アイビーシー Research Memo(9):2017年9月期は10期連続増収だが、売上構成変化や積極投資で減益
[18/01/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 四半期業績動向
アイビーシー<3920>の四半期業績は、顧客の検収時期の影響を受ける傾向がある。売上計上が3月及び9月に集中する傾向が強い一方で、販管費は毎月ほぼ一定額が発生するため、四半期営業利益は第2四半期(1月−3月)及び第4四半期(7月−9月)の構成比が高くなりやすい季節要因がある。
2. 2017年9月期業績
2017年9月期の業績(非連結)は、売上高が2016年9月期比6.6%増の1,216百万円、営業利益が同36.1%減の186百万円、経常利益が同49.2%減の169百万円、当期純利益が同41.0%減の115百万円だった。売上高は10期連続増収で過去最高だが計画をやや下回った。サービス提供とその他物販は好調だったが、2017年7月に新製品のシステム情報監視ソフトウェア「System Answer G3」をリリースしたことに伴い、ライセンス販売で買い控えが発生して伸び悩んだ。売上構成変化や積極投資で減益だった。
売上高の内訳は、ライセンス販売が同4.6%減の878百万円、サービス提供が同52.1%増の184百万円、その他物販(情報機器販売等)が同55.1%増の153百万円だった。ライセンス販売は、公共・文教分野等の開拓や大型案件の獲得に向けた活動を継続し、更新及び追加案件の積極的な積み上げを推進したが、新製品リリースに伴う買い控えが影響して減収だった。サービス提供は、ライセンス販売増加等に伴う構築・運用サポートの増加、他社製品及びネットワーク構築に関する技術支援の増加、レポーティング(分析)サービスやOffice365遅延問題対策のコンサルティングサービスの増加などで大幅伸長した。その他物販は、公共分野及び小売業分野における大型案件が寄与して大幅伸長した。
利益面では、売上構成変化(ライセンス販売の売上構成比低下)で売上総利益率が低下したことに加えて、人材の積極採用に伴う人件費の増加、本社オフィス増床に伴う経費の増加、新製品・サービス開発に伴うシステム関連費用や業務委託費の増加など、中期成長に向けた積極投資で販管費が増加し、営業利益、経常利益、純利益とも減益だった。なお売上総利益率は82.7%で同2.0ポイント低下したが高水準を維持している。販管費比率は67.4%で同8.3ポイント上昇した。新製品のシステム情報監視ソフトウェア「System Answer G3」は2018年9月期下期以降に販売が本格化する見込みのため、売上構成変化は一時的だろう。
また営業外収益で2016年9月期に計上した保険解約返戻金46百万円が一巡した一方で、営業外費用では東証1部への市場変更に伴い上場関連費用18百万円を計上した。特別損失では関係会社株式評価損が減少した。配当は事業拡大のための新規投資などに充当するため無配とした。
3. 財務状況
ROEは8.0%で同7.4ポイント低下したが、自己資本比率は90.5%で同8.6ポイント上昇した。自己資本比率が90%台に上昇して財務の健全性は高い。取引先が大手優良企業中心のため、過去に貸倒実績がないことも特長である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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1. 四半期業績動向
アイビーシー<3920>の四半期業績は、顧客の検収時期の影響を受ける傾向がある。売上計上が3月及び9月に集中する傾向が強い一方で、販管費は毎月ほぼ一定額が発生するため、四半期営業利益は第2四半期(1月−3月)及び第4四半期(7月−9月)の構成比が高くなりやすい季節要因がある。
2. 2017年9月期業績
2017年9月期の業績(非連結)は、売上高が2016年9月期比6.6%増の1,216百万円、営業利益が同36.1%減の186百万円、経常利益が同49.2%減の169百万円、当期純利益が同41.0%減の115百万円だった。売上高は10期連続増収で過去最高だが計画をやや下回った。サービス提供とその他物販は好調だったが、2017年7月に新製品のシステム情報監視ソフトウェア「System Answer G3」をリリースしたことに伴い、ライセンス販売で買い控えが発生して伸び悩んだ。売上構成変化や積極投資で減益だった。
売上高の内訳は、ライセンス販売が同4.6%減の878百万円、サービス提供が同52.1%増の184百万円、その他物販(情報機器販売等)が同55.1%増の153百万円だった。ライセンス販売は、公共・文教分野等の開拓や大型案件の獲得に向けた活動を継続し、更新及び追加案件の積極的な積み上げを推進したが、新製品リリースに伴う買い控えが影響して減収だった。サービス提供は、ライセンス販売増加等に伴う構築・運用サポートの増加、他社製品及びネットワーク構築に関する技術支援の増加、レポーティング(分析)サービスやOffice365遅延問題対策のコンサルティングサービスの増加などで大幅伸長した。その他物販は、公共分野及び小売業分野における大型案件が寄与して大幅伸長した。
利益面では、売上構成変化(ライセンス販売の売上構成比低下)で売上総利益率が低下したことに加えて、人材の積極採用に伴う人件費の増加、本社オフィス増床に伴う経費の増加、新製品・サービス開発に伴うシステム関連費用や業務委託費の増加など、中期成長に向けた積極投資で販管費が増加し、営業利益、経常利益、純利益とも減益だった。なお売上総利益率は82.7%で同2.0ポイント低下したが高水準を維持している。販管費比率は67.4%で同8.3ポイント上昇した。新製品のシステム情報監視ソフトウェア「System Answer G3」は2018年9月期下期以降に販売が本格化する見込みのため、売上構成変化は一時的だろう。
また営業外収益で2016年9月期に計上した保険解約返戻金46百万円が一巡した一方で、営業外費用では東証1部への市場変更に伴い上場関連費用18百万円を計上した。特別損失では関係会社株式評価損が減少した。配当は事業拡大のための新規投資などに充当するため無配とした。
3. 財務状況
ROEは8.0%で同7.4ポイント低下したが、自己資本比率は90.5%で同8.6ポイント上昇した。自己資本比率が90%台に上昇して財務の健全性は高い。取引先が大手優良企業中心のため、過去に貸倒実績がないことも特長である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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