三機工 Research Memo(1):建築設備工事の大手。長い歴史の中で培われた高い技術力や信用力が強み
[18/01/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの建築設備及びプラント設備の企画・設計・製作・監理・施工・販売・コンサルティングなどであり、同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと90年余の実績から培われた高い技術力や信用力である。
1. 2018年3月期第2四半期は489百万円の営業利益を計上、次期繰越高は前年同期比15.8%増
2018年3月期第2四半期の業績は、受注高95,775百万円(前年同期比5.3%増)、売上高72,506百万円(同3.1%増)、売上総利益9,319百万円(同14.4%増)、営業利益489百万円(同753.5%増)、経常利益952百万円(同158.2%増)となったが、親会社株主に帰属する四半期純損益については、大和地区再開発計画に伴う固定資産除却損等を特別損失に計上したことから95百万円の損失(前年同期は229百万円の利益)となった。次期繰越高は前年同期末比15.8%増と高水準を維持した。前期に引き続き原価管理の徹底、作業効率の向上などを推進したことで利益率も改善、売上総利益率は前年同期比1.3ポイントアップの12.9%となった。
2. 繰越工事高は高水準で2018年3月期も増収・増益を見込む
進行中の2018年3月期の通期業績は、受注高186,000百万円(前期比0.1%増)、売上高180,000百万円(同6.8%増)、営業利益7,000百万円(同16.4%増)、経常利益7,500百万円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,000百万円(同6.4%増)と増収増益の計画であり、期初予想から変更していない。上半期の実績及び次期繰越高から判断すると十分達成可能な水準と思われる。
3. 中期経営計画“Century 2025”Phase1の目標は2019年3月期に売上高1,950億円、営業利益75億円
同社は創業100周年に向けた10年間の目標として、長期ビジョン“Century 2025”を2015年3月に発表した。この計画の最終目標は、顧客からもっと「選ばれる会社」になることであるが、まず最初の3年間を新中期経営計画“Century 2025”Phase1とし、その定量的目標として、最終年度の2019年3月期に売上高1,950億円、営業利益75億円を掲げている。計画実行の具体的施策として大和地区再開発計画(STeP:Sanki Techno Park計画)を発表しているが、前期(初年度)に引き続き計画は着実に進行しており、その大きな柱である総合研究・研修施設「三機テクノセンター」は2018年秋オープン予定である。
4. 年間配当30円に加え300万株の自社株買いを実施、株主還元にも積極的
同社は、これまでの安定配当や近年の増配に加え、自社株買いなど積極的な株主還元を実施している。2017年3月期の年間配当は30.0円(配当性向40.6%)であったが、2018年3月期については、中間配当を10円から15円に増配し、年間配当も当初予想の20円から30円へ増配予定である。また株主還元の一環として、保有する自己株式300万株を2017年5月22日付けで消却し、さらに新たにこの第2四半期中に195.5万株の自己株式を取得(その後12月11日までに取得枠300万株全ての取得を終了)した。
■Key Points
・三井系の国内トップクラスの建築設備工事会社。利益率改善策を実行中
・2018年3月期第2四半期は増収・増益、通期でも増収・増益の見込み
・株主還元に前向き、自己株式300万株の消却に続き新たに300万株の自己株式を取得済み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの建築設備及びプラント設備の企画・設計・製作・監理・施工・販売・コンサルティングなどであり、同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと90年余の実績から培われた高い技術力や信用力である。
1. 2018年3月期第2四半期は489百万円の営業利益を計上、次期繰越高は前年同期比15.8%増
2018年3月期第2四半期の業績は、受注高95,775百万円(前年同期比5.3%増)、売上高72,506百万円(同3.1%増)、売上総利益9,319百万円(同14.4%増)、営業利益489百万円(同753.5%増)、経常利益952百万円(同158.2%増)となったが、親会社株主に帰属する四半期純損益については、大和地区再開発計画に伴う固定資産除却損等を特別損失に計上したことから95百万円の損失(前年同期は229百万円の利益)となった。次期繰越高は前年同期末比15.8%増と高水準を維持した。前期に引き続き原価管理の徹底、作業効率の向上などを推進したことで利益率も改善、売上総利益率は前年同期比1.3ポイントアップの12.9%となった。
2. 繰越工事高は高水準で2018年3月期も増収・増益を見込む
進行中の2018年3月期の通期業績は、受注高186,000百万円(前期比0.1%増)、売上高180,000百万円(同6.8%増)、営業利益7,000百万円(同16.4%増)、経常利益7,500百万円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,000百万円(同6.4%増)と増収増益の計画であり、期初予想から変更していない。上半期の実績及び次期繰越高から判断すると十分達成可能な水準と思われる。
3. 中期経営計画“Century 2025”Phase1の目標は2019年3月期に売上高1,950億円、営業利益75億円
同社は創業100周年に向けた10年間の目標として、長期ビジョン“Century 2025”を2015年3月に発表した。この計画の最終目標は、顧客からもっと「選ばれる会社」になることであるが、まず最初の3年間を新中期経営計画“Century 2025”Phase1とし、その定量的目標として、最終年度の2019年3月期に売上高1,950億円、営業利益75億円を掲げている。計画実行の具体的施策として大和地区再開発計画(STeP:Sanki Techno Park計画)を発表しているが、前期(初年度)に引き続き計画は着実に進行しており、その大きな柱である総合研究・研修施設「三機テクノセンター」は2018年秋オープン予定である。
4. 年間配当30円に加え300万株の自社株買いを実施、株主還元にも積極的
同社は、これまでの安定配当や近年の増配に加え、自社株買いなど積極的な株主還元を実施している。2017年3月期の年間配当は30.0円(配当性向40.6%)であったが、2018年3月期については、中間配当を10円から15円に増配し、年間配当も当初予想の20円から30円へ増配予定である。また株主還元の一環として、保有する自己株式300万株を2017年5月22日付けで消却し、さらに新たにこの第2四半期中に195.5万株の自己株式を取得(その後12月11日までに取得枠300万株全ての取得を終了)した。
■Key Points
・三井系の国内トップクラスの建築設備工事会社。利益率改善策を実行中
・2018年3月期第2四半期は増収・増益、通期でも増収・増益の見込み
・株主還元に前向き、自己株式300万株の消却に続き新たに300万株の自己株式を取得済み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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