テクマト Research Memo(7):2021年3月期に売上高280億円、営業利益27億円を目指す
[18/10/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 新中期経営計画「GO BEYOND 3.0」
(1) 事業戦略
2019年3月期から新たにスタートした3ヶ年の中期経営計画「GO BEYOND 3.0」では、「クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進」と「セキュリティ&セイフティ(安心と安全)」という前中期経営計画の事業戦略を踏襲しつつ、新たに「事業運営体制の多様化」を推進することで、成長スピードを加速化していく方針を打ち出した。
具体的には、テクマトリックス<3762>が目指す「次世代のITサービスクリエーター」「次世代のITサービスプロバイダー」への変貌を実現していくうえで、資本提携や業務提携、大学・研究機関との連携等を積極的に行い、社内に取込むことで事業の成長スピードを加速化していくというもの。「NOBORI」の事業を分社化し、三井物産からの出資を受け入れ、AI技術を活用した新サービスの創出に取組んでいるのが好例となる。同社では自社サービスの開発や事業展開において、必要であれば今後もアライアンスやM&A等を積極的に検討していく方針だ。
新事業領域としてはビッグデータの利活用(AIの利用含む)やBtoC領域でのクラウドサービスの開発・提供を進めていくほか、海外市場での事業拡大を加速化していく方針となっている。なお、これら領域についての売上高の増収効果は今回の業績計画には織込んでいない。
(2) 経営数値目標
中期経営計画最終年度となる2021年3月期の業績数値目標は、売上高で28,000百万円、営業利益で2,700百万円とし、増収増益基調が続く見通しとなっている。事業セグメント別で見れば、情報基盤事業の売上高は18,500百万円、営業利益は1,750百万円となり、年平均成長率では売上高で5.3%、営業利益で4.1%と着実な成長を見込んでいる。一方、アプリケーション・サービス事業の売上高は9,500百万円、営業利益は950百万円となり、年平均成長率では売上高で7.4%、営業利益で39.6%と利益成長を大きく見込んでいる。これはクラウドサービス事業の成長が今後加速化していくことが要因となっている。営業利益率も10.0%と情報基盤事業の9.5%を上回ることになる。業績が計画どおり推移すれば、従来、情報基盤事業に偏重していた営業利益もアプリケーション・サービス事業で全体の35.2%(2018年3月期は18.4%)を占めることになり、バランスの取れた収益ポートフォリオとなる。事業セグメント別の取組みは以下のとおりとなる。
a) 情報基盤事業
ビジネス環境の変化として、クラウドサービスの普及拡大や仮想化技術の利用進展、サブスクリプションモデルの広がりなどが挙げられ、また、サイバー攻撃に対する脅威が年々増大するなかで、より高度で広範なセキュリティに関する知見や技術が求められるようになってきている(製品特化型からの転換)。
こうしたなか、情報基盤事業では事業構造の転換・差別化のための独自付加価値サービスの創出に注力していくほか、クラウドや仮想化対応製品の積極的な販売及び顧客の運用を支援する拡張保守による差別化を図ることで事業規模を拡大していく方針だ。また、解析サービス等の高度なセキュリティサービスの提供や、取扱製品横断でTRINITY技術(ICT基盤の運用監視サービス)を活用したサービスの提供、顧客ニーズからのソリューション創出により、他の代理店との差別化を図っていく。そのほか、セキュリティに知見のある企業のM&Aや、オープンイノベーション的な協業の可能性も検討していく。
b) アプリケーション・サービス事業
ビジネス環境の変化として、オープンソースの普及やクラウドサービスの普及拡大によって、企業における情報システムの位置付けは「保有」から「利用」する時代に変わり、システム開発会社にとっては受託開発ビジネスの終焉が予測されている。
こうしたなか、アプリケーション・サービス事業では、受託開発ビジネスから自社開発によるクラウドサービス(BtoC領域等)を中心とした高付加価値型の事業モデルへのシフトを加速化していく方針となっている。また、教育観点から事業分野間でのコミュニケーションレベルを進化・促進していくほか、ビッグデータ解析やBI、AI技術開発に関しての部門横断的な取組みを推進していくことで、新規事業の創出を図っていく。そのほか、ベンチャーや大学、異業種との連携を進めていくほか、自社開発の高付加価値サービスを拡大していくためのM&Aも検討していく。
なおM&Aの資金としては、手元資金に加えて2018年3月期末時点で発行株数の29.8%を保有している自己株式(738.7万株)の活用も選択肢の1つとしている。また、将来的には国際会計基準であるIFRSの導入も検討課題としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 新中期経営計画「GO BEYOND 3.0」
(1) 事業戦略
2019年3月期から新たにスタートした3ヶ年の中期経営計画「GO BEYOND 3.0」では、「クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進」と「セキュリティ&セイフティ(安心と安全)」という前中期経営計画の事業戦略を踏襲しつつ、新たに「事業運営体制の多様化」を推進することで、成長スピードを加速化していく方針を打ち出した。
具体的には、テクマトリックス<3762>が目指す「次世代のITサービスクリエーター」「次世代のITサービスプロバイダー」への変貌を実現していくうえで、資本提携や業務提携、大学・研究機関との連携等を積極的に行い、社内に取込むことで事業の成長スピードを加速化していくというもの。「NOBORI」の事業を分社化し、三井物産からの出資を受け入れ、AI技術を活用した新サービスの創出に取組んでいるのが好例となる。同社では自社サービスの開発や事業展開において、必要であれば今後もアライアンスやM&A等を積極的に検討していく方針だ。
新事業領域としてはビッグデータの利活用(AIの利用含む)やBtoC領域でのクラウドサービスの開発・提供を進めていくほか、海外市場での事業拡大を加速化していく方針となっている。なお、これら領域についての売上高の増収効果は今回の業績計画には織込んでいない。
(2) 経営数値目標
中期経営計画最終年度となる2021年3月期の業績数値目標は、売上高で28,000百万円、営業利益で2,700百万円とし、増収増益基調が続く見通しとなっている。事業セグメント別で見れば、情報基盤事業の売上高は18,500百万円、営業利益は1,750百万円となり、年平均成長率では売上高で5.3%、営業利益で4.1%と着実な成長を見込んでいる。一方、アプリケーション・サービス事業の売上高は9,500百万円、営業利益は950百万円となり、年平均成長率では売上高で7.4%、営業利益で39.6%と利益成長を大きく見込んでいる。これはクラウドサービス事業の成長が今後加速化していくことが要因となっている。営業利益率も10.0%と情報基盤事業の9.5%を上回ることになる。業績が計画どおり推移すれば、従来、情報基盤事業に偏重していた営業利益もアプリケーション・サービス事業で全体の35.2%(2018年3月期は18.4%)を占めることになり、バランスの取れた収益ポートフォリオとなる。事業セグメント別の取組みは以下のとおりとなる。
a) 情報基盤事業
ビジネス環境の変化として、クラウドサービスの普及拡大や仮想化技術の利用進展、サブスクリプションモデルの広がりなどが挙げられ、また、サイバー攻撃に対する脅威が年々増大するなかで、より高度で広範なセキュリティに関する知見や技術が求められるようになってきている(製品特化型からの転換)。
こうしたなか、情報基盤事業では事業構造の転換・差別化のための独自付加価値サービスの創出に注力していくほか、クラウドや仮想化対応製品の積極的な販売及び顧客の運用を支援する拡張保守による差別化を図ることで事業規模を拡大していく方針だ。また、解析サービス等の高度なセキュリティサービスの提供や、取扱製品横断でTRINITY技術(ICT基盤の運用監視サービス)を活用したサービスの提供、顧客ニーズからのソリューション創出により、他の代理店との差別化を図っていく。そのほか、セキュリティに知見のある企業のM&Aや、オープンイノベーション的な協業の可能性も検討していく。
b) アプリケーション・サービス事業
ビジネス環境の変化として、オープンソースの普及やクラウドサービスの普及拡大によって、企業における情報システムの位置付けは「保有」から「利用」する時代に変わり、システム開発会社にとっては受託開発ビジネスの終焉が予測されている。
こうしたなか、アプリケーション・サービス事業では、受託開発ビジネスから自社開発によるクラウドサービス(BtoC領域等)を中心とした高付加価値型の事業モデルへのシフトを加速化していく方針となっている。また、教育観点から事業分野間でのコミュニケーションレベルを進化・促進していくほか、ビッグデータ解析やBI、AI技術開発に関しての部門横断的な取組みを推進していくことで、新規事業の創出を図っていく。そのほか、ベンチャーや大学、異業種との連携を進めていくほか、自社開発の高付加価値サービスを拡大していくためのM&Aも検討していく。
なおM&Aの資金としては、手元資金に加えて2018年3月期末時点で発行株数の29.8%を保有している自己株式(738.7万株)の活用も選択肢の1つとしている。また、将来的には国際会計基準であるIFRSの導入も検討課題としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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