EMシステムズ Research Memo(1):強みを生かし、調剤・医科・介護の医療介護情報連携の実現を目指す
[18/01/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
EMシステムズ<4820>は、薬局向けシステム(レセプトコンピュータ)を軸に、クリニック向け医科システム(会計、電子カルテ)、介護事業者支援システムを扱うITサービス企業である。主力事業である薬局向けシステムは国内シェア の30%強を占め、業界のリーディングカンパニーとなっている。2006年に医科システム、2016年に介護システムと領域を広げ、調剤・医科・介護の各システムで三位一体の連携を実現するオンリーワン企業として医療介護情報の連携の実現を目指している。
1. 事業概要
主力事業は売上の約8割を占める薬局向け医療事務処理コンピュータシステムの開発・販売を行う調剤システム事業である。他社に先駆け、低い初期費用と月々の利用料支払いという料金プランに基づくストック型ビジネスモデルに転換したことで価格競争力を強め、調剤システム市場におけるシェアは31.9%(2017年9月30日同社調べ)とリーディングカンパニーの地位を不動のものにしている。主力商品には「Recepty NEXT」シリーズ、「ぶんぎょうめいと」シリーズなどがある。
医科システム事業は2006年にOEM製品制作により参入したが、現在は自社製品の診療所・クリニック向けの医療事務処理コンピュータシステムや電子カルテシステムが中心となっている。主力製品にはクリニック・無床診療所向けの医事会計融合型電子カルテシステム(「MRN (Medical Recepty NEXT)カルテスタイル」)及び医事会計システム(「MRNクラークスタイル」、「ユニメディカル」)などがある。
介護向けシステムは2016年10月にリリースしたASP型介護サービス事業者支援システム「つながるケアNEXT」の拡販やこれら以外の事業全般を行っている。
なお、2017年3月に医療介護連携ソリューション「ひろがるケアネット」をリリースし、2017年8月に「つながるケアNEXT」(居宅介護支援事業者・ケアマネージャー向け)拡張機能をリリースしている。これにより、調剤・医科・介護の3つを連携できるオンリーワン企業としての優位性をより高めている。
2. 2018年3月期第2四半期業績及び通期見通し
2018年3月期第2四半期の業績は売上高6,873百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益1,509百万円(同31.4%増)、経常利益1,825百万円(同27.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,214百万円(同26.8%増)であった。介護システム事業の立ち上がりがやや遅れたが、調剤システム事業が直販に加え販売代理店・OEM供給等販売チャネルが増強され収益が増加したこと、医科システム事業でMRNのシステム販売が堅調で課金売上が順調に積み上がってきたこと、などで全体では前年同期比増収増益となった。
なお、2018年3月期通期の見通しは、2018年4月の介護報酬・診療報酬の同時改定で主要販売先である薬局の業績動向が不透明であることから慎重に見込んでおり、売上高13,835百万円(前期比1.2%増)、営業利益2,600百万円(同0.1%増)としている。
3. 今後の見通し
2018年4月の介護報酬・診療報酬の同時改定で主力ユーザーである薬局の経営環境が一段と厳しくなり、それにつれてシステム事業者も厳しい状況に置かれることを想定されるが、同社ではこれをビジネスチャンスと捉えている。医科システム事業の黒字化、2017年1月に実施した薬局向けシステムの利用料の値下げによる長期利用の促進などで、収益基盤の盤石化が進んでいる。加えて、2017年3月にクリニック・薬局・介護サービス向けシステム「ひろがるケアネット」をリリースし、2017年8月に「つながるケアNEXT」(居宅介護支援事業者・ケアマネージャー向け)機能をリリースするなど、医療(薬局・クリニック)と介護間の情報共有による医療介護情報連携の実現に向けて着実に前進している。同社としては既に調剤システム導入済みの顧客に対し、医療・介護システムを連携できるという強みを生かし、それぞれの事業での同社のシェア拡大を図る計画だ。
■Key Points
・薬局向けシステムでは30%以上のシェアを持つリーディングカンパニー
・調剤システム・医科システムの好調に支えられ2018年3月期第2四半期業績は前年同期比で増収増益
・調剤・医科・介護の三位一体の情報連携可能なオンリーワン企業として各システムの相乗効果による販売強化を狙う
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
<MW>
EMシステムズ<4820>は、薬局向けシステム(レセプトコンピュータ)を軸に、クリニック向け医科システム(会計、電子カルテ)、介護事業者支援システムを扱うITサービス企業である。主力事業である薬局向けシステムは国内シェア の30%強を占め、業界のリーディングカンパニーとなっている。2006年に医科システム、2016年に介護システムと領域を広げ、調剤・医科・介護の各システムで三位一体の連携を実現するオンリーワン企業として医療介護情報の連携の実現を目指している。
1. 事業概要
主力事業は売上の約8割を占める薬局向け医療事務処理コンピュータシステムの開発・販売を行う調剤システム事業である。他社に先駆け、低い初期費用と月々の利用料支払いという料金プランに基づくストック型ビジネスモデルに転換したことで価格競争力を強め、調剤システム市場におけるシェアは31.9%(2017年9月30日同社調べ)とリーディングカンパニーの地位を不動のものにしている。主力商品には「Recepty NEXT」シリーズ、「ぶんぎょうめいと」シリーズなどがある。
医科システム事業は2006年にOEM製品制作により参入したが、現在は自社製品の診療所・クリニック向けの医療事務処理コンピュータシステムや電子カルテシステムが中心となっている。主力製品にはクリニック・無床診療所向けの医事会計融合型電子カルテシステム(「MRN (Medical Recepty NEXT)カルテスタイル」)及び医事会計システム(「MRNクラークスタイル」、「ユニメディカル」)などがある。
介護向けシステムは2016年10月にリリースしたASP型介護サービス事業者支援システム「つながるケアNEXT」の拡販やこれら以外の事業全般を行っている。
なお、2017年3月に医療介護連携ソリューション「ひろがるケアネット」をリリースし、2017年8月に「つながるケアNEXT」(居宅介護支援事業者・ケアマネージャー向け)拡張機能をリリースしている。これにより、調剤・医科・介護の3つを連携できるオンリーワン企業としての優位性をより高めている。
2. 2018年3月期第2四半期業績及び通期見通し
2018年3月期第2四半期の業績は売上高6,873百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益1,509百万円(同31.4%増)、経常利益1,825百万円(同27.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,214百万円(同26.8%増)であった。介護システム事業の立ち上がりがやや遅れたが、調剤システム事業が直販に加え販売代理店・OEM供給等販売チャネルが増強され収益が増加したこと、医科システム事業でMRNのシステム販売が堅調で課金売上が順調に積み上がってきたこと、などで全体では前年同期比増収増益となった。
なお、2018年3月期通期の見通しは、2018年4月の介護報酬・診療報酬の同時改定で主要販売先である薬局の業績動向が不透明であることから慎重に見込んでおり、売上高13,835百万円(前期比1.2%増)、営業利益2,600百万円(同0.1%増)としている。
3. 今後の見通し
2018年4月の介護報酬・診療報酬の同時改定で主力ユーザーである薬局の経営環境が一段と厳しくなり、それにつれてシステム事業者も厳しい状況に置かれることを想定されるが、同社ではこれをビジネスチャンスと捉えている。医科システム事業の黒字化、2017年1月に実施した薬局向けシステムの利用料の値下げによる長期利用の促進などで、収益基盤の盤石化が進んでいる。加えて、2017年3月にクリニック・薬局・介護サービス向けシステム「ひろがるケアネット」をリリースし、2017年8月に「つながるケアNEXT」(居宅介護支援事業者・ケアマネージャー向け)機能をリリースするなど、医療(薬局・クリニック)と介護間の情報共有による医療介護情報連携の実現に向けて着実に前進している。同社としては既に調剤システム導入済みの顧客に対し、医療・介護システムを連携できるという強みを生かし、それぞれの事業での同社のシェア拡大を図る計画だ。
■Key Points
・薬局向けシステムでは30%以上のシェアを持つリーディングカンパニー
・調剤システム・医科システムの好調に支えられ2018年3月期第2四半期業績は前年同期比で増収増益
・調剤・医科・介護の三位一体の情報連携可能なオンリーワン企業として各システムの相乗効果による販売強化を狙う
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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