シノケンG Research Memo(1):独自のビジネス戦略によりアパート販売は好調を持続
[17/09/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
シノケングループ<8909>は、アパートやマンション等の不動産販売事業やゼネコン事業等のフロービジネスを拡大していきながら、付随する賃貸管理や家賃等の債務保証、LPガス・電力の小売販売といったストックビジネスを積み上げていくビジネスモデルを展開している。アパート物件の立地場所は、都市部の中でも人気エリアで駅から徒歩10分圏内とし、単身者やDINKS用のアパートとしているため、入居率も2017年6月末時点で98%台と高水準を維持していることが特徴となっている。
1. アパート販売の好調持続で2017年12月期第2四半期累計業績も2ケタ増収増益
2017年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比35.5%増の49,386百万円、営業利益が同24.3%増の6,430百万円といずれも半期ベースで過去最高を更新した。主力のアパート販売が同61.4%増と大きく伸長したほか、ストック型ビジネスである賃貸管理や家賃等の債務保証などの不動産管理関連事業やエネルギー事業なども契約件数の増加により2ケタ増収増益と好調に推移したことが主因だ。なお、アパート販売の受注高は前年同期比7.3%増の33,380百万円、受注残高は同31.8%増の57,349百万円と依然、右肩上がりに増加しており、現在は2018年に向けての受注活動、土地の仕込みを行っている。
2. 2017年12月期も過去最高業績の更新が続く
2017年12月期の連結業績は、売上高が前期比29.2%増の105,000百万円、営業利益が同10.7%増の11,700百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上高が47.0%、営業利益が54.9%、経常利益が54.7%で推移している。下期もアパート販売の豊富な受注残を背景に、業績は順調に推移する見通しで、利益ベースでは計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。なお、日銀が発表した2017年4月-6月の個人による貸家業向け新規融資が前年同期比14.5%減と2四半期連続でマイナスとなり、不動産投資に対する過熱感がやや沈静化してきたことがうかがえる。ただ、同社においてはアパートの対象物件を需要が見込める人気エリア等に絞っていることもあり、受注は引き続き堅調に推移しているもようだ。
3. 海外事業や「リノベ×民泊」事業など新規事業の育成により、更なる成長を目指す
同社は中期3ヶ年計画の経営数値目標として、2019年12月期に連結売上高125,000百万円、営業利益13,000百万円を掲げている。東京エリアでのアパート販売棟数の拡大とストックビジネスの積み上げにより、同目標値はほぼ射程圏内に入っていると見られる。2020年以降については現在、取り組み始めている新規事業を育成していくことで、更なる成長を目指していくことになる。具体的には、インドネシアでの不動産開発事業や、ブロックチェーン技術を活用した「リノベ×民泊」事業等に注力していく。インドネシアでは単身者向けアパート「桜テラス」の第1号案件を2018年夏に竣工予定で、2020年度までに100億円程度の事業規模へ拡大していく。また、「リノベ×民泊」事業に関しては、まずは自社所有ビルの空室をリノベーションして民泊用物件として提供していくことにしている。ブロックチェーン技術を活用し、スマートキーや入退室手続等のオンライン化を実現し、利便性の向上を図ることで差別化を図っていく戦略だ。ブロックチェーンを活用したシステムは2018年春の完成を予定している。これら事業が収益貢献し始めれば、同社の業績も一段と成長していくことが予想される。
Key Points
・不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中
・アパート販売とストックビジネスの好調持続により、通期業績は会社計画を上回る可能性
・インドネシアで不動産開発事業、国内でブロックチェーンを活用した「リノベ×民泊」事業を新たに展開
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
シノケングループ<8909>は、アパートやマンション等の不動産販売事業やゼネコン事業等のフロービジネスを拡大していきながら、付随する賃貸管理や家賃等の債務保証、LPガス・電力の小売販売といったストックビジネスを積み上げていくビジネスモデルを展開している。アパート物件の立地場所は、都市部の中でも人気エリアで駅から徒歩10分圏内とし、単身者やDINKS用のアパートとしているため、入居率も2017年6月末時点で98%台と高水準を維持していることが特徴となっている。
1. アパート販売の好調持続で2017年12月期第2四半期累計業績も2ケタ増収増益
2017年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比35.5%増の49,386百万円、営業利益が同24.3%増の6,430百万円といずれも半期ベースで過去最高を更新した。主力のアパート販売が同61.4%増と大きく伸長したほか、ストック型ビジネスである賃貸管理や家賃等の債務保証などの不動産管理関連事業やエネルギー事業なども契約件数の増加により2ケタ増収増益と好調に推移したことが主因だ。なお、アパート販売の受注高は前年同期比7.3%増の33,380百万円、受注残高は同31.8%増の57,349百万円と依然、右肩上がりに増加しており、現在は2018年に向けての受注活動、土地の仕込みを行っている。
2. 2017年12月期も過去最高業績の更新が続く
2017年12月期の連結業績は、売上高が前期比29.2%増の105,000百万円、営業利益が同10.7%増の11,700百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上高が47.0%、営業利益が54.9%、経常利益が54.7%で推移している。下期もアパート販売の豊富な受注残を背景に、業績は順調に推移する見通しで、利益ベースでは計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。なお、日銀が発表した2017年4月-6月の個人による貸家業向け新規融資が前年同期比14.5%減と2四半期連続でマイナスとなり、不動産投資に対する過熱感がやや沈静化してきたことがうかがえる。ただ、同社においてはアパートの対象物件を需要が見込める人気エリア等に絞っていることもあり、受注は引き続き堅調に推移しているもようだ。
3. 海外事業や「リノベ×民泊」事業など新規事業の育成により、更なる成長を目指す
同社は中期3ヶ年計画の経営数値目標として、2019年12月期に連結売上高125,000百万円、営業利益13,000百万円を掲げている。東京エリアでのアパート販売棟数の拡大とストックビジネスの積み上げにより、同目標値はほぼ射程圏内に入っていると見られる。2020年以降については現在、取り組み始めている新規事業を育成していくことで、更なる成長を目指していくことになる。具体的には、インドネシアでの不動産開発事業や、ブロックチェーン技術を活用した「リノベ×民泊」事業等に注力していく。インドネシアでは単身者向けアパート「桜テラス」の第1号案件を2018年夏に竣工予定で、2020年度までに100億円程度の事業規模へ拡大していく。また、「リノベ×民泊」事業に関しては、まずは自社所有ビルの空室をリノベーションして民泊用物件として提供していくことにしている。ブロックチェーン技術を活用し、スマートキーや入退室手続等のオンライン化を実現し、利便性の向上を図ることで差別化を図っていく戦略だ。ブロックチェーンを活用したシステムは2018年春の完成を予定している。これら事業が収益貢献し始めれば、同社の業績も一段と成長していくことが予想される。
Key Points
・不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中
・アパート販売とストックビジネスの好調持続により、通期業績は会社計画を上回る可能性
・インドネシアで不動産開発事業、国内でブロックチェーンを活用した「リノベ×民泊」事業を新たに展開
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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