TKP Research Memo(1):2019年2月期第1四半期の連結業績は、積極出店により大幅な増収増益を実現
[18/08/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。また、ケータリングや宿泊などの周辺サービスによる差別化や高付加価値化にも取り組んでいる。
貸会議室は目的や予算に応じて5つのグレードに分かれるが、会議室数は合計2,004室(うち、海外46室)に上り、全国の主要都市に幅広く展開している(2018年5月末時点)。また、年間利用企業数は約24,000社(うち、上場企業約2,000社)を誇り、85%の高いリピート率により安定収益基盤を形成するとともに、今後の事業展開の可能性を広げる重要な資産となっている。2017年11月には大塚家具<8186>との業務・資本提携(店舗スペースの有効活用など)を締結し、今後は商業施設への展開も加速する方針である。
2. 2019年2月期第1四半期の連結業績
2019年2月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比25.7%増の9,118百万円、営業利益が同24.8%増の1,765百万円と大幅な増収増益となり、売上高、各利益ともに過去最高(四半期ベース)を更新した。売上高は、上位3グレードを軸とした拠点数の拡大(前期末比12拠点増)やホテル事業の伸長、周辺サービスの取り込みによる単価の向上などが増収に寄与した。特に、「会議室料」の構成比率(依存度)は53.7%(前年同期は57.2%)に低下しており、同社が目指す高付加価値化が順調に進展していると言える。利益面では、今後の事業拡大に向けた積極出店や大型宿泊施設(レクトーレ葉山)の開業に係る費用のほか、人員増に伴う人件費等により費用が拡大したものの、増収により増益を確保した。また、大塚家具(ショールーム等)への出店においても成果を残し、今後の商業施設への展開に向けた足がかりを築いたと言える。
3. 2019年2月期の業績予想
2019年2月期の連結業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比20.4%増の34,550百万円、営業利益を同16.1%増の4,004百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き、上位3グレードを軸とした出店継続と顧客単価の向上、ホテル事業の拡大などが増収に寄与する想定である。2019年2月末の会議室数は24拠点の開設により2,124室(前期末比266室増)を計画。また、注力するホテル事業についても、年間で4拠点をオープンさせる計画である。利益面では、増収による増益を見込んでいるものの、新規出店数の拡大やホテル開業にかかる費用等により営業利益率では若干低下する想定となっている。
4. 成長戦略
同社は、2018年1月24日にこれまでの中期経営計画を増額修正し、2021年2月期を最終年度とする新たな中期経営計画を発表した。ただ、基本的な方向性に変更はない。注力分野はホテル事業であり、宿泊研修市場の確立によって成長を加速する戦略である。2021年2月期の目標として、売上高45,858百万円(3年間の平均成長率16.9%)、営業利益6,702百万円(利益率14.6%)を掲げている。また、これまで「貸会議室・宴会場事業」を中核として「空間再生事業」及び「その周辺事業(料飲や宿泊、イベントプロデュースなど)」を立体的に展開してきた同社であるが、今後はさらに商業施設への展開を加速する方針であり、既売会・催事場・ポップアップストアなど「商売する人に貸す」ことを通じて、事業ドメインの拡大を図る方向性を描いている。
■Key Points
・2019年2月期第1四半期の連結業績は大幅な増収増益を実現
・高付加価値グレードの積極出店が増収増益に寄与したほか、大型宿泊研修所(レクトーレ葉山)の運営も開始
・大塚家具(ショールーム等)への出店を皮切りに、今後は商業施設(店舗スペースの有効活用)への展開も加速する方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<MH>
1. 会社概要
ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。また、ケータリングや宿泊などの周辺サービスによる差別化や高付加価値化にも取り組んでいる。
貸会議室は目的や予算に応じて5つのグレードに分かれるが、会議室数は合計2,004室(うち、海外46室)に上り、全国の主要都市に幅広く展開している(2018年5月末時点)。また、年間利用企業数は約24,000社(うち、上場企業約2,000社)を誇り、85%の高いリピート率により安定収益基盤を形成するとともに、今後の事業展開の可能性を広げる重要な資産となっている。2017年11月には大塚家具<8186>との業務・資本提携(店舗スペースの有効活用など)を締結し、今後は商業施設への展開も加速する方針である。
2. 2019年2月期第1四半期の連結業績
2019年2月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比25.7%増の9,118百万円、営業利益が同24.8%増の1,765百万円と大幅な増収増益となり、売上高、各利益ともに過去最高(四半期ベース)を更新した。売上高は、上位3グレードを軸とした拠点数の拡大(前期末比12拠点増)やホテル事業の伸長、周辺サービスの取り込みによる単価の向上などが増収に寄与した。特に、「会議室料」の構成比率(依存度)は53.7%(前年同期は57.2%)に低下しており、同社が目指す高付加価値化が順調に進展していると言える。利益面では、今後の事業拡大に向けた積極出店や大型宿泊施設(レクトーレ葉山)の開業に係る費用のほか、人員増に伴う人件費等により費用が拡大したものの、増収により増益を確保した。また、大塚家具(ショールーム等)への出店においても成果を残し、今後の商業施設への展開に向けた足がかりを築いたと言える。
3. 2019年2月期の業績予想
2019年2月期の連結業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比20.4%増の34,550百万円、営業利益を同16.1%増の4,004百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き、上位3グレードを軸とした出店継続と顧客単価の向上、ホテル事業の拡大などが増収に寄与する想定である。2019年2月末の会議室数は24拠点の開設により2,124室(前期末比266室増)を計画。また、注力するホテル事業についても、年間で4拠点をオープンさせる計画である。利益面では、増収による増益を見込んでいるものの、新規出店数の拡大やホテル開業にかかる費用等により営業利益率では若干低下する想定となっている。
4. 成長戦略
同社は、2018年1月24日にこれまでの中期経営計画を増額修正し、2021年2月期を最終年度とする新たな中期経営計画を発表した。ただ、基本的な方向性に変更はない。注力分野はホテル事業であり、宿泊研修市場の確立によって成長を加速する戦略である。2021年2月期の目標として、売上高45,858百万円(3年間の平均成長率16.9%)、営業利益6,702百万円(利益率14.6%)を掲げている。また、これまで「貸会議室・宴会場事業」を中核として「空間再生事業」及び「その周辺事業(料飲や宿泊、イベントプロデュースなど)」を立体的に展開してきた同社であるが、今後はさらに商業施設への展開を加速する方針であり、既売会・催事場・ポップアップストアなど「商売する人に貸す」ことを通じて、事業ドメインの拡大を図る方向性を描いている。
■Key Points
・2019年2月期第1四半期の連結業績は大幅な増収増益を実現
・高付加価値グレードの積極出店が増収増益に寄与したほか、大型宿泊研修所(レクトーレ葉山)の運営も開始
・大塚家具(ショールーム等)への出店を皮切りに、今後は商業施設(店舗スペースの有効活用)への展開も加速する方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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