サイネックス Research Memo(1):地域・自治体の支援と自社の収益成長の両立を目指す
[18/08/30]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
サイネックス<2376>は地域密着型情報発信企業。50音別無料電話帳『テレパル50』の発行からスタートし、市町村の行政情報などを網羅した無料行政情報誌『わが街事典』を全国展開している。Webを活用してふるさと納税支援や地域特産品の販売なども行っており、地方創生を総合的に支援する社会貢献型企業であることを経営方針としている。
1. 2018年3月期は『わが街事典』のずれ込みで減収減益。実態的には順調に推移
同社の2018年3月期は、売上高12,956百万円(前期比2.6%減)、営業利益513百万円(同36.8%減)となった。出版事業の中の『わが街事典』の収益計上がずれ込んだことが主たる要因だ。発行自治体数は195と高水準だったが、同社の計画に対しては未達となった。WEB・ソリューション事業では、ヤフー<4689>事業で代理店取引を縮小したことで減収となり、利益面ではアプリやシステムの開発費用の増加により減益となった。主力2事業におけるこれらの要因により、前期比減収減益での着地となった。しかしながら、ふるさと納税支援やeコマース支援、自治体向けクラウドサービスなどが順調に進捗したほか、『わが街事典』も期末にかけて遅れの一部を挽回するなど、実態的には着実な成長がうかがえる1年だったと弊社では評価している。
2. “地方創生”が成長エンジン。『地方創生プラットフォーム構想』に全力を尽くす
同社の経営理念は“地方創生のプラットフォームの役割を担う『社会貢献型企業』へ”だ。衰退が顕著な地方が活力を取り戻すことに貢献すべく、同社は「官民協働事業」の推進に取り組んでいる。同社の多種多様なサービスは、公共の領域(自治体)と地域経済の領域(民間事業者)の両方をカバーしており、それぞれを有機的につなげてシナジー効果を創出し、地方創生と自社の成長を両立させることを目指している。この枠組みを『地方創生プラットフォーム構想』として、成長戦略の中核に据えている。
3. 2019年3月期は『わが街事典』の高水準の発行で増収増益。新事業等の展開にも注目
2019年3月期通期について同社は、売上高13,700百万円(前期比5.7%増)、営業利益620百万円(同20.7%増)と増収増益を予想している。売上高は前期からのずれ込み分もあり、過去最高となる見通しだ。一方利益面では、大規模自治体との『わが街事典』の共同発行が増加し、いわゆるプロダクトミックスの改善により利益率が上昇すると期待される。アプリやシステムの開発経費の増加を吸収し、前期比増益を確保すると予想されている。今後の成長を予想するうえでは、自治体向けクラウドサービスの拡大と収益化の進捗、『わが街集客アプリ』の契約数の拡大、旅行事業におけるインバウンド需要のみならず、アウトバウンド需要も取り込み、スーパーホテル誘致事業の進捗などに注目していきたいと考えている。
■Key Points
・2018年3月期は収益計上のずれ込みで減収減益。実態的には全般に順調に推移
・『地方創生プラットフォーム構想』のもと地方創生を多面的に支援し、収益成長へとつなげる
・インバウンドのみならずアウトバウンド需要の取り込みや『わが街集客アプリ』、スーパーホテル誘致事業などの新たな取り組みに注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>
サイネックス<2376>は地域密着型情報発信企業。50音別無料電話帳『テレパル50』の発行からスタートし、市町村の行政情報などを網羅した無料行政情報誌『わが街事典』を全国展開している。Webを活用してふるさと納税支援や地域特産品の販売なども行っており、地方創生を総合的に支援する社会貢献型企業であることを経営方針としている。
1. 2018年3月期は『わが街事典』のずれ込みで減収減益。実態的には順調に推移
同社の2018年3月期は、売上高12,956百万円(前期比2.6%減)、営業利益513百万円(同36.8%減)となった。出版事業の中の『わが街事典』の収益計上がずれ込んだことが主たる要因だ。発行自治体数は195と高水準だったが、同社の計画に対しては未達となった。WEB・ソリューション事業では、ヤフー<4689>事業で代理店取引を縮小したことで減収となり、利益面ではアプリやシステムの開発費用の増加により減益となった。主力2事業におけるこれらの要因により、前期比減収減益での着地となった。しかしながら、ふるさと納税支援やeコマース支援、自治体向けクラウドサービスなどが順調に進捗したほか、『わが街事典』も期末にかけて遅れの一部を挽回するなど、実態的には着実な成長がうかがえる1年だったと弊社では評価している。
2. “地方創生”が成長エンジン。『地方創生プラットフォーム構想』に全力を尽くす
同社の経営理念は“地方創生のプラットフォームの役割を担う『社会貢献型企業』へ”だ。衰退が顕著な地方が活力を取り戻すことに貢献すべく、同社は「官民協働事業」の推進に取り組んでいる。同社の多種多様なサービスは、公共の領域(自治体)と地域経済の領域(民間事業者)の両方をカバーしており、それぞれを有機的につなげてシナジー効果を創出し、地方創生と自社の成長を両立させることを目指している。この枠組みを『地方創生プラットフォーム構想』として、成長戦略の中核に据えている。
3. 2019年3月期は『わが街事典』の高水準の発行で増収増益。新事業等の展開にも注目
2019年3月期通期について同社は、売上高13,700百万円(前期比5.7%増)、営業利益620百万円(同20.7%増)と増収増益を予想している。売上高は前期からのずれ込み分もあり、過去最高となる見通しだ。一方利益面では、大規模自治体との『わが街事典』の共同発行が増加し、いわゆるプロダクトミックスの改善により利益率が上昇すると期待される。アプリやシステムの開発経費の増加を吸収し、前期比増益を確保すると予想されている。今後の成長を予想するうえでは、自治体向けクラウドサービスの拡大と収益化の進捗、『わが街集客アプリ』の契約数の拡大、旅行事業におけるインバウンド需要のみならず、アウトバウンド需要も取り込み、スーパーホテル誘致事業の進捗などに注目していきたいと考えている。
■Key Points
・2018年3月期は収益計上のずれ込みで減収減益。実態的には全般に順調に推移
・『地方創生プラットフォーム構想』のもと地方創生を多面的に支援し、収益成長へとつなげる
・インバウンドのみならずアウトバウンド需要の取り込みや『わが街集客アプリ』、スーパーホテル誘致事業などの新たな取り組みに注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>