システム ディ Research Memo(4):6事業部門すべての黒字化を達成
[18/02/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
システム ディ<3804>の2017年10月期決算は、売上高3,807百万円(前期比22.5%増)、営業利益350百万円(同81.5%増)、経常利益346百万円(同85.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益238百万円(同77.9%増)と、大幅な増収増益で着地した。期初予想に対しても売上高、各利益項目ともに10%前後上回った。
2017年10月期は同社が推進してきた『Value & Volume Business』戦略が結実した1年だったと言える。同社の中核はパッケージソフトだが、より規模の大きい資金の豊富な顧客層に対しては“Value Business”としてカスタムメイドによる対応を充実させてきた。これについては大規模総合大学や大手フィットネス事業者向けの大型案件の売上計上があった。一方、資金力に乏しい中小事業者向けには“Volume Business”としてクラウドによるサービス提供を強化した。これも順調に拡大し、サポート、メンテナンスも合わせたストック型収入の総額は前期比16.0%増の1,007百万円に達した。このように、ボリュームゾーンである中規模事業者向けのパッケージソフトの販売に加え、ValueとVolumeの両サイドの顧客向けに順調に販売が伸びたことが大幅増収につながった。
利益面でのポイントは2つだ。1つは同社において新規事業であった公共向けビジネス(公教育ソリューション、公会計ソリューション)の売上規模が一定水準を超えたことで黒字化し、同社の6事業部門すべてが黒字化したことだ。もう1つは、販売管理費の売上高比率が順調に低下基調をたどり、今2017年10月期は24.8%となったことだ。この背景にはストック収入の拡大と、前述のパッケージソフトにおける“ポジティブスパイラル”があると弊社ではみている。
期初予想との比較において、売上高は12.6%(425百万円)上振れたのに対して営業利益の上振れ幅は9.0%(28百万円)にとどまったことに、違和感を覚える向きがあるかもしれない。これは、上振れの主因が学園ソリューション事業とウェルネスソリューション事業における大型案件の売上計上であり、それら大型案件の収益性が低いことが理由だ。しかしながら、これらの大型案件はそれに付随するメンテナンス・サポートもまた規模が大きく、納入後数年間にわたってそこからの収益貢献が期待できるため、複数年のトータルで見れば業績への貢献度合いは十分に大きくなると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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システム ディ<3804>の2017年10月期決算は、売上高3,807百万円(前期比22.5%増)、営業利益350百万円(同81.5%増)、経常利益346百万円(同85.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益238百万円(同77.9%増)と、大幅な増収増益で着地した。期初予想に対しても売上高、各利益項目ともに10%前後上回った。
2017年10月期は同社が推進してきた『Value & Volume Business』戦略が結実した1年だったと言える。同社の中核はパッケージソフトだが、より規模の大きい資金の豊富な顧客層に対しては“Value Business”としてカスタムメイドによる対応を充実させてきた。これについては大規模総合大学や大手フィットネス事業者向けの大型案件の売上計上があった。一方、資金力に乏しい中小事業者向けには“Volume Business”としてクラウドによるサービス提供を強化した。これも順調に拡大し、サポート、メンテナンスも合わせたストック型収入の総額は前期比16.0%増の1,007百万円に達した。このように、ボリュームゾーンである中規模事業者向けのパッケージソフトの販売に加え、ValueとVolumeの両サイドの顧客向けに順調に販売が伸びたことが大幅増収につながった。
利益面でのポイントは2つだ。1つは同社において新規事業であった公共向けビジネス(公教育ソリューション、公会計ソリューション)の売上規模が一定水準を超えたことで黒字化し、同社の6事業部門すべてが黒字化したことだ。もう1つは、販売管理費の売上高比率が順調に低下基調をたどり、今2017年10月期は24.8%となったことだ。この背景にはストック収入の拡大と、前述のパッケージソフトにおける“ポジティブスパイラル”があると弊社ではみている。
期初予想との比較において、売上高は12.6%(425百万円)上振れたのに対して営業利益の上振れ幅は9.0%(28百万円)にとどまったことに、違和感を覚える向きがあるかもしれない。これは、上振れの主因が学園ソリューション事業とウェルネスソリューション事業における大型案件の売上計上であり、それら大型案件の収益性が低いことが理由だ。しかしながら、これらの大型案件はそれに付随するメンテナンス・サポートもまた規模が大きく、納入後数年間にわたってそこからの収益貢献が期待できるため、複数年のトータルで見れば業績への貢献度合いは十分に大きくなると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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