イード Research Memo(3):18年6月期はCMP事業の収益改善施策が奏効、過去最高売上高更新、営業増益に
[18/09/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2018年6月期業績概要
イード<6038>の2018年6月期の連結業績は、売上高で前期比7.2%増の4,715百万円、営業利益で同194.5%増の256百万円、経常利益で同198.2%増の269百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で50百万円(前期は437百万円の損失)となり、売上高では2期ぶりに過去最高を更新し、すべての利益項目で3期ぶりの増益に転じた。主力のCMP事業において広告費の削減や外注費の抑制等の収益改善施策に取り組んだことが大幅増益につながった。なお、前期は子会社の減損損失を中心に特別損失414百万円を計上し最終赤字に転落したが、2018年6月期は特別損失が149百万円に縮小したこともあり、2期ぶりに黒字転換している。
(1) CMP事業
CMP事業の売上高は前期比8.3%増の3,945百万円、営業利益は同304.1%増の225百万円となった。2018年6月期は地方創生分野におけるデジタルマーケティング支援事業を行うネイティブ(株)を子会社化し自社メディア「NATIV.」を立ち上げたほか、事業譲受によりお金に関するWebメディア「マネーの達人」及び映画レビューまとめサービス「coco」の運営を追加している。また、社内開発により仮想通貨関連の情報サイト等を含め8つのWebサイトをオープンした。これら運営サイトの拡充に加えて、SEO対策等の取り組みを強化したこともあって、運営Webサイト全体の月平均PV数は前期比7.4%増の153百万PVと2期ぶりに増加に転じ過去最高を更新している(従来は2016年6月期の150百万PV)。
売上高の内訳を見ると、データ・コンテンツ提供がEC市場の拡大を追い風に前期比8.3%増の1,756百万円となったほか、メディア・システムも2017年7月より子会社化したネイティブの売上げが加算されたこともあり、同59.1%増の549百万円と伸張した。一方、ネット広告販売は前半苦戦したこともあって同1.3%減の1,331百万円と減少が続いたが、下期だけで見るとPV数が回復したこともあって同10.1%増と増収に転じている。また、出版については子会社の(株)泰文堂を売却した影響により同5.5%減の307百万円と減少している。
営業利益の増減要因を見ると、増収効果で303百万円、広告宣伝費の削減で49百万円、その他経費の抑制で7百万円の増益要因となった。外注費については外注比率の高いメディア・システムの売上げが伸長したこともあり189百万円の増加となったが、増加幅については従来よりも抑制できたものと見られる。同社は従来、PV数の増加を図るため広告宣伝費を年間90百万円程度投下してきたが、当期は36百万円(上期23百万円、下期13百万円)まで圧縮しながらPV数増加を実現しており、収益性が大きく改善した要因と言える。
(2) CMS事業
CMS事業の売上高は前期比4.0%増の900百万円と2期ぶりに増収に転じたものの、営業利益は同35.3%減の44百万円と減益となった。売上高の内訳を見ると、リサーチソリューションは主力の自動車関連業界からの受注増により同2.3%増の700百万円となり、ECソリューションについてもEC市場の拡大を背景に、同10.6%増の199百万円となった。営業利益が減益となったのは、粗利率が低い海外リサーチ案件が増加したことが主因となっている。リサーチソリューションの海外売上比率は1〜2割程度だが、外注費率も高く相対的な利益率は低くなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2018年6月期業績概要
イード<6038>の2018年6月期の連結業績は、売上高で前期比7.2%増の4,715百万円、営業利益で同194.5%増の256百万円、経常利益で同198.2%増の269百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で50百万円(前期は437百万円の損失)となり、売上高では2期ぶりに過去最高を更新し、すべての利益項目で3期ぶりの増益に転じた。主力のCMP事業において広告費の削減や外注費の抑制等の収益改善施策に取り組んだことが大幅増益につながった。なお、前期は子会社の減損損失を中心に特別損失414百万円を計上し最終赤字に転落したが、2018年6月期は特別損失が149百万円に縮小したこともあり、2期ぶりに黒字転換している。
(1) CMP事業
CMP事業の売上高は前期比8.3%増の3,945百万円、営業利益は同304.1%増の225百万円となった。2018年6月期は地方創生分野におけるデジタルマーケティング支援事業を行うネイティブ(株)を子会社化し自社メディア「NATIV.」を立ち上げたほか、事業譲受によりお金に関するWebメディア「マネーの達人」及び映画レビューまとめサービス「coco」の運営を追加している。また、社内開発により仮想通貨関連の情報サイト等を含め8つのWebサイトをオープンした。これら運営サイトの拡充に加えて、SEO対策等の取り組みを強化したこともあって、運営Webサイト全体の月平均PV数は前期比7.4%増の153百万PVと2期ぶりに増加に転じ過去最高を更新している(従来は2016年6月期の150百万PV)。
売上高の内訳を見ると、データ・コンテンツ提供がEC市場の拡大を追い風に前期比8.3%増の1,756百万円となったほか、メディア・システムも2017年7月より子会社化したネイティブの売上げが加算されたこともあり、同59.1%増の549百万円と伸張した。一方、ネット広告販売は前半苦戦したこともあって同1.3%減の1,331百万円と減少が続いたが、下期だけで見るとPV数が回復したこともあって同10.1%増と増収に転じている。また、出版については子会社の(株)泰文堂を売却した影響により同5.5%減の307百万円と減少している。
営業利益の増減要因を見ると、増収効果で303百万円、広告宣伝費の削減で49百万円、その他経費の抑制で7百万円の増益要因となった。外注費については外注比率の高いメディア・システムの売上げが伸長したこともあり189百万円の増加となったが、増加幅については従来よりも抑制できたものと見られる。同社は従来、PV数の増加を図るため広告宣伝費を年間90百万円程度投下してきたが、当期は36百万円(上期23百万円、下期13百万円)まで圧縮しながらPV数増加を実現しており、収益性が大きく改善した要因と言える。
(2) CMS事業
CMS事業の売上高は前期比4.0%増の900百万円と2期ぶりに増収に転じたものの、営業利益は同35.3%減の44百万円と減益となった。売上高の内訳を見ると、リサーチソリューションは主力の自動車関連業界からの受注増により同2.3%増の700百万円となり、ECソリューションについてもEC市場の拡大を背景に、同10.6%増の199百万円となった。営業利益が減益となったのは、粗利率が低い海外リサーチ案件が増加したことが主因となっている。リサーチソリューションの海外売上比率は1〜2割程度だが、外注費率も高く相対的な利益率は低くなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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