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ソフト99 Research Memo(3):2017年3月期はすべての事業セグメントで増益に

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2017年3月期の業績概要
ソフト99コーポレーション<4464>の2017年3月期の連結業績は売上高が前期比1.4%増の22,369百万円、営業利益が同7.5%増の2,419百万円、経常利益が同6.5%増の2,597百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.9%増の1,790百万円と2期連続の増収増益決算となり、期初会社計画との比較でもすべての利益項目で計画を上回って着地し、上場来の最高益を更新した。売上高は主力のファインケミカル事業やポーラスマテリアル事業で増収となり、営業利益はプロダクトミックスの変化や収益改善に取り組んだこと等により、すべての事業セグメントで増益となった。当期純利益の伸びが小幅にとどまったが、これは特別損失として厚生年金基金解散損失引当金176百万円等を計上したことによる。

2. 事業セグメント別動向
(1) ファインケミカル事業
ファインケミカル事業の業績は、売上高が前期比1.1%増の10,806百万円、営業利益が同6.6%増の1,305百万円と2期連続で増収増益となった。会社計画(売上高11,000百万円、営業利益1,200百万円)に対しては、一般消費者用製品の需要低迷により、売上高は若干下回ったもののプロダクトミックスの改善効果により営業利益は上回った。

売上高の内訳を見ると、国内の一般消費者向け販売については得意先のカー用品店やホームセンターの来店客数が減少傾向となるなかで前期比0.1%減にとどまった。カテゴリー別で見ると、ボディケア製品はボディーコーティング剤の販売が振るわず前期比4.0%減と低調に推移し、リペア製品も補修ペイントの販売減に伴い同1.2%減となった。一方で、ガラスケア製品は「ガラコシリーズ」の発売25周年キャンペーンを実施したことや冬季用ワイパーの販売が伸びたこと等により同2.9%増と増収基調が続いた。

業務用製品は前期比8.7%増と好調に推移した。新車並びに中古車販売台数が堅調に推移するなかで、自動車ディーラー向けのOEM製品が順調に拡大したほか、新たに大手中古車ディーラー向けにコーティング剤の導入を開始したこと等が増収要因となった。また、家庭用製品については、主力のメガネ用くもり止め製品が、風邪・花粉対策の売場においてマスク関連購買品としての導入が定着し、ドラッグストアでの販売が伸びたことにより前期比1.9%増となった。

海外市場向けは同10.8%増と2期ぶりに増収に転じた。地域別では、中国が現地子会社製造品の不振により唯一、減収となったものの、前期に落ち込んでいたロシアや東南アジア向けが回復したほか、韓国や台湾、欧州向けなどの売上げも増加した。

TPMS事業の売上高については前期比32.5%減と減少した。トラック運送業者の新規開拓は着実に進んだものの、前期の売上げに寄与した大手自動車部品メーカーからの大口受注が当期はなくなった反動で減収となった。

営業利益率は前期の11.5%から12.1%に上昇したが、これはプロダクトミックスの改善効果が大きい。利益率の高い業務用製品が伸びたことに加え、海外向けもロシア向けに付加価値の高い自社製品の売上げが伸びたことが改善要因となった。

(2) ポーラスマテリアル事業
ポーラスマテリアル事業の業績は、売上高が前期比5.5%増の5,178百万円、営業利益が同7.5%増の698百万円となった。会社計画(売上高5,000百万円、営業利益630百万円)に対していずれも上回る格好となった。

売上高の内訳を見ると、産業用資材部門は前期比3.4%増の3,668百万円、生活資材部門は同10.7%増の1,510百万円となった。産業用資材部門では国内の大手半導体及び半導体製造装置メーカー向けに洗浄用部材が好調に推移したほか、海外向けでは米国及び韓国の大手半導体メーカー向け洗浄用部材やハードディスク向け研磨用部材が増収となった。ただ、半導体向け洗浄用部材については耐久性が伸びたこともあり、業界全体の成長率と比べると伸びは緩やかとなっている。

一方、生活資材部門では国内市場向けに洗車用拭き取り材の販売が好調に推移したほか、家庭用清掃用品の販売も好調に推移した。洗車用についてはファインケミカル事業部門の販売ネットワークを活用し、共同営業によってカー用品店等の取扱店舗を拡大したことが増収に大きく寄与している。また、新規用途として注力している医療分野向けの売上高については、インフルエンザ検査キット用品向けを中心に順調に拡大している。一方、海外向けについても米国や欧州向けを中心に増収となった。

営業利益率は前期の13.2%から13.5%と0.3ポイントの上昇となった。生活資材の国内販売増に伴い販管費率が前期比で0.4ポイント上昇したものの、工場の稼働率上昇に伴う数量増効果で吸収した。

(3) サービス事業
サービス事業の業績は、売上高が前期比0.8%減の4,942百万円、営業利益が同40.3%増の144百万円となった。

事業別の売上動向を見ると、自動車整備・鈑金事業は、損害保険を利用した車両修理需要が低迷するなかで、新規取引を開始した自動車ディーラーからの入庫が増加したほか、コーティングやプロテクションフィルムの施工サービスが好調に推移したことで前期比1.2%増となった。また、自動車教習所事業は、普通車・中型車両教習の入所者が増加したほか、企業向け安全運転講習の増加により前期比1.4%増となった。

一方、生活用品企画販売事業は、インターネット販売が好調だったものの、主力の生協向け販売において新たな人気商材の発掘・提案が進まなかったことが響いて前期比4.7%減となった。

営業利益率は前期の2.1%から2.9%に上昇した。売上高は減収となったものの自動車整備・鈑金事業において収益改善が進んだことが利益率の上昇要因となった。

(4) 不動産関連事業
不動産関連事業の業績は、売上高が前期比1.8%減の1,441百万円、営業利益が同0.5%増の261百万円となった。

このうち、温浴事業については前期比4.1%減の1,030百万円と2期連続で減収となった。客単価は前期並みとなったものの、2015年9月末に発生した一部店舗の設備故障が続いており、来店客数が減少したことが減収要因となった。当該設備故障については現在も続いており復旧の時期も未定だが、設備故障の原因は特定されており他の施設に波及するリスクはない。

不動産賃貸事業については、東大阪にある物流倉庫の建替えに伴い、一時的にテナント賃料収入が減少したことで前期比1.6%減の364百万円となった。また、介護予防支援事業については、地域の支援センターを通した営業活動を行ったことで利用者数が拡大し、前期比98.4%増の47百万円となった。

営業利益率は温浴事業や不動産賃貸事業が減収となったものの、介護予防支援事業の収益改善が進んだことにより、前期の17.7%から18.2%と0.5ポイント上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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