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クレオ Research Memo(6):安定事業の持続的成長に加え、新規事業の事業化・拡大を推進し100年企業を目指す

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略

クレオ<9698>は2017年4月に持続的成長のための事業ポートフォリオの転換に着手した。安定的収益基盤の収益を生かし、長期的に大きな事業拡大の可能性があるソリューションサービス事業や、新規事業のための研究開発に注力し、長期的な成長ドライバーと成り得る事業の改革、育成への取り組みを始めた。2020年3月期(2019年度)には売上高15,000百万円、営業利益1,000百万円を達成し、100年企業を目指して堅実な成長を図る計画である。

同社の成長戦略のイメージは以下のとおりである。既存顧客に対し得意領域である統合ソリューション提案のクロスセルを行うことなどにより収益基盤を厚くし、次に株主であるアマノと協業してアマノの顧客基盤への提案を行うことで顧客・サービスの裾野を拡大する。これらの顧客に対しクレオRPAサービスや経営データ分析など創出した新ビジネスを提供することで新たなビジネス基盤を作り、その後にグローバル関連事業の基盤を構築・拡大していく計画である。


同社の掲げる成長戦略について
1. 顧客内No.1への取り組み
顧客内No.1への取り組みとしてITサービスや製品といった「モノ」の提供に加えて、経営革新と業務改善を組み合わせた統合ソリューションというサービス、「コト」の提供にシフトし、顧客の課題に総合的に対応できる「ITコンシェルジュ」を目指し、顧客内No.1の確保を狙う。点だった製品を線でつなぎ、統合サービスとして提供することで、クロスセルを狙う。

2. 顧客/サービスの裾野拡大
同社の大株主でもあり中小・中堅企業向け就業管理システムに強みを持つアマノと協業し、アマノの営業力を生かして顧客/サービスの裾野拡大を図っている。

3. 新ビジネス創出:クレオRPAサービス
同社はRPA分野のリーディングカンパニーであるRPAテクノロジーズ(株)が提供する「BizRobo!」を採用、ERPとBPM(Business Process Management:業務プロセス管理・統制)のノウハウを組み合わせた、顧客がより効果的に業務自動化を推進できるRPAサービスの提供を開始した。

同社開催のセミナーへの出席申込みは多くあり、ユーザーの関心は高く、注目度が高いことがうかがわれる。販売初年度は、基幹パッケージ「ZeeM(ジーム)」とビジネスプロセス管理ツール「BIZ PLATFORM(ビズプラットフォーム)」のユーザーを中心に200社の契約を目指し、3年間で800社の契約を目指す。

4. クレオユーザー会
これまではZeeMユーザー会として活動していたが、2018年度よりクレオユーザー会としてリニューアルし、新たに経営層も巻き込んでいく。トップダウンでのアプローチも加えることで、顧客との関係性を強め、経営課題から業務課題まで幅広く相談に乗れるITコンシェルジュになり、顧客内でのNo.1を目指す。これらの取り組みにより、短期的な収益力の向上に加えて、中長期的な成長を狙う。


■株主還元策
連結配当性向40%維持を狙う
同社では株主への剰余金処分を経営の重要な政策の1つと考えている。配当については長期的な視点に立ち、連結業績に応じた安定的な利益の配分を基本方針としている。株主への長期的な利益還元をさらに充実させるため、連結配当性向40%を目標としており、2018年3月期は15.0円の配当を実施し、連結配当性向は40.8%であった。2019年3月期は年間20円の配当(連結配当性向 41.6%)を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)



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