ソルクシーズ Research Memo(1):FinTech、IoT等の成長分野に積極展開し、収益拡大を目指す
[18/02/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ソルクシーズ<4284>は、ソフトウェア開発事業とデジタルサイネージ事業を展開する。ソフトウェア開発では金融業界向けの比率が高く、単独売上高の7割弱を占める。また、グループ子会社を含めて、クラウド、IoT、自動運転、FinTechなど今後の成長が見込める分野に注力中。グループ戦略として、一定規模の収益水準に達した子会社については株式上場し、調達した資金で投資を行いグループ全体の成長を目指していく方針となっている。
1. 2017年12月期は増収営業減益に
2017年12月期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の14,001百万円、営業利益で同18.3%減の501百万円と増収減益となった。企業の旺盛なシステム開発投資を背景に売上高は堅調に推移したが、外注費の増加や金融業界向けで一部不採算プロジェクトが発生したことによる売上総利益率の低下、並びに人件費等を中心とした販管費の増加が減益要因となった。ただ、営業外で投資事業組合運用益142百万円を計上したことで、経常利益は同13.2%増の683百万円と3期ぶりの増益に転じた。
2. 2018年12月期は下期から営業増益に転じる見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.9%減の13,600百万円と減収に転じるものの、営業利益は同21.8%増の610百万円と2期ぶりの増益となる見通し。売上高は金融業界向けの大型プロジェクトが一巡するほか、3ヶ月ほどの遅延が発生している特定案件の検収を最優先に取り組んでおり、受注活動を手控えていることが影響する。開発遅延プロジェクトについては第2四半期中の検収を予定しているため、半期ベースの営業利益で見れば上期が前年同期比14.5%減の200百万円と底になり、下期に同53.7%増の410百万円と回復に転じる見込みとなっている。なお、IoTソリューションを手掛ける子会社の(株)イー・アイ・ソルや、車載システム等の開発コンサルティングを行う(株)エクスモーションの業績については順調に拡大する見通しだ。
3. 3ヶ年中期経営計画では2020年12月期に経常利益1,100百万円を目指す
同社は3ヶ年の中期経営目標として、2020年12月期に売上高で14,500百万円、経常利益で1,100百万円を目指していく。FinTechやIoT、自動運転、AI、クラウド等の成長分野に積極展開していくことで収益を拡大していく戦略だ。FinTech分野ではSBIグループと協業しながら開発案件を獲得していく。IoT分野では工場の製造ラインや交通運輸業等での導入事例が出始めているほか、高齢者向け見守りセンサーの成長も期待される。自動運転については豊田通商<8015>と資本業務提携を結んだこともあり、トヨタグループからの引き合いが今後増加することが期待される。AI分野でも資本出資した(株)アックスとの協業により新たなソリューションサービスの開発を進めていく。クラウドサービスでは2018年上期中にASEANにおいて「Fleekdrive」(ファイル共有サービス)の拡販を進めていく予定で、2018年12月までに契約企業数を300社まで増やし、単月ベースでの黒字化を目指していく。クラウドサービスについては収益化のめどが付けば分社化して株式上場を目指すことも視野に入れている。
■Key Points
・2018年12月期は不採算プロジェクトが一巡する下期以降、増益に転じる見通し
・2020年12月期に連結経常利益1,100百万円を目指す
・FinTech、自動運転、AI、IoT、クラウドサービスの5領域で積極展開を進め、子会社の株式上場も視野に入れる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ソルクシーズ<4284>は、ソフトウェア開発事業とデジタルサイネージ事業を展開する。ソフトウェア開発では金融業界向けの比率が高く、単独売上高の7割弱を占める。また、グループ子会社を含めて、クラウド、IoT、自動運転、FinTechなど今後の成長が見込める分野に注力中。グループ戦略として、一定規模の収益水準に達した子会社については株式上場し、調達した資金で投資を行いグループ全体の成長を目指していく方針となっている。
1. 2017年12月期は増収営業減益に
2017年12月期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の14,001百万円、営業利益で同18.3%減の501百万円と増収減益となった。企業の旺盛なシステム開発投資を背景に売上高は堅調に推移したが、外注費の増加や金融業界向けで一部不採算プロジェクトが発生したことによる売上総利益率の低下、並びに人件費等を中心とした販管費の増加が減益要因となった。ただ、営業外で投資事業組合運用益142百万円を計上したことで、経常利益は同13.2%増の683百万円と3期ぶりの増益に転じた。
2. 2018年12月期は下期から営業増益に転じる見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.9%減の13,600百万円と減収に転じるものの、営業利益は同21.8%増の610百万円と2期ぶりの増益となる見通し。売上高は金融業界向けの大型プロジェクトが一巡するほか、3ヶ月ほどの遅延が発生している特定案件の検収を最優先に取り組んでおり、受注活動を手控えていることが影響する。開発遅延プロジェクトについては第2四半期中の検収を予定しているため、半期ベースの営業利益で見れば上期が前年同期比14.5%減の200百万円と底になり、下期に同53.7%増の410百万円と回復に転じる見込みとなっている。なお、IoTソリューションを手掛ける子会社の(株)イー・アイ・ソルや、車載システム等の開発コンサルティングを行う(株)エクスモーションの業績については順調に拡大する見通しだ。
3. 3ヶ年中期経営計画では2020年12月期に経常利益1,100百万円を目指す
同社は3ヶ年の中期経営目標として、2020年12月期に売上高で14,500百万円、経常利益で1,100百万円を目指していく。FinTechやIoT、自動運転、AI、クラウド等の成長分野に積極展開していくことで収益を拡大していく戦略だ。FinTech分野ではSBIグループと協業しながら開発案件を獲得していく。IoT分野では工場の製造ラインや交通運輸業等での導入事例が出始めているほか、高齢者向け見守りセンサーの成長も期待される。自動運転については豊田通商<8015>と資本業務提携を結んだこともあり、トヨタグループからの引き合いが今後増加することが期待される。AI分野でも資本出資した(株)アックスとの協業により新たなソリューションサービスの開発を進めていく。クラウドサービスでは2018年上期中にASEANにおいて「Fleekdrive」(ファイル共有サービス)の拡販を進めていく予定で、2018年12月までに契約企業数を300社まで増やし、単月ベースでの黒字化を目指していく。クラウドサービスについては収益化のめどが付けば分社化して株式上場を目指すことも視野に入れている。
■Key Points
・2018年12月期は不採算プロジェクトが一巡する下期以降、増益に転じる見通し
・2020年12月期に連結経常利益1,100百万円を目指す
・FinTech、自動運転、AI、IoT、クラウドサービスの5領域で積極展開を進め、子会社の株式上場も視野に入れる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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