ダイコク電 Research Memo(3):様々な局面からホール経営に対する付加価値を提供
[19/01/07]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■企業特長
1. 革新的な価値提供による市場開拓型の成長モデル
ダイコク電機<6430>は、創業以来、常に新たなカテゴリーの製品やサービスを企画・開発することで市場を開拓し、成長を遂げてきた。単に機能性に優れているだけでなく、「データ管理の重要性」と「情報公開の必要性」を提唱し、様々な局面からホール経営に対する付加価値を提供してきたところに同社の強みがある。
1974年に発売した「ホールコンピュータ」は、それまで簡易なデータ集計程度だったパチンコホールに対して、「データ管理」に基づく管理手法を提案し、デファクトスタンダードにまで発展させた。その後も、パチンコ・パチスロ遊技機の様々な機種情報を来店客に提供する情報公開端末「データロボ」など、革新的機能を搭載した「業界初」となる情報機器を相次いで投入しており、ホール経営の効率化やファンの満足度を高める価値提供により、ホールの業績向上に貢献してきた。
また、新規事業として2014年3月期より開発に取り組んできたパチスロ遊技機についても、射幸性の高さで選別されがちなパチンコ、パチスロとは一線を画している。人気イラストレーターによるオリジナルキャラクターの採用、アニメーションや声優などを含め、徹底した質へのこだわりがアニメ好きのパチスロファンの心をつかみ、同社ならではの新たな市場を開拓している。
2. 会員ホールとの強固なネットワーク
ホールコンピュータを基盤とした会員制情報提供サービスも同社の強みとなっている。同社と会員ホールを専用回線で結び、各ホールから日々送られてくるデータを分析・加工した上で、ホール経営に役立つ情報をフィードバックするサービスである。ホールは、全国の遊技台情報や機種ごとの営業データなど、外部からの有益な情報を使った適切な店舗運営が可能となるとともに、同社にとっても、会員との強固なネットワークは事業基盤の支えとなっている。また、業界のシンクタンク的な役割も担っており、リーディングカンパニーとして同社のブランド力向上にも貢献しているほか、遊技機メーカーへの戦略的な提案・営業活動にも生かされているようだ。2018年3月末現在の会員数は3,638店、管理台数は146万台(管理台数シェア32.8%)、データ規模9.2兆円(年間売上)となっている。会員数は、パチンコホール全体が減少傾向にあるなかで頭打ちの状態にあるが、大型店舗を中心に高い管理台数シェアを誇っている。
3. 安定収益基盤が将来に向けた投資を支える
同社の競争力の源泉は、研究開発費を始めとする将来の成長に向けた積極的な先行投資にある。ここ数年を見ても、パチスロ遊技機や次世代ホールコンピュータ(及び周辺機器)の開発など、今後の成長ドライバーとなる分野に積極的な投資を続けてきた。一方、それを可能としているのは、利益率の高い情報システム事業が収益源(キャッシュカウ)として機能しているからにほかならない。特に、ストック型ビジネスモデルとして推進している経営支援サービス(以下、MGサービス)が安定収益の柱として育ってきたことから、高水準で推移している研究開発費もMGサービスによる安定したセグメント利益の範囲内で賄うことができ、投資リスクは極めて限定的と言える。既存事業の収益力の高さと将来の成長に向けた投資のバランスが同社の持続的な価値創造を実現していると考えられる。なお、2018年3月期以降は「次世代システム」の開発計画について見直しを行い、研究開発費は減少している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<HN>
1. 革新的な価値提供による市場開拓型の成長モデル
ダイコク電機<6430>は、創業以来、常に新たなカテゴリーの製品やサービスを企画・開発することで市場を開拓し、成長を遂げてきた。単に機能性に優れているだけでなく、「データ管理の重要性」と「情報公開の必要性」を提唱し、様々な局面からホール経営に対する付加価値を提供してきたところに同社の強みがある。
1974年に発売した「ホールコンピュータ」は、それまで簡易なデータ集計程度だったパチンコホールに対して、「データ管理」に基づく管理手法を提案し、デファクトスタンダードにまで発展させた。その後も、パチンコ・パチスロ遊技機の様々な機種情報を来店客に提供する情報公開端末「データロボ」など、革新的機能を搭載した「業界初」となる情報機器を相次いで投入しており、ホール経営の効率化やファンの満足度を高める価値提供により、ホールの業績向上に貢献してきた。
また、新規事業として2014年3月期より開発に取り組んできたパチスロ遊技機についても、射幸性の高さで選別されがちなパチンコ、パチスロとは一線を画している。人気イラストレーターによるオリジナルキャラクターの採用、アニメーションや声優などを含め、徹底した質へのこだわりがアニメ好きのパチスロファンの心をつかみ、同社ならではの新たな市場を開拓している。
2. 会員ホールとの強固なネットワーク
ホールコンピュータを基盤とした会員制情報提供サービスも同社の強みとなっている。同社と会員ホールを専用回線で結び、各ホールから日々送られてくるデータを分析・加工した上で、ホール経営に役立つ情報をフィードバックするサービスである。ホールは、全国の遊技台情報や機種ごとの営業データなど、外部からの有益な情報を使った適切な店舗運営が可能となるとともに、同社にとっても、会員との強固なネットワークは事業基盤の支えとなっている。また、業界のシンクタンク的な役割も担っており、リーディングカンパニーとして同社のブランド力向上にも貢献しているほか、遊技機メーカーへの戦略的な提案・営業活動にも生かされているようだ。2018年3月末現在の会員数は3,638店、管理台数は146万台(管理台数シェア32.8%)、データ規模9.2兆円(年間売上)となっている。会員数は、パチンコホール全体が減少傾向にあるなかで頭打ちの状態にあるが、大型店舗を中心に高い管理台数シェアを誇っている。
3. 安定収益基盤が将来に向けた投資を支える
同社の競争力の源泉は、研究開発費を始めとする将来の成長に向けた積極的な先行投資にある。ここ数年を見ても、パチスロ遊技機や次世代ホールコンピュータ(及び周辺機器)の開発など、今後の成長ドライバーとなる分野に積極的な投資を続けてきた。一方、それを可能としているのは、利益率の高い情報システム事業が収益源(キャッシュカウ)として機能しているからにほかならない。特に、ストック型ビジネスモデルとして推進している経営支援サービス(以下、MGサービス)が安定収益の柱として育ってきたことから、高水準で推移している研究開発費もMGサービスによる安定したセグメント利益の範囲内で賄うことができ、投資リスクは極めて限定的と言える。既存事業の収益力の高さと将来の成長に向けた投資のバランスが同社の持続的な価値創造を実現していると考えられる。なお、2018年3月期以降は「次世代システム」の開発計画について見直しを行い、研究開発費は減少している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<HN>