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ベネ・ワン Research Memo(1):HR Techで「働き方改革」から「経営改革」まで後押し

注目トピックス 日本株
■要約

ベネフィット・ワン<2412>は、ITシステムの刷新や組織の再編など自らがデジタルトランスフォーメーションを進化させるだけでなく、HR Techを提供することで顧客企業の働き方改革と経営改革を後押しする。日本経済は生産年齢人口の減少と労働時間の短縮により、1人当たりの生産性を1.5倍に向上させる必要に迫られている。長時間労働を前提とした“昭和的”なホワイトカラーの低生産性に、働き方改革のメスが入っている。IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボット(ソフトウェアロボットを含む)が引き起こす第4次産業革命が、企業を取り巻く環境に破壊的創造をもたらす。

1. 同一労働同一賃金により非正規2,000万人と中小企業向け需要が立ち上がる
同一労働同一賃金には、給与だけでなく福利厚生が含まれることから、2019年度に非正規労働者向けの需要が顕在化する。一部企業では、前倒しで進めている。同社が提供する福利厚生サービスに加入する非正規労働者は36万人。既存会員企業が抱える未加入非正規労働者は142万人いる。加えて、未開拓マーケットは1,933万人となる。2018年4月時点の福利厚生会員475万人の4.4倍の潜在市場となる。さらに非正規労働者に福利厚生が提供されれば、中小企業の正規社員向け福利厚生需要が拡大するトリガーとなることが見込まれる。

2. コーポレートガバナンス強化が、脱・小口精算を活性化
日本のキャッシュレス化率は20%と米国の46%、中国の60%に比べ低い。日本政府は、2020年までに2倍の40%へ引き上げることを目指している。小口・出張費・接待交際費の精算に関し、社員が現金で建て替えるのは日本固有の慣習であり、事務手続きが煩雑で時間を要する上、カラ出張やカラ接待などの不正を生む温床と成りかねない。同社のBTM(Business Travel Management)サービスなどの精算代行システムを利用すれば、経費の見える化・キャッシュレス化によるコーポレートガバナンスの強化と業務の省力化ができる。大手金融機関が2018年10月より利用を開始する。今後、市場の活性化が本格化する。

3. 株式分割、増配、自社株消却、東証1部への指定替え申請
2018年3月期は、株式分割(1株につき2株の割合)を行った。1株当たり配当金が年28.5円と分割修正後で前期比4.5円の増配となった。2019年3月期は、38.0円の連続増配を計画している。2018年5月に発行済み株式数の約10%に相当する自己株式の消却を行った。また、今期中を目標に東証2部から東証1部への指定替え申請を予定する。企業価値向上に資することが期待される。

■Key Points
・「同一労働同一賃金」で非正規2,000万人超が潜在顧客に
・脱・小口精算は、大手金融機関のサービス導入により市場活性本格化
・株式分割、増配、自己株式の消却、東証一部への指定替え申請

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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