クイック Research Memo(3):看護師やエンジニアなど専門職の人材紹介に強み
[18/12/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
2. 事業内容
クイック<4318>は人材と情報にフォーカスし、人材サービス事業、リクルーティング事業、情報出版事業、その他(ネット関連事業、海外事業)の5事業を展開している。売上高構成比(2019年3月期第2四半期)は人材サービス事業とリクルーティング事業で82%、営業利益では同93%(連結調整前)と大半を占めている。しかし最近では、その他2事業も活発な動きを見せている。
(1)人材サービス事業
人材サービス事業では、人材紹介や人材派遣、紹介予定派遣、業務請負を行っている。人材紹介は同社の主力事業で、登録型人材バンクとしてサービスを提供、就業希望者と求人企業にとって最適なマッチングを行っている。同社は、医療機関を対象とした看護師、製薬メーカーに向けたMR(Medical Representative:医薬情報提供者)、建設・プラント系エンジニアなど専門職の紹介に強みを持っている。専門職は労働需給がタイトだが、こうした分野でも競争は徐々に激化しており、同社は運営する求人サイトのサービスやコンテンツなどを強化するとともに、若手コンサルタントの育成や能力開発に積極投資をしてきた。なお、就業希望者の採用が決定した場合、求人企業から成功報酬として紹介手数料を受け取ることになるが、専門性の高い人材の紹介であるため収益性も高い事業となっている。
人材派遣では、地域特性や得意分野に絞って業務を展開しており、登録した就業希望者の中から求人企業のニーズにマッチした人材を選んで派遣している。人材獲得競争の激化や派遣スタッフの正社員化、旺盛な医療・福祉施設からの求人ニーズなどにより、現在、派遣スタッフの登録数を確保することが大きな課題となっている。これに対して、「派遣deパート」や「メディケアキャリア」などのサイトにおいて、プロモーションやコンテンツを強化するなど集客力を高める策を講じている。また、保育士派遣・紹介については昨年9月に専門サイト「ほいとも大阪」を立ち上げ、保育園運営サービスに関しては大阪府で小規模認可保育・認可保育所「こぐまの森保育園」を展開、待機児童問題の解消や女性の活躍をサポートしている。
人材サービスの利益率は、一般的に売上高(派遣・紹介人数×派遣・紹介料金)、労務費(スタッフ賃金及び周辺費用)、本社人件費(コンサルタントなど)、広告費(募集費・広告費)などによって決まる。現在、専門職を中心に人手不足が深刻となっており企業の求人ニーズは高く、一般的には派遣・紹介手数料は上昇傾向となっている。一方、同様の理由でスタッフ賃金も上昇傾向にあるうえ、コンサルタントや広告の質を高めて差別化する必要もある。このように、紹介人数も紹介料金も強含んでいる一方、コストもプッシュ気味という傾向にある。看護師など専門職の紹介を得意とする同社は、専門職に直結する求人サイトの作成やブランディングで先行しており、人材サービス事業の営業利益率が17.5%(2018年3月期)と業界の中でも比較的高い水準を維持している。
(2) リクルーティング事業
リクルーティング事業では、採用活動の企画・提案から入社後の育成サポートまでワンストップのサービスを提供しており、求人企業が抱える採用・人事の課題解消に向けたコンサルティングと同社では位置付けている。主力の求人広告では、求人情報サイトや求人情報誌などに掲載する広告の案内から、求人企業のニーズに合わせた広告制作までを行っている。ほかにも、採用活動で使用する会社パンフレットの制作、適性検査などの採用支援ツールの提供、採用業務の一部を代行する人事業務請負、入社後の人材教育・育成サービスなど様々なサービスを提供している。なお、求人広告の取扱いは、創業時より関連の深いリクルート系メディアがメインとなっている。ただし最近では、求人情報専門の検索エンジンIndeedを活用したサービスの提案も行っている。
(3) 情報出版事業
情報出版事業では、子会社の(株)カラフルカンパニーが北陸3県(石川、富山、福井)と新潟県において、地域情報誌の出版やポスティングサービス、「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービス(対面相談サービス)などの事業を行っている。地域情報誌の出版では、地元情報に特化した幅広いジャンルのフリーペーパーなどに飲食店や求人などの広告を載せて発行するほか、Web商品やイベントなどにより企業のプロモーション支援も行っている。ポスティングでは折り込みチラシなどを各家庭に配布するサービス、コンシェルジュでは、家づくりや転職・結婚を考える人と企業を対面カウンター形式でマッチングさせるサービスを展開している。ポスティングや転職コンシェルジュなど好調な事業が増えてきた。
(4) その他(ネット関連事業/海外事業)
ネット関連事業では、人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」の企画・運営や「HRカンファレンス」など、「日本の人事部」ブランドによるイベントの企画・運営、Webプロモーション支援など、HRビジネス(人事支援ビジネス)を行っている。「日本の人事部」は経営者や人事担当者など人事キーパーソン13万人以上が正会員登録しているサイトであり、「HRカンファレンス」は人事キーパーソンが集う日本最大規模のHRイベントで、ともに高いブランド力を誇る。現在、13万人を超える人事キーパーソン情報の活用が課題となっている。
海外事業では、現地の日系企業を対象に、米国では人材紹介や人材派遣、人事労務コンサルティングサービス、中国では人事労務コンサルティングや採用支援サービスなどを行っている。ほかにベトナムやメキシコへも進出、2017年8月には英国ロンドンで、日系企業向けに人材紹介や人材派遣を手掛けるCentre People Appointments Ltdの株式を取得し子会社化した。近い将来、クロスボーダー転職市場(国境をまたいだ転職市場)が拡大することが予測されていることから、ネットワークづくりを本格化しているところである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2. 事業内容
クイック<4318>は人材と情報にフォーカスし、人材サービス事業、リクルーティング事業、情報出版事業、その他(ネット関連事業、海外事業)の5事業を展開している。売上高構成比(2019年3月期第2四半期)は人材サービス事業とリクルーティング事業で82%、営業利益では同93%(連結調整前)と大半を占めている。しかし最近では、その他2事業も活発な動きを見せている。
(1)人材サービス事業
人材サービス事業では、人材紹介や人材派遣、紹介予定派遣、業務請負を行っている。人材紹介は同社の主力事業で、登録型人材バンクとしてサービスを提供、就業希望者と求人企業にとって最適なマッチングを行っている。同社は、医療機関を対象とした看護師、製薬メーカーに向けたMR(Medical Representative:医薬情報提供者)、建設・プラント系エンジニアなど専門職の紹介に強みを持っている。専門職は労働需給がタイトだが、こうした分野でも競争は徐々に激化しており、同社は運営する求人サイトのサービスやコンテンツなどを強化するとともに、若手コンサルタントの育成や能力開発に積極投資をしてきた。なお、就業希望者の採用が決定した場合、求人企業から成功報酬として紹介手数料を受け取ることになるが、専門性の高い人材の紹介であるため収益性も高い事業となっている。
人材派遣では、地域特性や得意分野に絞って業務を展開しており、登録した就業希望者の中から求人企業のニーズにマッチした人材を選んで派遣している。人材獲得競争の激化や派遣スタッフの正社員化、旺盛な医療・福祉施設からの求人ニーズなどにより、現在、派遣スタッフの登録数を確保することが大きな課題となっている。これに対して、「派遣deパート」や「メディケアキャリア」などのサイトにおいて、プロモーションやコンテンツを強化するなど集客力を高める策を講じている。また、保育士派遣・紹介については昨年9月に専門サイト「ほいとも大阪」を立ち上げ、保育園運営サービスに関しては大阪府で小規模認可保育・認可保育所「こぐまの森保育園」を展開、待機児童問題の解消や女性の活躍をサポートしている。
人材サービスの利益率は、一般的に売上高(派遣・紹介人数×派遣・紹介料金)、労務費(スタッフ賃金及び周辺費用)、本社人件費(コンサルタントなど)、広告費(募集費・広告費)などによって決まる。現在、専門職を中心に人手不足が深刻となっており企業の求人ニーズは高く、一般的には派遣・紹介手数料は上昇傾向となっている。一方、同様の理由でスタッフ賃金も上昇傾向にあるうえ、コンサルタントや広告の質を高めて差別化する必要もある。このように、紹介人数も紹介料金も強含んでいる一方、コストもプッシュ気味という傾向にある。看護師など専門職の紹介を得意とする同社は、専門職に直結する求人サイトの作成やブランディングで先行しており、人材サービス事業の営業利益率が17.5%(2018年3月期)と業界の中でも比較的高い水準を維持している。
(2) リクルーティング事業
リクルーティング事業では、採用活動の企画・提案から入社後の育成サポートまでワンストップのサービスを提供しており、求人企業が抱える採用・人事の課題解消に向けたコンサルティングと同社では位置付けている。主力の求人広告では、求人情報サイトや求人情報誌などに掲載する広告の案内から、求人企業のニーズに合わせた広告制作までを行っている。ほかにも、採用活動で使用する会社パンフレットの制作、適性検査などの採用支援ツールの提供、採用業務の一部を代行する人事業務請負、入社後の人材教育・育成サービスなど様々なサービスを提供している。なお、求人広告の取扱いは、創業時より関連の深いリクルート系メディアがメインとなっている。ただし最近では、求人情報専門の検索エンジンIndeedを活用したサービスの提案も行っている。
(3) 情報出版事業
情報出版事業では、子会社の(株)カラフルカンパニーが北陸3県(石川、富山、福井)と新潟県において、地域情報誌の出版やポスティングサービス、「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービス(対面相談サービス)などの事業を行っている。地域情報誌の出版では、地元情報に特化した幅広いジャンルのフリーペーパーなどに飲食店や求人などの広告を載せて発行するほか、Web商品やイベントなどにより企業のプロモーション支援も行っている。ポスティングでは折り込みチラシなどを各家庭に配布するサービス、コンシェルジュでは、家づくりや転職・結婚を考える人と企業を対面カウンター形式でマッチングさせるサービスを展開している。ポスティングや転職コンシェルジュなど好調な事業が増えてきた。
(4) その他(ネット関連事業/海外事業)
ネット関連事業では、人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」の企画・運営や「HRカンファレンス」など、「日本の人事部」ブランドによるイベントの企画・運営、Webプロモーション支援など、HRビジネス(人事支援ビジネス)を行っている。「日本の人事部」は経営者や人事担当者など人事キーパーソン13万人以上が正会員登録しているサイトであり、「HRカンファレンス」は人事キーパーソンが集う日本最大規模のHRイベントで、ともに高いブランド力を誇る。現在、13万人を超える人事キーパーソン情報の活用が課題となっている。
海外事業では、現地の日系企業を対象に、米国では人材紹介や人材派遣、人事労務コンサルティングサービス、中国では人事労務コンサルティングや採用支援サービスなどを行っている。ほかにベトナムやメキシコへも進出、2017年8月には英国ロンドンで、日系企業向けに人材紹介や人材派遣を手掛けるCentre People Appointments Ltdの株式を取得し子会社化した。近い将来、クロスボーダー転職市場(国境をまたいだ転職市場)が拡大することが予測されていることから、ネットワークづくりを本格化しているところである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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