明豊ファシリ Research Memo(4):2018年3月期第2四半期累計の受注粗利益は過去最高を大幅に更新
[17/12/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2018年3月期第2四半期累計業績の概要
明豊ファシリティワークス<1717>の2018年3月期第2四半期累計業績は、売上高が契約形態の構成変化により前年同期比22.0%減の2,373百万円となったが、営業利益は同20.7%増の194百万円、経常利益は同28.3%増の197百万円、四半期純利益は同28.9%増の135百万円といずれも2ケタ増益を達成し、期初会社計画を上回る好調な決算となった。
売上高についてはアットリスクCM契約よりもピュアCM契約を選択する顧客が増加したため減収となっているが、同社が社内で管理する売上粗利益(売上高-社内コスト以外の売上原価(工事費、外注費等))ベースでは前年同期を上回り、過去最高を更新している。同様に、受注粗利益についても地方公共団体からの受注が増加したほか、比較的規模の大きいプロジェクト案件が増加したことにより、前年同期を大きく上回って過去最高を更新している。受注粗利益ベースで見ると、地方自治体を中心とした公共向けの構成比が前期の約1割から約2割に上昇したほか、新規顧客向け比率も上昇するなど、CMの認知度が様々な市場で広がってきたことがうかがえる。
販管費については前年同期比1.8%増となった。内訳を見ると、給与(賞与引当、法定福利費含む)が10百万円、支払手数料が11百万円それぞれ増加した。売上総利益の増加に対して、販管費が微増にとどまったことにより、営業利益は2ケタ増益となっている。なお、営業外費用として従来計上していた大阪府立大学プロジェクトに関連する売上債権売却損(前年同期は7百万円)※が当期よりなくなったことで、営業外収支が改善している。前年同期を同じ会計基準で計算すると、営業利益は実質26.7%増益となる。
※大阪府立大学のプロジェクトに関する支払条件が10年間の分割支払いとなっており、資金回収期間が長期にわたることから、金融機関に売上債権を売却して早期に資金回収を行うスキームを取っている。このため、2017年3月期までは売上債権売却損(10年分の金利収入相当分)を営業外費用として計上し、同額分を売上高、営業利益に加算する決算処理を行っていたが、2018年3月期より通常の決算処理に変更している。
当期のトピックスとしては、地方公共団体からの受注案件が一気に増えたことが挙げられる。2017年3月期は通期で4件だったのに対して、当第2四半期累計で既に10件の受注を獲得した。同社の場合、公共分野への入札に関しては、企画・提案力が評価されるプロポーザル方式※で行われる入札に限定している。当第2四半期累計では11件の入札に対して10件を落札し、残り1件についてもポイント数で1点差と僅差で競り負けるなど、CM事業者として地方自治体からも高い評価を受けていることうかがえる。
※主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を、評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。
同社は、CM方式の普及促進を図るため国土交通省が2014年から実施している「多様な入札契約方式モデル事業支援事業者」に毎年応募しており、当期についても東京都板橋区の「小中学校等空調設備一斉更新事業に係る支援業務」を受託、同モデル事業として4年連続で受託している。このようなモデル事業を積み重ねてきたことで、地方自治体でもCM方式に対する認知度が向上し、入札で採用する自治体が増えたことが、今回の受注案件の拡大につながったと見られる。大阪府立大学の学舎整備事業については8年連続の受注となったほか、東京都で4件の受注を獲得、また、2016年春の大地震で被害を受けた熊本県宇土市の「新庁舎建設基本計画策定及び設計者選定支援業務」を始め、山形県や滋賀県など地方からの受注が増えてきたことも特徴と言える。今後も公共施設の老朽化対策などでCM方式を導入する自治体が増加してくるものと予想され、公共分野における同社の受注も拡大していくものと予想される。なお、これら案件は大阪府立大学を除いてすべてピュアCM方式となっており、契約期間は平均2年程度、受注額としては数千万円規模のものが多くなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2018年3月期第2四半期累計業績の概要
明豊ファシリティワークス<1717>の2018年3月期第2四半期累計業績は、売上高が契約形態の構成変化により前年同期比22.0%減の2,373百万円となったが、営業利益は同20.7%増の194百万円、経常利益は同28.3%増の197百万円、四半期純利益は同28.9%増の135百万円といずれも2ケタ増益を達成し、期初会社計画を上回る好調な決算となった。
売上高についてはアットリスクCM契約よりもピュアCM契約を選択する顧客が増加したため減収となっているが、同社が社内で管理する売上粗利益(売上高-社内コスト以外の売上原価(工事費、外注費等))ベースでは前年同期を上回り、過去最高を更新している。同様に、受注粗利益についても地方公共団体からの受注が増加したほか、比較的規模の大きいプロジェクト案件が増加したことにより、前年同期を大きく上回って過去最高を更新している。受注粗利益ベースで見ると、地方自治体を中心とした公共向けの構成比が前期の約1割から約2割に上昇したほか、新規顧客向け比率も上昇するなど、CMの認知度が様々な市場で広がってきたことがうかがえる。
販管費については前年同期比1.8%増となった。内訳を見ると、給与(賞与引当、法定福利費含む)が10百万円、支払手数料が11百万円それぞれ増加した。売上総利益の増加に対して、販管費が微増にとどまったことにより、営業利益は2ケタ増益となっている。なお、営業外費用として従来計上していた大阪府立大学プロジェクトに関連する売上債権売却損(前年同期は7百万円)※が当期よりなくなったことで、営業外収支が改善している。前年同期を同じ会計基準で計算すると、営業利益は実質26.7%増益となる。
※大阪府立大学のプロジェクトに関する支払条件が10年間の分割支払いとなっており、資金回収期間が長期にわたることから、金融機関に売上債権を売却して早期に資金回収を行うスキームを取っている。このため、2017年3月期までは売上債権売却損(10年分の金利収入相当分)を営業外費用として計上し、同額分を売上高、営業利益に加算する決算処理を行っていたが、2018年3月期より通常の決算処理に変更している。
当期のトピックスとしては、地方公共団体からの受注案件が一気に増えたことが挙げられる。2017年3月期は通期で4件だったのに対して、当第2四半期累計で既に10件の受注を獲得した。同社の場合、公共分野への入札に関しては、企画・提案力が評価されるプロポーザル方式※で行われる入札に限定している。当第2四半期累計では11件の入札に対して10件を落札し、残り1件についてもポイント数で1点差と僅差で競り負けるなど、CM事業者として地方自治体からも高い評価を受けていることうかがえる。
※主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を、評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。
同社は、CM方式の普及促進を図るため国土交通省が2014年から実施している「多様な入札契約方式モデル事業支援事業者」に毎年応募しており、当期についても東京都板橋区の「小中学校等空調設備一斉更新事業に係る支援業務」を受託、同モデル事業として4年連続で受託している。このようなモデル事業を積み重ねてきたことで、地方自治体でもCM方式に対する認知度が向上し、入札で採用する自治体が増えたことが、今回の受注案件の拡大につながったと見られる。大阪府立大学の学舎整備事業については8年連続の受注となったほか、東京都で4件の受注を獲得、また、2016年春の大地震で被害を受けた熊本県宇土市の「新庁舎建設基本計画策定及び設計者選定支援業務」を始め、山形県や滋賀県など地方からの受注が増えてきたことも特徴と言える。今後も公共施設の老朽化対策などでCM方式を導入する自治体が増加してくるものと予想され、公共分野における同社の受注も拡大していくものと予想される。なお、これら案件は大阪府立大学を除いてすべてピュアCM方式となっており、契約期間は平均2年程度、受注額としては数千万円規模のものが多くなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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