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サイネックス Research Memo(5):M&A子会社の収益貢献と主力事業の順調な伸長により、17/3期は増収増益

注目トピックス 日本株
■業績の動向

1. 2017年3月期決算
サイネックス<2376>の2017年3月期決算は、売上高13,292百万円(前期比11.6%増)、営業利益806百万円(同22.8%増)、経常利益853百万円(同32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益559百万円(同40.5%増)と増収増益で着地した。期初予想に対しても、売上高、利益ともに上回り、極めて順調な決算となった。

出版事業は売上高7,880百万円(前期比6.2%増)、営業利益1,440百万円(同10.2%増)と増収増益で着地した。2017年3月期も『わが街事典』発行自治体数は新規・再版合計で183自治体となり、前期の171自治体から増加した。上半期の発行自治体数は87自治体でややスローな出だしとなったが下半期に入り順調な発行ができた。電話帳の『テレパル50』も計画どおりの進捗だったとみられる。また、同社は2016年10月3日付で(株)サンマークを子会社化した。2017年3月期下半期の業績にサンマークの貢献が加わり、出版事業の収益拡大に大きく貢献した

WEB・ソリューション事業は売上高2,968百万円(前期比6.7%減)、営業利益42百万円(同185.6%増)と減収ながら増益となった。『わが街ふるさと納税』やECの『わが街とくさんネット』等の同社がイニシアチブを取る中核事業は好調に推移した。一方でインターネット広告代理店業務の一部を見直して人的資源の効率的配置を行った影響で売上高は減収となった。利益面では収益性の高い中核事業が順調に拡大したことで増益となった。

ロジスティクス事業は売上高2,443百万円(前期比86.5%増)、営業利益143百万円(同50.3%増)と、大幅増収増益となった。ロジスティクス事業は2015年10月に(株)エルネットを子会社化してスタートした事業だ。2016年3月期は半年分の連結だったのに対して2017年3月期はフル連結となったことで増収増益率が大きくなっている。DM発送の需要は、インターネット全盛にあってもなお根強く、エルネットの業容は順調に拡大したもようだ。

2. 2018年3月期第1四半期決算
同社の2018年3月期第1四半期決算は、売上高2,950百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益31百万円(同50.7%減)、経常利益49百万円(同78.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益31百万円(同290.4%増)であった。

出版事業は売上高1,886百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益240百万円(同0.0%増)と増収で着地した。官民協働による行政情報誌『わが街事典』は、愛媛県西予市や山形県上山市などで新たに発行するとともに、和歌山市や茨城県つくば市などで再版を発行し、37の地方自治体と共同発行し、累計の発行自治体数は724となった。

WEB・ソリューション事業は売上高577百万円(前年同期比9.0%減)、営業損失10百万円(前年同期は33百万円の損失)と減収ながら営業損失は縮小した。ふるさと納税制度の一括業務代行に関する協定を愛知県常滑市などと締結し、累計の協定締結自治体数は95となった。また、『わが街とくさんネット』等のeコマースによる販売も拡大に努めた。

ロジスティクス事業は売上高482百万円(前年同期比14.0%減)、営業利益9百万円(同76.7%減)であった。郵便発送代行事業は代理店を中心に積極的な受注活動に取り組み、ポスティング事業も新規顧客の開拓に努めたものの、減収減益となった。

不動産事業は売上高3百万円、営業利益1百万円であった。収益は連結子会社サンマークの不動産賃貸によるものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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