UMN Research Memo(1):塩野義製薬との資本業務提携による感染症予防ワクチンの開発は順調に進捗
[18/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
UMNファーマ<4585>は、インフルエンザ等の感染症予防ワクチンの開発を進めるバイオベンチャー。次世代バイオ医薬品自社開発事業とバイオ医薬品等受託製造事業を展開する。2017年10月に塩野義製薬<4507>と資本業務提携契約を締結し、感染症領域での予防ワクチン開発に向けた基盤技術整備及び開発候補品の基礎的研究を推進中。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計業績は、売上高が53百万円(前年同期は2百万円)、営業損失が305百万円(同315百万円の損失)となった。売上高は塩野義製薬との資本業務提携契約において設定された半年ごとの成果達成状況に基づき、第1回のマイルストーン条件を達成したことによるマイルストーンフィー50百万円を計上したことが増収要因となった。事業費用は、塩野義製薬との業務提携に係る研究開発費や横浜研究所実験環境整備費用、秋田工場再立上げ費用等を計上したことにより、前年同期並みの水準にとどまった。なお、研究開発費は前年同期比40百万増加の234百万円となっている。
2. 今後の事業方針
同社では今後の事業方針として、塩野義製薬との業務提携による次世代ロジカルワクチン※の創製に向けた基盤技術整備並びに新基盤技術を用いた開発候補品の基礎的研究を進め、2019年に開発候補品目の中からパイプラインを選定し、本格開発ステージ(非臨床試験開始)に移行する計画となっている。また、本格開発に向けて塩野義製薬と第2フェーズの提携協議(契約スキーム、追加資金調達スキーム)を行うことになっている。当初は2019年末頃を目途に第2フェーズの提携発表を目指していたが、開発状況が順調なことからスケジュールがやや前倒しで進む可能性が出てきている。
※次世代ロジカルワクチンとは、同社が今まで蓄積してきたワクチン開発のノウハウ・技術を活用して、ヒト用感染症予防ワクチンを始めとする次世代バイオ医薬品の原薬となる組換えタンパク抗原の製造技術、アジュバント(ワクチン等の有効性を高めるための医薬品添加物)技術及び製剤/ドラッグ・デリバリー技術を統合したワクチンの開発コンセプトを指し、既存品に対して高い有効性、高生産性を実現するワクチンである。
3. 2018年12月期業績見通し
2018年12月期業績は売上高が前期比1.1%減の102百万円、営業損失が803百万円(前期は498百万円の損失)と期初計画を据え置いている。売上高は第4四半期に塩野義製薬からの第2回マイルストーンフィー50百万円を見込んでいる。費用面では研究開発費が前期比202百万円増加の582百万円と増加することから営業損失はやや拡大する見通しだ。
4. 資金調達について
2018年12月期第2四半期末の現金及び預金は1,312百万円となっており、2019年12月期までの事業資金については確保済みとなっている。また、2020年12月期以降については塩野義製薬との第2フェーズの提携協議によって決定されることになる。なお、当第2四半期末の純資産は28百万円のマイナスと債務超過となっているが、塩野義製薬が保有している転換社債1,460百万円分を段階的に転換していくことで債務超過を解消していく予定になっている。株価が転換価額である298円を下回り、想定するタイミングで転換が実行できない場合は、その直近の株価条件にて新たに転換社債を発行し、塩野義製薬に割り当てることで債務超過を回避する方針となっている。
■Key Points
・感染症予防ワクチンの開発を進めるバイオベンチャーで、塩野義製薬と資本業務提携を2017年10月に締結
・2018年12月期業績は研究開発費の増加で営業損失が拡大するが、おおむね計画どおり推移する見通し
・塩野義製薬との提携による開発スケジュールは順調に推移、2019年12月期中に開発パイプラインを選定し、提携第2フェーズへの移行を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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UMNファーマ<4585>は、インフルエンザ等の感染症予防ワクチンの開発を進めるバイオベンチャー。次世代バイオ医薬品自社開発事業とバイオ医薬品等受託製造事業を展開する。2017年10月に塩野義製薬<4507>と資本業務提携契約を締結し、感染症領域での予防ワクチン開発に向けた基盤技術整備及び開発候補品の基礎的研究を推進中。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計業績は、売上高が53百万円(前年同期は2百万円)、営業損失が305百万円(同315百万円の損失)となった。売上高は塩野義製薬との資本業務提携契約において設定された半年ごとの成果達成状況に基づき、第1回のマイルストーン条件を達成したことによるマイルストーンフィー50百万円を計上したことが増収要因となった。事業費用は、塩野義製薬との業務提携に係る研究開発費や横浜研究所実験環境整備費用、秋田工場再立上げ費用等を計上したことにより、前年同期並みの水準にとどまった。なお、研究開発費は前年同期比40百万増加の234百万円となっている。
2. 今後の事業方針
同社では今後の事業方針として、塩野義製薬との業務提携による次世代ロジカルワクチン※の創製に向けた基盤技術整備並びに新基盤技術を用いた開発候補品の基礎的研究を進め、2019年に開発候補品目の中からパイプラインを選定し、本格開発ステージ(非臨床試験開始)に移行する計画となっている。また、本格開発に向けて塩野義製薬と第2フェーズの提携協議(契約スキーム、追加資金調達スキーム)を行うことになっている。当初は2019年末頃を目途に第2フェーズの提携発表を目指していたが、開発状況が順調なことからスケジュールがやや前倒しで進む可能性が出てきている。
※次世代ロジカルワクチンとは、同社が今まで蓄積してきたワクチン開発のノウハウ・技術を活用して、ヒト用感染症予防ワクチンを始めとする次世代バイオ医薬品の原薬となる組換えタンパク抗原の製造技術、アジュバント(ワクチン等の有効性を高めるための医薬品添加物)技術及び製剤/ドラッグ・デリバリー技術を統合したワクチンの開発コンセプトを指し、既存品に対して高い有効性、高生産性を実現するワクチンである。
3. 2018年12月期業績見通し
2018年12月期業績は売上高が前期比1.1%減の102百万円、営業損失が803百万円(前期は498百万円の損失)と期初計画を据え置いている。売上高は第4四半期に塩野義製薬からの第2回マイルストーンフィー50百万円を見込んでいる。費用面では研究開発費が前期比202百万円増加の582百万円と増加することから営業損失はやや拡大する見通しだ。
4. 資金調達について
2018年12月期第2四半期末の現金及び預金は1,312百万円となっており、2019年12月期までの事業資金については確保済みとなっている。また、2020年12月期以降については塩野義製薬との第2フェーズの提携協議によって決定されることになる。なお、当第2四半期末の純資産は28百万円のマイナスと債務超過となっているが、塩野義製薬が保有している転換社債1,460百万円分を段階的に転換していくことで債務超過を解消していく予定になっている。株価が転換価額である298円を下回り、想定するタイミングで転換が実行できない場合は、その直近の株価条件にて新たに転換社債を発行し、塩野義製薬に割り当てることで債務超過を回避する方針となっている。
■Key Points
・感染症予防ワクチンの開発を進めるバイオベンチャーで、塩野義製薬と資本業務提携を2017年10月に締結
・2018年12月期業績は研究開発費の増加で営業損失が拡大するが、おおむね計画どおり推移する見通し
・塩野義製薬との提携による開発スケジュールは順調に推移、2019年12月期中に開発パイプラインを選定し、提携第2フェーズへの移行を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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