タカショー Research Memo(6):プロユース向けや海外子会社が順調に拡大
[17/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
2. 2018年1月期上期決算の概要
タカショー<7590>の2018年1月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比0.7%増の9,396百万円、営業利益が同9.1%増の525百万円、経常利益が同517.1%増の478百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が284百万円(前年同期は15百万円の利益)と微増収ながら大幅増益を実現した。期初計画に対しても、売上高が若干未達となったものの、利益面では大きく超過する結果となっており、好調に推移したと言える。
売上高は、注力するプロユース事業(エバーアートウッド®関連商品やローボルト®ライトなど)が順調に伸びたことに加えて、国際事業(ベジトラグアイテムの米国展開など)が大きく拡大した。ただ、微増収にとどまったのは、ホームユース事業が不採算商品の整理や季節商品販売の伸び悩み(冷夏の影響など)等により落ち込んだことが理由である。
一方、利益面では、自社製品比率を高めたことや生産性向上により原価率が大きく改善した。また、販管費が営業人員の増強などにより拡大したものの、売上総利益の増加分で吸収し、計画を上回る大幅な営業増益を実現した。営業利益率も5.6%(前年同期は5.2%)に改善している。また、経常利益の増益幅がとりわけ大きいのは、為替差損の縮小※によるものである。
※円高により発生する為替差損は、海外子会社向け貸付金の回収などの効果もあり35百万円(前年同期は405百万円)に大きく縮小している。
財務面では、総資産が受取手形及び売掛金の増加などにより前期末比4.7%増の18,287百万円に拡大した一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同2.9%増の7,452百万円に増加したことから、自己資本比率は40.8%(前期末は41.4%)とほぼ横ばいで推移した。また、有利子負債残高は長短併せて前期末比8.5%減の5,085百万円と順調に返済が進んでいる。
事業別(連結)の業績は以下のとおりである。
(1) プロユース事業
売上高は、前年同期比3.0%増の5,477百万円であった。特に、主力の「エバーアートウッド®(アルミ製人工木)」関連商品が着実に伸びた(前年同期比3.0%増)ほか、「エバーアートボード®(天然素材を再現したアルミ複合板)」もコントラクト市場への販路拡大等により大きく拡大した(同21.0%増)。また、同社独自の「ローボルト®ライト」も好調に推移している(同15.0%増)。また、これらの伸びの中には、足元で拡大してきた海外向け(オーストラリアや韓国など)も含まれている。ただ、部門全体の増収率が緩やかな水準にとどまったのは、市場が縮小している「人工強化竹垣」や100Vライトなどが落ち込んだことによる。
(2) ホームユース事業
売上高は、前年同期比7.2%減の3,039百万円と縮小傾向が続いている。粗利の低い商品の整理を行ったことに加えて、ホームセンター向けの季節商品販売が冷夏の影響等により伸び悩んだ。ただ、前者については、低迷が続いているホームユース向けのテコ入れの一環であり、戦略的な動きを反映したものと言え、その結果として、大幅な売上総利益率の改善を実現することができた。
(3) 国際事業
売上高は、前年同期比26.7%増の911百万円と大きく拡大した。その結果、海外販売比率は9.7%(前年同期は7.7%)に上昇した。グローバルスタンダードアイテム(海外販売商品の定番化)を進めるなかで、ベジトラグUSA(米国)が156百万円(前年同期は44百万円)と想定を上回るペースで伸びている。大手ホームセンター(ホームデポやローズ等)のほか、TV通販(QVC等)など新たなチャネル展開も奏功した。本場のベジトラグUK(英国)も新たに開始したネット販売を含めて295百万円(前年同期は195百万円)と順調に拡大しており、UKスタイルとしてグローバル展開を目指している「ベジトラグアイテム」は好調に推移していると言える。商品の供給元を中国製造子会社に集約し原価コスト削減、生産性の向上を図ったことも業績の伸びや損益改善に貢献した。一方、タカショーヨーロッパについては、前期からの不採算先の整理等の影響により、損益面では改善しているものの、売上高は若干縮小した。
(4) その他
前期において「ガーデニング雑誌」の製作・販売から撤退したことに伴って、返本処理の発生により売上高のマイナス計上(32百万円)となった。その結果、52百万円の減収要因となっているが、一過性の特殊要因である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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2. 2018年1月期上期決算の概要
タカショー<7590>の2018年1月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比0.7%増の9,396百万円、営業利益が同9.1%増の525百万円、経常利益が同517.1%増の478百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が284百万円(前年同期は15百万円の利益)と微増収ながら大幅増益を実現した。期初計画に対しても、売上高が若干未達となったものの、利益面では大きく超過する結果となっており、好調に推移したと言える。
売上高は、注力するプロユース事業(エバーアートウッド®関連商品やローボルト®ライトなど)が順調に伸びたことに加えて、国際事業(ベジトラグアイテムの米国展開など)が大きく拡大した。ただ、微増収にとどまったのは、ホームユース事業が不採算商品の整理や季節商品販売の伸び悩み(冷夏の影響など)等により落ち込んだことが理由である。
一方、利益面では、自社製品比率を高めたことや生産性向上により原価率が大きく改善した。また、販管費が営業人員の増強などにより拡大したものの、売上総利益の増加分で吸収し、計画を上回る大幅な営業増益を実現した。営業利益率も5.6%(前年同期は5.2%)に改善している。また、経常利益の増益幅がとりわけ大きいのは、為替差損の縮小※によるものである。
※円高により発生する為替差損は、海外子会社向け貸付金の回収などの効果もあり35百万円(前年同期は405百万円)に大きく縮小している。
財務面では、総資産が受取手形及び売掛金の増加などにより前期末比4.7%増の18,287百万円に拡大した一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同2.9%増の7,452百万円に増加したことから、自己資本比率は40.8%(前期末は41.4%)とほぼ横ばいで推移した。また、有利子負債残高は長短併せて前期末比8.5%減の5,085百万円と順調に返済が進んでいる。
事業別(連結)の業績は以下のとおりである。
(1) プロユース事業
売上高は、前年同期比3.0%増の5,477百万円であった。特に、主力の「エバーアートウッド®(アルミ製人工木)」関連商品が着実に伸びた(前年同期比3.0%増)ほか、「エバーアートボード®(天然素材を再現したアルミ複合板)」もコントラクト市場への販路拡大等により大きく拡大した(同21.0%増)。また、同社独自の「ローボルト®ライト」も好調に推移している(同15.0%増)。また、これらの伸びの中には、足元で拡大してきた海外向け(オーストラリアや韓国など)も含まれている。ただ、部門全体の増収率が緩やかな水準にとどまったのは、市場が縮小している「人工強化竹垣」や100Vライトなどが落ち込んだことによる。
(2) ホームユース事業
売上高は、前年同期比7.2%減の3,039百万円と縮小傾向が続いている。粗利の低い商品の整理を行ったことに加えて、ホームセンター向けの季節商品販売が冷夏の影響等により伸び悩んだ。ただ、前者については、低迷が続いているホームユース向けのテコ入れの一環であり、戦略的な動きを反映したものと言え、その結果として、大幅な売上総利益率の改善を実現することができた。
(3) 国際事業
売上高は、前年同期比26.7%増の911百万円と大きく拡大した。その結果、海外販売比率は9.7%(前年同期は7.7%)に上昇した。グローバルスタンダードアイテム(海外販売商品の定番化)を進めるなかで、ベジトラグUSA(米国)が156百万円(前年同期は44百万円)と想定を上回るペースで伸びている。大手ホームセンター(ホームデポやローズ等)のほか、TV通販(QVC等)など新たなチャネル展開も奏功した。本場のベジトラグUK(英国)も新たに開始したネット販売を含めて295百万円(前年同期は195百万円)と順調に拡大しており、UKスタイルとしてグローバル展開を目指している「ベジトラグアイテム」は好調に推移していると言える。商品の供給元を中国製造子会社に集約し原価コスト削減、生産性の向上を図ったことも業績の伸びや損益改善に貢献した。一方、タカショーヨーロッパについては、前期からの不採算先の整理等の影響により、損益面では改善しているものの、売上高は若干縮小した。
(4) その他
前期において「ガーデニング雑誌」の製作・販売から撤退したことに伴って、返本処理の発生により売上高のマイナス計上(32百万円)となった。その結果、52百万円の減収要因となっているが、一過性の特殊要因である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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