化とする。創業以来培ってきたミッションクリティカルな金融機関の業務システム及びネットワーク関連のインフラソリューション・サービスに商機を見出す。高成長サービスラインの事業戦略は、クラウドコンピューティング・サービスの高伸長になる。salesforce.comは、この3年間の年率成長率が27.3%の高成長を達成している。salesforce.comの営業支援システムでは、日本でもトップシェアを持つ。同社は、内部体制の整備後にクラウドコンピューティング・サービスで再飛躍を図る。2017年6月に、Salesforce上で動作する自社開発の販売管理支援アプリケーション「necote」を発表した。また、成長に必要な人材確保では、自社社員の増員にとどまらず、パートナー企業と戦略的関係を構築する。

■Key Points
・2017年3月期のパッケージベースSI・サービスは55.4%の増収
・2018年3月期は、不採算プロジェクトの撲滅に取り組む
・2021年3月期に売上高100億円、営業利益率10%を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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