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プロパスト Research Memo(2):都心のDINKSなどをターゲットに不動産事業を展開

注目トピックス 日本株
■会社概要

1. 会社概要
プロパスト<3236>は総合不動産ディベロッパーで、社名はproperty(資産)とtrust(信託)の組み合わせに由来する。分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3本柱と、不動産業務受託事業と賃貸事業から成るその他の計4つのセグメントを持つ。

同社は都心のアクセスの良い立地に特化し、DINKS(double income, no kidsの略、子供をつくらない共稼ぎの夫婦のこと)など小規模家族をターゲットにした物件を取り扱い、物件ごとに異なるコンセプトと高いデザイン性が特徴である。コンセプト重視のため、分譲物件はシリーズ化せず、物件名は個々により異なる。また、同社では物件を「作品」と呼んでいる。

最近の「作品」には、バンデルーチェ北斎通り(東京都墨田区亀沢、2017年6月竣工、28戸+店舗)、ヴァントヌーベル代々木(東京都渋谷区千駄ヶ谷、2017年3月竣工、47戸+店舗)、ベグレッタ トーレ(東京都葛飾区新小岩、2016年3月竣工、37戸)などがある。また、これまでの代表的な作品には、ガレリアサーラ(千葉県市川市本八幡、2009年5月竣工、250戸)、ガレリアグランデ(東京都江東区有明、2006年2月竣工、413戸)、オリゾンマーレ(東京都江東区有明、2004年12月竣工、396戸)、ラ・プラースウエスト(東京都品川区西五反田、2004年10月竣工、120戸)、ラ・マーレ白金(東京都港区白金、2004年1月竣工、67戸)、コンバートメント東京中央(東京都中央区八丁堀、2002年3月竣工、208戸)、ラ・セーナ南青山(東京都港区南青山、2001年11月竣工、33戸)、レゾンデパン大磯(神奈川県中郡大磯町、2001年2月竣工、48戸)などがある。

2017年5月期のセグメント別売上高・営業利益(調整額除く)構成比は、分譲開発事業が売上高38.7%、営業利益45.3%、バリューアップ事業が売上高52.6%、営業利益39.2%、賃貸開発事業が売上高8.2%、営業利益14.8%、その他が売上高0.5%、営業利益0.7%だった。特に、賃貸開発事業は近年開始した事業でありながら、同社の収益の柱の1つに成長している。

2. 沿革
1987年12月に個人向け不動産の管理を目的として、株式会社フォレスト・アイとして設立。1991年1月に現社名株式会社プロパストに商号を変更した。1991年4月に不動産の仲介・コンサルティング・不動産鑑定等を開始。1994年3月には、東京都日野市に初の新築戸建住宅を開発・分譲し、不動産開発事業に参入した。翌1995年6月には、東京都中野区に初の新築マンションを開発、1996年2月にはオフィスビル賃貸を開始した。2005年6月には、現在のバリューアップ事業の礎となる土地再開発、収益不動産再生を目的として資産活性化事業に参入。しかしながら、リーマンショック後の不動産市況の悪化に伴い業績が悪化、2010年5月には上場を維持しながらも、民事再生法適用を申請した。

2011年2月に再生手続き終結決定。その後は、経営資源を不動産販売事業に集中投下するほか、賃貸開発マンションの「コンポジット」と「グランジット」シリーズの販売を開始し、収益力強化に取り組んでおり、増収増益決算を続けている。本来の姿を取り戻すにはまだ少し時間がかかるだろうが、収益力強化については、2017年5月期の売上高営業利益率7.8%、自己資本比率の低さもあるがROE 26.1%、ROA(総資産経常利益率)6.1%、復配など十分に成果を挙げていると言える。なお、同社は2017年12月に設立30周年を迎える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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