サイネックス Research Memo(4):『地方創生プラットフォーム構想』のもと地方創生を多面的に支援
[18/08/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
1. 成長戦略の全体像
会社概要の項で述べたところと一部重なるが、サイネックス<2376>の経営理念は“地方創生のプラットフォームの役割を担う『社会貢献型企業』へ”というものだ。この背景には衰退が顕著な地方が活力を取り戻すことに貢献しようという強い使命感がある。具体的な枠組みとして同社は「官民協働事業」の推進に取り組んでいる。同社の事業やその収益モデルはこの視点で貫かれており、同社にとって成長戦略とは経営理念の実現そのものと言える。
同社は、経営理念をより具体的事業に落とし込んだものとして、『地方創生プラットフォーム構想』を打ち出している。同社は創業以来60年以上にわたり地方とともに歩み、これまでに『わが街事典』を800超の自治体と共同出版してきたことをはじめとして、様々な分野・事業で自治体や地域経済と深い連携を積み重ね、地方創生のための幅広い知識や経験を培ってきた。それらを生かして官民協働による地域イノベーションの創出を目指すというのが構想の趣旨だ。
同社は地域イノベーションの創出により“産業振興”や“公共革新”などの実現を目指している。産業振興は言うまでもなく地域経済の活性化につながり、公共革新は地方財政の再建につながるものだ。これらの実現は容易ではないが、産業振興では地域経済の活性化に資する新たな事業領域の構築を、公共革新では民間の経営手法・マネジメントの導入によるコスト削減や公共サービスの収益事業化を、それぞれ目指している。
さらに、こうした取り組みを支援・加速させるべく、ICTの活用にも積極的だ。ICTを活用したトータルプロモーションなどの新規事業を随時スタートさせている。
『地方創生プラットフォーム構想』とは、同社が提供する多種多様なサービスを通じて地方創生を支援する取り組みを言う。地域や地方自治体は様々な課題や問題を抱えている。同社は地域行政情報誌『わが街事典』の発行をはじめとして多種多様なサービスを提供しており、地域や行政のニーズに多面的に対応できる体制を作り上げている。これが『地方創生プラットフォーム構想』の本質であり、同社ならではの取り組みと言える。
具体的には、まず、公共の領域においては『わが街事典』やクラウド型行政サービス、『わが街ふるさと納税』などがある。一方、地域経済の領域においては、商工事業者向けには『テレパル50』や『わが街集客アプリ』などを、消費者向けには特産品や観光集客のためのeコマース事業等を展開している。『わが街事典』は地元の商工事業者からの広告収入で成り立っており、地域経済の領域においても重要な役割を果たしている。
同社の地方創生プラットフォーム構想を中核とする成長戦略の特徴は、自治体支援、地域支援の姿勢が徹底していることにあると弊社では考えている。地方創生プラットフォーム構想のサービスの中には収益モデルが確立していない(すなわち同社の収益につながらない)ものもあり、株主、投資家の目線からすれば、収益チャンスを見逃しているように見えるケースもある。しかしながら同社の姿勢が自治体支援、地域支援に徹しているからこそ、官民協働の機会を(地域的にも事業領域的にも)幅広く獲得できているのも事実だ。同社自身は上場企業として株主リターンの最大化にも大きな責任感を持って取り組んでいるのは疑いない。ポイントは、リターンの獲得を急ぐのではなく、自治体支援・地域経済支援を通じて関係をより深く強固なものにした上で、着実に収益を拡大させていくという同社の中長期的なアプローチであり、これこそが同社の成長戦略の真骨頂であるという弊社の考えは従来から変わらない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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1. 成長戦略の全体像
会社概要の項で述べたところと一部重なるが、サイネックス<2376>の経営理念は“地方創生のプラットフォームの役割を担う『社会貢献型企業』へ”というものだ。この背景には衰退が顕著な地方が活力を取り戻すことに貢献しようという強い使命感がある。具体的な枠組みとして同社は「官民協働事業」の推進に取り組んでいる。同社の事業やその収益モデルはこの視点で貫かれており、同社にとって成長戦略とは経営理念の実現そのものと言える。
同社は、経営理念をより具体的事業に落とし込んだものとして、『地方創生プラットフォーム構想』を打ち出している。同社は創業以来60年以上にわたり地方とともに歩み、これまでに『わが街事典』を800超の自治体と共同出版してきたことをはじめとして、様々な分野・事業で自治体や地域経済と深い連携を積み重ね、地方創生のための幅広い知識や経験を培ってきた。それらを生かして官民協働による地域イノベーションの創出を目指すというのが構想の趣旨だ。
同社は地域イノベーションの創出により“産業振興”や“公共革新”などの実現を目指している。産業振興は言うまでもなく地域経済の活性化につながり、公共革新は地方財政の再建につながるものだ。これらの実現は容易ではないが、産業振興では地域経済の活性化に資する新たな事業領域の構築を、公共革新では民間の経営手法・マネジメントの導入によるコスト削減や公共サービスの収益事業化を、それぞれ目指している。
さらに、こうした取り組みを支援・加速させるべく、ICTの活用にも積極的だ。ICTを活用したトータルプロモーションなどの新規事業を随時スタートさせている。
『地方創生プラットフォーム構想』とは、同社が提供する多種多様なサービスを通じて地方創生を支援する取り組みを言う。地域や地方自治体は様々な課題や問題を抱えている。同社は地域行政情報誌『わが街事典』の発行をはじめとして多種多様なサービスを提供しており、地域や行政のニーズに多面的に対応できる体制を作り上げている。これが『地方創生プラットフォーム構想』の本質であり、同社ならではの取り組みと言える。
具体的には、まず、公共の領域においては『わが街事典』やクラウド型行政サービス、『わが街ふるさと納税』などがある。一方、地域経済の領域においては、商工事業者向けには『テレパル50』や『わが街集客アプリ』などを、消費者向けには特産品や観光集客のためのeコマース事業等を展開している。『わが街事典』は地元の商工事業者からの広告収入で成り立っており、地域経済の領域においても重要な役割を果たしている。
同社の地方創生プラットフォーム構想を中核とする成長戦略の特徴は、自治体支援、地域支援の姿勢が徹底していることにあると弊社では考えている。地方創生プラットフォーム構想のサービスの中には収益モデルが確立していない(すなわち同社の収益につながらない)ものもあり、株主、投資家の目線からすれば、収益チャンスを見逃しているように見えるケースもある。しかしながら同社の姿勢が自治体支援、地域支援に徹しているからこそ、官民協働の機会を(地域的にも事業領域的にも)幅広く獲得できているのも事実だ。同社自身は上場企業として株主リターンの最大化にも大きな責任感を持って取り組んでいるのは疑いない。ポイントは、リターンの獲得を急ぐのではなく、自治体支援・地域経済支援を通じて関係をより深く強固なものにした上で、着実に収益を拡大させていくという同社の中長期的なアプローチであり、これこそが同社の成長戦略の真骨頂であるという弊社の考えは従来から変わらない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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