アルファ Research Memo(1):2018年度に売上高60,000百万円、営業利益3,000百万円以上の達成に
[17/12/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アルファ<3434>は、車載用・住宅用電子キーシステム、コインロッカー等を手掛ける総合ロックメーカー。
1. 2018年3月期上期は売上高29,073百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益1,613百万円(同33.0%増)と好調
2018年3月期上期業績は売上高29,073百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益1,613百万円(同33.0%増)、経常利益1,718百万円(同613.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,189百万円(前年同期比2,305百万円改善し黒字転換)となった。売上高が全セグメントで増加、増収効果に加え、構造改革の進展でコストアップや開発費増などをカバーし、為替の円安効果もあり2ケタ増益を達成した。
事業別では、自動車部品事業が売上高24,725百万円(前年同期比30.5%増)、営業利益1,053百万円(同46.3%増)、セキュリティ事業が売上高4,346百万円(同8.1%増)、営業利益560百万円(同27.0%増)となった。自動車部品事業は、国内においては販売回復から売上高が前年同期比9.9%増の4,622百万円、営業利益が赤字縮小(436百万円改善し92百万円の営業赤字)、一方で海外事業はASSA ABLOY ABからの事業譲受が寄与し、売上高は前年同期比36.4%増の20,103百万円と大幅拡大したものの、営業利益はアジアでの人件費高騰などが影響し同8.3%減の1,145百万円にとどまった。セキュリティ機器事業は国内のターミナルロッカー、賃貸向け電気錠などの好調で収益上伸となった。なお、経常利益は為替差損の減少(1,057百万円の差損に対し68百万円の差益と1,125百万円の差異)から大幅増益、税引利益では反トラスト法違反の関連損失929百万円がなくなったため大幅改善となった。
2. 2018年3月期は収益基盤強化に加えASSA ABLOY ABからの事業譲受も加わり、前期比11.6%増収、同8.4%営業利益増益予想
2018年3月期の収益は、売上高57,000百万円(前期比11.6%増)、営業利益3,200百万円(同8.4%増)、経常利益2,500百万円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円(同377.8%増)と、期初計画に変更はない。売上高については米国自動車販売が鈍化する見通しながら、ASSA ABLOY ABからの事業取得に伴う増加がフル寄与すること、セキュリティ機器事業も電気錠の拡販、フリーボックスの更新なども見込まれ、収益は順調な拡大を続けるだろう。なお、為替前提を1$=105円と前期比3円の円高想定も変更しておらず、1円の為替変動で売上高が約200百万円、営業利益では5百万円影響を受けることを考慮すると、現状の為替水準で推移した場合、収益の大幅上振れが期待される。
3. 中期経営計画として2019年3月期に売上高60,000百万円、営業利益率5%以上、自己資本比率50%以上を目指す
同社は2016年6月に中期経営計画を策定、創業95周年に当たる2019年3月期に売上高60,000百万円、営業利益率5%以上、自己資本比率50%以上、新商品売上高比率25%以上を目指している。2年目の進捗状況は売上高が57,000百万円予想で、営業利益率は5.6%予想と0.6ポイント超過予想となっており、目標達成に向けて着実な成長をたどっている。今後は新商品売上高比率を高めることが急務である。具体的に自動車部品事業は、国内生産の集約合理化、海外はASSA ABLOY ABの事業譲受によりフォルクスワーゲン(以下、VW)グループを中心に日産グループ以外の拡販に弾みをつけ、ドアハンドルなどの新製品開発を促進する。またセキュリティ事業では宅配再配達削減に向けた宅配ロッカー需要やインバウンド需要を見据えた鉄道施設でのAIT(電子マネー・現金対応のキーレスターミナルロッカー)普及、賃貸での電子錠を利用した鍵管理システムの拡大などを図る。いずれも事業の具体化が進みつつあり、中期経営計画の達成は十分可能であり、さらに100年企業に向け新たな展開が期待される。
■Key Points
・2018年3月期上期は全セグメントが拡大し大幅増益を達成
・2018年3月期は前期比11.6%増収、同21.7%経常増益予想も会社計画は保守的な印象
・中期経営計画達成に加え100年企業を目指し新たな成長ステージ迎える
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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アルファ<3434>は、車載用・住宅用電子キーシステム、コインロッカー等を手掛ける総合ロックメーカー。
1. 2018年3月期上期は売上高29,073百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益1,613百万円(同33.0%増)と好調
2018年3月期上期業績は売上高29,073百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益1,613百万円(同33.0%増)、経常利益1,718百万円(同613.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,189百万円(前年同期比2,305百万円改善し黒字転換)となった。売上高が全セグメントで増加、増収効果に加え、構造改革の進展でコストアップや開発費増などをカバーし、為替の円安効果もあり2ケタ増益を達成した。
事業別では、自動車部品事業が売上高24,725百万円(前年同期比30.5%増)、営業利益1,053百万円(同46.3%増)、セキュリティ事業が売上高4,346百万円(同8.1%増)、営業利益560百万円(同27.0%増)となった。自動車部品事業は、国内においては販売回復から売上高が前年同期比9.9%増の4,622百万円、営業利益が赤字縮小(436百万円改善し92百万円の営業赤字)、一方で海外事業はASSA ABLOY ABからの事業譲受が寄与し、売上高は前年同期比36.4%増の20,103百万円と大幅拡大したものの、営業利益はアジアでの人件費高騰などが影響し同8.3%減の1,145百万円にとどまった。セキュリティ機器事業は国内のターミナルロッカー、賃貸向け電気錠などの好調で収益上伸となった。なお、経常利益は為替差損の減少(1,057百万円の差損に対し68百万円の差益と1,125百万円の差異)から大幅増益、税引利益では反トラスト法違反の関連損失929百万円がなくなったため大幅改善となった。
2. 2018年3月期は収益基盤強化に加えASSA ABLOY ABからの事業譲受も加わり、前期比11.6%増収、同8.4%営業利益増益予想
2018年3月期の収益は、売上高57,000百万円(前期比11.6%増)、営業利益3,200百万円(同8.4%増)、経常利益2,500百万円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円(同377.8%増)と、期初計画に変更はない。売上高については米国自動車販売が鈍化する見通しながら、ASSA ABLOY ABからの事業取得に伴う増加がフル寄与すること、セキュリティ機器事業も電気錠の拡販、フリーボックスの更新なども見込まれ、収益は順調な拡大を続けるだろう。なお、為替前提を1$=105円と前期比3円の円高想定も変更しておらず、1円の為替変動で売上高が約200百万円、営業利益では5百万円影響を受けることを考慮すると、現状の為替水準で推移した場合、収益の大幅上振れが期待される。
3. 中期経営計画として2019年3月期に売上高60,000百万円、営業利益率5%以上、自己資本比率50%以上を目指す
同社は2016年6月に中期経営計画を策定、創業95周年に当たる2019年3月期に売上高60,000百万円、営業利益率5%以上、自己資本比率50%以上、新商品売上高比率25%以上を目指している。2年目の進捗状況は売上高が57,000百万円予想で、営業利益率は5.6%予想と0.6ポイント超過予想となっており、目標達成に向けて着実な成長をたどっている。今後は新商品売上高比率を高めることが急務である。具体的に自動車部品事業は、国内生産の集約合理化、海外はASSA ABLOY ABの事業譲受によりフォルクスワーゲン(以下、VW)グループを中心に日産グループ以外の拡販に弾みをつけ、ドアハンドルなどの新製品開発を促進する。またセキュリティ事業では宅配再配達削減に向けた宅配ロッカー需要やインバウンド需要を見据えた鉄道施設でのAIT(電子マネー・現金対応のキーレスターミナルロッカー)普及、賃貸での電子錠を利用した鍵管理システムの拡大などを図る。いずれも事業の具体化が進みつつあり、中期経営計画の達成は十分可能であり、さらに100年企業に向け新たな展開が期待される。
■Key Points
・2018年3月期上期は全セグメントが拡大し大幅増益を達成
・2018年3月期は前期比11.6%増収、同21.7%経常増益予想も会社計画は保守的な印象
・中期経営計画達成に加え100年企業を目指し新たな成長ステージ迎える
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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