イントラスト Research Memo(1):家賃をはじめ医療・介護費用等で滞納リスクを保証する総合保証サービス会社
[18/06/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
イントラスト<7191>は、2006年に現代表取締役社長の桑原豊(くわばらゆたか)氏が創業した新興の総合保証サービス会社である。大和ハウスグループ<1925>などの大手不動産会社が取引先であり、効率的かつコンプライアンスを徹底した企業運営を特徴とする。近年、滞納リスクを自社で取らずに専門業務のみを代行するソリューション事業の比率を高めており、収益性向上につなげている。家賃債務保証を手掛ける上場会社は、あんしん保証<7183>、ジェイリース<7187>、Casa<7196>を含め4社あるが、同社は、医療費用保証・介護費用保証や養育費保証にも進出しており、総合保証サービスを展開する点で他社と一線を画している。2016年12月には東証マザーズ市場に上場、2017年12月には早くも東証1部に昇格した。
1. 事業内容
家賃債務保証市場はこれまでも毎年2ケタ成長をしてきており、今後も成長を維持すると見られている。家賃保証会社の利用率は2010年に43%であったが、2016年には56%まで上昇(国土交通省「家貸債務保証の現状」より)、現在は60%を超えていると考えられる。主な成長ドライバーは、世帯数の増加、連帯保証人に対して極度限度額の明示義務化(2020年4月施行の民法改正)、高齢者の増加などである。
同社の家賃債務保証の特徴は、大手不動産顧客を対象に効率的なビジネスモデルを確立している点である。大手顧客の中でも大和リビング(株)をはじめとする大和ハウスグループとの関わりは深く、同社売上の約7割が大和ハウスグループである。大手顧客の全国的な組織力を活用して成長できる点でメリットがある。東京以外の拠点は7拠点、従業員数92名であり、同業他社と比較して圧倒的に少ない。営業利益率が25%を超えているのも、大手顧客特化戦略の結果と言えるだろう。
2. 業績動向
2018年3月期通期の業績は、売上高で前期比8.8%増の2,951百万円、営業利益で同27.0%増の772百万円、経常利益で25.8%増の752百万円、当期純利益で同24.3%増の508百万円となり増収増益となった。特に各利益に関しては20%を超える大幅増益となった。売上面では、ソリューション事業が前期比27.6%増と高い成長をしたことが全社の増収をけん引した。利益面では、ソリューション事業の収益性が高いために、その比率の向上が営業利益増につながった。業容拡大により人件費が増加し、売上原価及び販管費も増加したものの、増収効果及び業務効率改善が奏功し大幅増益となった。
2019年3月期通期の業績は、売上高で前期比16.5%増の3,440百万円、営業利益で同19.7%増の925百万円、経常利益で同23.0%増の925百万円、当期純利益で同23.8%増の630百万円を予想する。前期同様にソリューション事業の伸びが予想される。保証事業では、医療費用保証及び介護費用保証の分野が拡大すると予想する。
3. 成長戦略
同社は、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。現在(2018年3月期)からの3年間で、売上高で年平均19.2%成長、営業利益で同17.4%成長を見込むもので野心的な計画である。2021年3月期の売上高は5,000百万円であり、そのうち9割程度が家賃保証関連であり、約1割が医療・介護を含む新分野の保証サービスを想定する。スローガンは「Zero to One」。創業当時を忘れずに、“ゼロからイチ”を生み出す意識を徹底し、3年間で新たな事業分野を成長させる意気込みだ。既に、医療分野での入院患者向けレンタル事業のエラン<6099>と提携した販売強化、養育費保証サービスの開始など、挑戦が開始されている。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、将来の事業拡大と企業体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績と連動した安定的な配当を継続していく。2018年3月期の1株当たり配当金は5円(中間2円、期末3円、株式分割後換算)、配当性向21.7%と増配した。2019年3月期は配当金7円(中間3.5円、期末3.5円)、配当性向24.6%と連続増配を予想する。
■Key Points
・家賃をはじめ医療・介護費用等様々な領域で滞納リスクを保証する総合保証サービス会社、2017年12月東証1部に昇格
・大手不動産管理会社を顧客に効率・高収益ビジネスモデルを確立
・2018年3月期は大幅増益。ソリューション事業の成長と業務効率改善が奏功
・中期経営計画で3年後売上高5,000百万円、営業利益1,250百万円を目指す。医療・介護費用保証を次の柱へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<MH>
イントラスト<7191>は、2006年に現代表取締役社長の桑原豊(くわばらゆたか)氏が創業した新興の総合保証サービス会社である。大和ハウスグループ<1925>などの大手不動産会社が取引先であり、効率的かつコンプライアンスを徹底した企業運営を特徴とする。近年、滞納リスクを自社で取らずに専門業務のみを代行するソリューション事業の比率を高めており、収益性向上につなげている。家賃債務保証を手掛ける上場会社は、あんしん保証<7183>、ジェイリース<7187>、Casa<7196>を含め4社あるが、同社は、医療費用保証・介護費用保証や養育費保証にも進出しており、総合保証サービスを展開する点で他社と一線を画している。2016年12月には東証マザーズ市場に上場、2017年12月には早くも東証1部に昇格した。
1. 事業内容
家賃債務保証市場はこれまでも毎年2ケタ成長をしてきており、今後も成長を維持すると見られている。家賃保証会社の利用率は2010年に43%であったが、2016年には56%まで上昇(国土交通省「家貸債務保証の現状」より)、現在は60%を超えていると考えられる。主な成長ドライバーは、世帯数の増加、連帯保証人に対して極度限度額の明示義務化(2020年4月施行の民法改正)、高齢者の増加などである。
同社の家賃債務保証の特徴は、大手不動産顧客を対象に効率的なビジネスモデルを確立している点である。大手顧客の中でも大和リビング(株)をはじめとする大和ハウスグループとの関わりは深く、同社売上の約7割が大和ハウスグループである。大手顧客の全国的な組織力を活用して成長できる点でメリットがある。東京以外の拠点は7拠点、従業員数92名であり、同業他社と比較して圧倒的に少ない。営業利益率が25%を超えているのも、大手顧客特化戦略の結果と言えるだろう。
2. 業績動向
2018年3月期通期の業績は、売上高で前期比8.8%増の2,951百万円、営業利益で同27.0%増の772百万円、経常利益で25.8%増の752百万円、当期純利益で同24.3%増の508百万円となり増収増益となった。特に各利益に関しては20%を超える大幅増益となった。売上面では、ソリューション事業が前期比27.6%増と高い成長をしたことが全社の増収をけん引した。利益面では、ソリューション事業の収益性が高いために、その比率の向上が営業利益増につながった。業容拡大により人件費が増加し、売上原価及び販管費も増加したものの、増収効果及び業務効率改善が奏功し大幅増益となった。
2019年3月期通期の業績は、売上高で前期比16.5%増の3,440百万円、営業利益で同19.7%増の925百万円、経常利益で同23.0%増の925百万円、当期純利益で同23.8%増の630百万円を予想する。前期同様にソリューション事業の伸びが予想される。保証事業では、医療費用保証及び介護費用保証の分野が拡大すると予想する。
3. 成長戦略
同社は、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。現在(2018年3月期)からの3年間で、売上高で年平均19.2%成長、営業利益で同17.4%成長を見込むもので野心的な計画である。2021年3月期の売上高は5,000百万円であり、そのうち9割程度が家賃保証関連であり、約1割が医療・介護を含む新分野の保証サービスを想定する。スローガンは「Zero to One」。創業当時を忘れずに、“ゼロからイチ”を生み出す意識を徹底し、3年間で新たな事業分野を成長させる意気込みだ。既に、医療分野での入院患者向けレンタル事業のエラン<6099>と提携した販売強化、養育費保証サービスの開始など、挑戦が開始されている。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、将来の事業拡大と企業体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績と連動した安定的な配当を継続していく。2018年3月期の1株当たり配当金は5円(中間2円、期末3円、株式分割後換算)、配当性向21.7%と増配した。2019年3月期は配当金7円(中間3.5円、期末3.5円)、配当性向24.6%と連続増配を予想する。
■Key Points
・家賃をはじめ医療・介護費用等様々な領域で滞納リスクを保証する総合保証サービス会社、2017年12月東証1部に昇格
・大手不動産管理会社を顧客に効率・高収益ビジネスモデルを確立
・2018年3月期は大幅増益。ソリューション事業の成長と業務効率改善が奏功
・中期経営計画で3年後売上高5,000百万円、営業利益1,250百万円を目指す。医療・介護費用保証を次の柱へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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