ビジョン Research Memo(1):グローバルWiFi事業をけん引役に業績は高成長が続く見通し
[18/03/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ビジョン<9416>は、モバイルインターネット環境を提供するWi-Fiルーターのレンタルを国内外で行うグローバルWiFi事業と、スタートアップ、ベンチャー企業向けを中心に各種通信サービスの加入取次ぎ、情報通信機器の販売、ホームページ制作等のサービスを行う情報通信サービス事業の2つの事業を主軸に展開する。
1. 2017年12月期は期初計画を上回り、2ケタ増収増益を達成
2017年12月期の連結業績は、売上高で前期比18.3%増の17,554百万円、営業利益で同38.6%増の1,788百万円と連続で過去最高業績を更新、期初会社計画(売上高16,713百万円、営業利益1,606百万円)を上回って着地した。主力のグローバルWiFiサービスが注力している法人だけでなく個人旅行者での普及も進み、レンタル利用件数で前期比44%増と大幅伸長し、売上高が前期比31.8%増の10,392百万円と好調に推移したことに加え、セグメント利益もクラウドWiFi対応ルーターの導入効果等でオペレーション効率が改善し、同39.7%増の1,593百万円と大幅増益となったことが主因だ。また、情報通信サービス事業も新設法人やベンチャー企業等の新規顧客獲得が進んだほか、アップセル/クロスセルによる顧客当たり収益の拡大に取り組んだことにより、売上高で前期比2.2%増の7,104百万円、セグメント利益で同14.4%増の1,172百万円と堅調に推移した。
2. 2018年12月期業績も2ケタ増収増益続く
2018年12月期は重点施策として、事業の拡大と周辺ビジネスの収益化で差別化を図り、業界圧倒的No.1(生産性、シェア、利益)の実現を目指していく。連結業績は、売上高で前期比17.3%増の20,599百万円、営業利益で同25.9%増の2,252百万円と2ケタ増収増益が続く見通しだ。グローバルWiFi事業は販売チャネルの拡大(販売委託契約、法人契約増等)やサービス向上に伴う利用件数の増加に伴い、売上高で前期比24.6%増、セグメント利益で同22.2%増を見込む。利益率が若干低下する想定だが、クラウドWiFiルーターの導入率が前期末の約50%からさらに上昇するほか、オペレーションコストが低減される法人向け常時貸し出しサービス「グローバルWiFi for Biz」の拡販を進めるなど、収益性向上に向けた取り組みも進めていく。一方、情報通信事業は売上高で前期比5.6%増、セグメント利益で同12.5%増を見込む。2017年10月にオープンした企業総合支援サイト「ビマケ(Vision Business Market)」上での集客強化や、得意としているアップセル/クロスセルを促進していくほか、自社開発して社内で利用している業務支援ソフト(ワークフロー、SFA等)の外販も進めていく予定にしている。
3. 顧客基盤を生かして旅行関連サービスプラットフォームを育成中
同社は、中期的な成長戦略としてグローバルWiFi事業の更なる拡大と、ストック型ビジネスである情報通信事業の安定成長に加えて、顧客基盤を生かした旅行関連サービスプラットフォーム事業の育成に注力している。海外渡航者の課題解決に役立つ情報・サービスの提供、訪日外国人をターゲットにした広告メディアサービスなどに取り組んでいる。特に、広告メディアサービスについては費用対効果が高いとの評価を得ており、受注案件も増加している。業績に与える影響はまだ軽微だが今後は事業を拡大していくものと見られ、成長ポテンシャルは高い。
4. 株主還元は自社株買いや企業価値向上により報いる方針
株主還元については、事業の成長期にあるとの判断から財務体質の強化と事業拡大のための投資を優先し、更なる企業価値の向上を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため、配当に関しては当面無配を継続する可能性が高く、収益成長に伴う株価上昇や自社株買い等で株主に報いていく方針としている。なお、2017年8月に自社株買い(上限21.7万株、取得増額5億円、取得期間2018年8月16日まで)を発表しており、2018年1月末時点で700株を1.6百万円で取得している。
■Key Points
・個人での利用浸透が進み、2017年12月期のグローバルWiFi事業は前期比30%以上の大幅増収増益に
・既存事業の拡大と周辺ビジネスの収益化で差別化を図り、2018年12月期も2ケタ増収増益を目指す
・旅行関連サービスプラットフォームを新たな収益柱として育成し、成長を加速化していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ビジョン<9416>は、モバイルインターネット環境を提供するWi-Fiルーターのレンタルを国内外で行うグローバルWiFi事業と、スタートアップ、ベンチャー企業向けを中心に各種通信サービスの加入取次ぎ、情報通信機器の販売、ホームページ制作等のサービスを行う情報通信サービス事業の2つの事業を主軸に展開する。
1. 2017年12月期は期初計画を上回り、2ケタ増収増益を達成
2017年12月期の連結業績は、売上高で前期比18.3%増の17,554百万円、営業利益で同38.6%増の1,788百万円と連続で過去最高業績を更新、期初会社計画(売上高16,713百万円、営業利益1,606百万円)を上回って着地した。主力のグローバルWiFiサービスが注力している法人だけでなく個人旅行者での普及も進み、レンタル利用件数で前期比44%増と大幅伸長し、売上高が前期比31.8%増の10,392百万円と好調に推移したことに加え、セグメント利益もクラウドWiFi対応ルーターの導入効果等でオペレーション効率が改善し、同39.7%増の1,593百万円と大幅増益となったことが主因だ。また、情報通信サービス事業も新設法人やベンチャー企業等の新規顧客獲得が進んだほか、アップセル/クロスセルによる顧客当たり収益の拡大に取り組んだことにより、売上高で前期比2.2%増の7,104百万円、セグメント利益で同14.4%増の1,172百万円と堅調に推移した。
2. 2018年12月期業績も2ケタ増収増益続く
2018年12月期は重点施策として、事業の拡大と周辺ビジネスの収益化で差別化を図り、業界圧倒的No.1(生産性、シェア、利益)の実現を目指していく。連結業績は、売上高で前期比17.3%増の20,599百万円、営業利益で同25.9%増の2,252百万円と2ケタ増収増益が続く見通しだ。グローバルWiFi事業は販売チャネルの拡大(販売委託契約、法人契約増等)やサービス向上に伴う利用件数の増加に伴い、売上高で前期比24.6%増、セグメント利益で同22.2%増を見込む。利益率が若干低下する想定だが、クラウドWiFiルーターの導入率が前期末の約50%からさらに上昇するほか、オペレーションコストが低減される法人向け常時貸し出しサービス「グローバルWiFi for Biz」の拡販を進めるなど、収益性向上に向けた取り組みも進めていく。一方、情報通信事業は売上高で前期比5.6%増、セグメント利益で同12.5%増を見込む。2017年10月にオープンした企業総合支援サイト「ビマケ(Vision Business Market)」上での集客強化や、得意としているアップセル/クロスセルを促進していくほか、自社開発して社内で利用している業務支援ソフト(ワークフロー、SFA等)の外販も進めていく予定にしている。
3. 顧客基盤を生かして旅行関連サービスプラットフォームを育成中
同社は、中期的な成長戦略としてグローバルWiFi事業の更なる拡大と、ストック型ビジネスである情報通信事業の安定成長に加えて、顧客基盤を生かした旅行関連サービスプラットフォーム事業の育成に注力している。海外渡航者の課題解決に役立つ情報・サービスの提供、訪日外国人をターゲットにした広告メディアサービスなどに取り組んでいる。特に、広告メディアサービスについては費用対効果が高いとの評価を得ており、受注案件も増加している。業績に与える影響はまだ軽微だが今後は事業を拡大していくものと見られ、成長ポテンシャルは高い。
4. 株主還元は自社株買いや企業価値向上により報いる方針
株主還元については、事業の成長期にあるとの判断から財務体質の強化と事業拡大のための投資を優先し、更なる企業価値の向上を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため、配当に関しては当面無配を継続する可能性が高く、収益成長に伴う株価上昇や自社株買い等で株主に報いていく方針としている。なお、2017年8月に自社株買い(上限21.7万株、取得増額5億円、取得期間2018年8月16日まで)を発表しており、2018年1月末時点で700株を1.6百万円で取得している。
■Key Points
・個人での利用浸透が進み、2017年12月期のグローバルWiFi事業は前期比30%以上の大幅増収増益に
・既存事業の拡大と周辺ビジネスの収益化で差別化を図り、2018年12月期も2ケタ増収増益を目指す
・旅行関連サービスプラットフォームを新たな収益柱として育成し、成長を加速化していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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