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サイネックス Research Memo(5):出版事業での期ずれの影響で進捗率は低くなったが、全体では順調に推移

注目トピックス 日本株
■業績動向

サイネックス<2376>の2018年3月期第2四半期決算(連結)は、売上高6,207百万円(前年同期比6.1%減)、営業利益64百万円(同83.5%減)、経常利益93百万円(同74.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益55百万円(同76.4%減)と減収減益で着地した。

今第2四半期決算の通期予想に対する進捗率は、売上高が44.3%、営業利益が7.9%と、低水準にとどまっている。この点について弊社では懸念する必要はないと考えている。同社の主力商品である『わが街事典』は地方自治体との共同事業であるため、自治体側の事情によって発行がずれ込むことが多い。今第2四半期の進捗率が低い最大の要因はここにあると弊社ではみており、これは今下期にはほぼ確実に収益に計上されてくる性質のものであることが懸念は不要と考える理由だ。

出版事業の業績の今第2四半期は、売上高3,772百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益423百万円(同40.8%減)となった。主力の『わが街事典』は、今第2四半期は新規と再版を合わせて78の地方自治体と共同発行を行った。その結果、累計発行自治体数は734自治体に達した。50音別電話帳の『テレパル50』や、九州の月間地域情報誌『Nasse』の発行(子会社のサンマークの事業)も計画どおり進捗した。売上高の前年同期比減収は前述のように『わが街事典』の期ずれであり、その結果として営業利益も減益となった。

WEB・ソリューション事業は売上高1,455百万円(前年同期比12.0%減)、営業利益10百万円(前年同期は15百万円の損失)となった。同社が注力するふるさと納税事務の一括業務代行は大阪府富田林市など順調に拡大し、今第2四半期末時点の累計協定締結自治体数は96となった。また『わが街とくさんネット』を始めとするEC販売も積極的拡大に努めた。一方でヤフー<4689>との提携商品の代理店による取扱縮小の影響により、売上高は前年同期比で減収となった。しかしながら利益についてはヤフーとの提携商品の取扱縮小がプラスに働き、営業損益は黒字転換を果たした。

ロジスティクス事業は売上高968百万円(前年同期比12.8%減)、営業利益24百万円(同69.5%減)となった。DM(ダイレクトメール)に対する潜在的需要は相変わらず強いものの、今第2四半期はゆうメールの料金改定の影響で一時的に需要が低下したため郵便発送代行事業は前年同期比で減収となった。DMからポスティングへの需要シフトを狙ってポスティング事業においては新規顧客の開拓に努めたが、郵便発送代行事業の減収を吸収するには至らず、事業セグメント全体では12.8%の減収となった。それに伴い、営業利益も減益となった。

不動産事業は、従来は連結子会社が行う付随業務という位置付けであったが、今期からは同社本体も収益源の1つとして不動産事業を開始した。それに伴い独立した事業セグメントとなった。今第2四半期は売上高11百万円、営業利益2百万円となった。サンマークの賃貸事業に加え、同社本体が京都市東山区、京都市上京区に賃貸用不動産を保有して事業を展開している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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